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夢に出てくるハユリ

 クミルティアが青い顔をして戻ってきた。

 リュハと真剣に話をしている。


 今日はリュハの番だが、龍姫から強く言われたのだろうか。


 その夜。


「……陛下。その。わたくしは正直技術もありません。私がやろうとしても不敬を働くかと思います。……ですから、私は決して抵抗しませんので……」


 クミルティアと相談の結果、「無抵抗で犯してもらおう」になったらしい。


「……」

 横になっているリュハを改めて見る。

 見た目だけならハユリそっくり。


 目を瞑るとまだあの思い出が蘇る。

『リグルドさまぁ』

『えへへ♪ きっとリグルド様のお役にたってみせますわ♪』


 あの豊満な肉体まではいかない。

 リュハは育っている最中だ。


 だからこそ

「リュハ。よくぞ言った。辛いかも知れないが耐えてくれ」


 そのままリュハの服を脱がす。

 既に着替えており、その服は脱ぎやすいような作りになっている。


「……ひぅっ!」

 少し小さな抵抗を見せるが、そのまま縮こまる。


「別に無理に頑張ろうとしなくていい。さっき自分で言ったように抵抗をしないようにしてくれれば」


 ゆっくりとリュハを押し倒す。

 まともにセッ〇スなんてしたことがなかった。

 女の肌というのも味わっていない。


 抵抗をしないと言うのだ。だったら

「ひゃっっんっっっ!!!」

 首筋に舌を這わせる。


 物凄いバタバタ暴れるが

「……リュハ。別に傷つけるわけではないから……」

「……く、くすぐったいです……」


「そのまま続ける……」

 その瞬間、違和感に気付いた。


「……クミルティアにはしっかり伝えました。クミルティア以外は入るのを認めない。ましてやここは皇帝の寝室。本来ならば重罪です」


 天井の方を見上げる。


 まったく気配がなかったが、リュハが暴れた時に気配を感じたのだ。


 恐らくエールミケア。

 心配で見にきたんだろうが


「そのまま立ち去りなさい。今なら問題にはしません」


 気配はない。

 だがいなくなったんだろうな、という感じはする。


「リュハ、続きをする」

「……見られてたって、ことです?」

 なんか気味悪そうにしているリュハ。


「別に見られたところで、というのはあります。サザリィはいつも侍女と一緒にやってますから。さあ、次は股を開いて」


「……!!! ……は、恥ずかしいです……」

「抵抗しない。んじゃないですか?」

 少し強く言うと、リュハはゆっくりと股を開く。


「……ひっ! ひぃぅぅぅうううっっっ!!!」

 叫ぶ。

 それはいいが

『ビュン!!!』

 脚が頭をかする


「リュハ。危ないから」

 抵抗しないとはなんなのか。


「す、すみません! なんか、身体が勝手に……」

 これでは危なくて出来ない。

 縛るとかしないと無理。


「……しかたないな。ではいつものように添い寝してくれ」


「……は、はい! 申し訳ありません……」

 裸のリュハ。

 それに抱きついて眠るのもいい。


「……申し訳ありません。……おやすみなさい。へいか……」

 リュハの言葉を聞きながら、不自然なほど急速に来た眠気に身を委ねた。



『リグルドさまーーー♡♡♡』

 夢。まあ夢なんだろう。


 目の前にはリュハではなく、ハユリがいる。

『やっとお会い出来ました!!! ずっとお待ちしていたのですよ!!!』


 表情豊かに笑うハユリ。


 しかし身体はリグルドではない。今の身体だ。


「……身体は違っていますね」

『身体は違くともリグルド様です♪ さあ、こちらにどうぞ♪』


 笑顔で腕を組み案内される。

 ここはどこなのか?


 見たこともない部屋。

 扉を開けると


『リグルドさま!』

『ああ、リグルドさま! こんなにお若くなられて!』


 若い女性達が感激したように立ち上がる。


「……リメイ、ネルフラ、アンリ……」

 全員見覚えがある。


 リグルドだった自分を慕ってくれていた女性達。


『リグルドさま! 今度皇帝になられたとお聞きしました! なんでも苦労されていると!』


 ハユリが嬉しそうに話をする。

 あ、なんか嫌な予感がする。


『このハユリにお任せください! 依代よりしろにとりついて! きっちり! ばっちりサポートします!』


『私達もです! 依代よりしろを見つけ取り付いてお世話させて頂きます!』


 いや、しなくていい。というかお前たち絶対そういうの上手くいかないから。


 そういう心の声は声に出ず。


『リグルドさまー! がんばりまーす!!!』

 部屋が歪む。


 夢が覚める。



「……間違いなく、『神』の介入だろうな……」

 ため息をつく。


 すぐに手をうとう。



「国中にお触れを回せ。突然『ハユリ、リメイ、ネルフラ、アンリ』を名乗る女性を見つけたら、丁寧に神都に連れてこいと」


 依代が誰かも分からない。

 この大陸にいるかも分からないが、取りあえずお触れを出そう。


「……かしこまりました。それで、陛下。エウロバから人払いしてからの相談があると」


 人払いしてからの相談。

 エウロバは基本的にこの皇帝の執務室で直接話をする。


 執務室は広く、常に10人はいて様々な決裁をするのだが、敢えて人払いをして話をしたいなど今までなかった。


「良いでしょう。人を遠ざけた後にエウロバを呼んでください」



 エウロバは少し不機嫌そうに入ってくる。

「エウロバ。人払いとはよっぽどの用ですか?」

「その通りだエリス。かなりマズい。しかも、もうこれは起こることは確定している」


 苦虫を噛み締めるような顔。

「一体なにが?」

「話は複雑だ。だが、結論だけ先に言おう。イルネル火山の噴火が間近にせまっている。聖女ミルティアの能力でも制御出来ないほどの力だそうだ。今までも聖女の力を持ってしても噴火を防げなかった火山はあった。しかし、今回のイルネル火山は場所が悪すぎる」


 イルネル火山。

 すぐに地図を広げる。


「……大陸中央部から若干西……ここは……」

「肥沃帯で穀物の一大生産地だ。ここが全滅すれば飢饉が起こる。既に聖女ミルティアは噴火を遅らせるべく力を使ってくれているらしいが。民の避難が間に合ったところで、飢饉の危機は変わらない」


 かなりマズい。これの対応を間違えれば間違いなく帝国は崩壊する。


 ただでさえ、瓦解しそうになっているのだ。

 それに火山による被害となれば、神教に対する不信にも繋がりかねない。


「情報を公開し、避難を開始させましょう。聖女と連絡をとり、どこまで伸ばすことができるかの確認も必要です」


「公開すれば民はパニックになる」

 それに頷き


「それでも、公開すべきです。公開した上で具体策を提示するようにします」

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