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厄介すぎる3人

 結局3人いっぺんに顔を合わせる事になった。

 私の中では、この中でもっとも厄介なのはラウレス。

 他の二人は私に対して迎合しようとしてくれているが、彼女は全くそのつもりはない。


(……オーディルビス王国との和平という形で受け入れたが、無理があったか)

 ラウレスが私に反抗的なのも仕方ない。

 いきなり敵対勢力の側室になれ。と言われても難しい。


 私もラウレスとの会話が足りないだろうが、それ以前の問題な気はする。

 それに皇帝から側室にすり寄るというのも、今の帝国の現状では色々マズい。

(……ラウレスは返すか)


 まだ一度も性行為はしていない。

 側室に入れたと言っても、まだ日は浅いし正式な発表もされていない。


「エウロバ。ラウレスは返しましょうか?」

「……エリスがそう言ってくれるならば。タチアナには話をしよう」


「いえ、私が話をします。これ以上オーディルビス王国と拗れるのはマズい」



 オーディルビス王国の王、タチアナとの会話。

 遠距離会話装置で話合いを始めたのだが、これがもうすごかった。


 まずはラウレスを返したいという話の段階では、困惑と威圧があった。

 既に決めたこと。まだ正式に発表していないからと言ってもそれは困ると。


 その後に、ラウレスのやらかし。侍女に対する殴る蹴るの暴行。私に対する罵倒。他の側室との殴り合いの喧嘩。


 この現状ではお互い不幸だろう。

 そういう話になると

「ラウレスを呼んで欲しい」

 となり、そこから先が


『バカなのはお前だ!!! このクソガキ!!! 育て方を間違えたか!!! お前の両親を血祭りにあげてやろうか!!!!!』

 タチアナがラウレスにガチギレしていた。


『側室と言ったら、主に仕えるのは当たり前なんだよ!!! 媚びることも出来ねえなら死ね!!! 別に他の側室と揉めることは問題視しねーが!!! 侍女に暴行はだめだろ!!! 自分の世話してくれる人達には感謝しろや!!!』


 タチアナの激高に涙目のラウレス。


『帝国の問題で追い出されるならば私がいくらでも止めるが!!! 今回は完全にお前のせいだろうが!!! 私に恥をかかせるな!!! 分かったな!!! ちゃんと仕えろ!!! それがお前の仕事だ!!!!!!!』



 ラウレスへの説教。これがかなり効いたのかラウレスはかなり大人しくなった。


 そしてリュハに関しては、龍姫がこの神都に送り込んでいた龍族から

「リュハの態度がヤバくて侍女が辞めそうになっている」

 と連絡がいき


「申し訳ありません。再教育させてください」

 と龍族フェルラインが連れ去った。


 そして最後のサザリィ。

 こちらはエウロバが教育することになった。


 なのだが

「このクソビッチ!!!!!! 何度いやーわかんだよ!!! 南が田舎で! 北が都会なのはオメーの手柄じゃねーんだよ!!! そんなくだらねーことで侍女虐めてんじゃねーぞ!!!」


 怒鳴り散らすエウロバ。

 だが、サザリィも

「うるさい!!! こんな臭い田舎に連れてきて!!! 私だって嫌なの!!! 陛下は好きだけど!!! こんなとこだいっきらい!!!!!」


 陛下は好き。

 そう言ってもらえると救われるし、サザリィはそこは伝わっている。


 なのだがエウロバはキレたまま

「じゃあ帰れ!!! お前が無理なら他に希望者はいっぱいいるんだよ!!! そもそもお前がやる気あったから連れてきたんだろうが!!!!! そんなに環境に文句言うなら帰れ!!!!!!」


「陛下は好きなの!!! 遷都してよ!!! どうせこんな帝国乗っ取るんでしょ!!! 早くしてよ!!!!!」


「お前がその邪魔してんのじゃーーーー!!!!!!!!」

 大喧嘩。


 結局「侍女は虐めるな」と言うのは納得された。



 そしてリュハも帰ってきて、これで改めて落ち着いた生活……


 にはならなかった。


 本人達のやらかしに、周りが危機感を覚えたのだ。

「この状態では寵愛どころではない」と。


 特にオーディルビス王国のタチアナは、これ以上の帝国との関係悪化は避けるという目的で送り込んだ娘がやらかしたということで、定期的な報告を義務付けた。


 その報告事項の中に

「皇帝との性行為並びに性戯の訓練進捗」もあったのである。


「お前は現段階では皇帝の妾なの!!! 妾って言ったら皇帝とセッ〇スするんだよ!!!」

 とタチアナが怒鳴っていたが、ラウレスも怒られたくないので侍女達と性戯の訓練を始めていた。


 他の二人はこれについて

「嫌です」

「他の女が触れる意味が分かりません」

 と侍女たちとの訓練を拒絶。


 侍女達から言わせると

「そういう伝統なのですから。ちゃんと従うラウレス様はまだマトモです」

 だそうで。


 侍女に殴る蹴るの暴行をしていたラウレスだが、侍女達から言わせると

「そういうのはよくある」話らしい。

 だからか、ラウレスに対してはそんなに酷い反応はない。


 それよりも耐えられないのは、知能や能力を罵倒するリュハと、帝国首都であるこの故郷を徹底的にバカにするサザリィの二人。


 リュハとサザリィもあれ以降は直接罵倒することは無くなったそうだが、態度でバカにしているのは丸わかりのようで、侍女達からも嫌悪されたりしている。


 そんな二人だが、まずリュハ。

 龍族フェルラインが「再教育します」と連れて帰ったのだが

「龍族の館には常にエネルギーが漲っており、闘争本能が強くでます。その弊害だと思い、館の外で色々教育したのですが、元々性格が悪かった。という話のようで」


 フェルラインからの報告を思い出す。

「龍姫様もご心配しております。リュハに関する苦情はすぐにお伝えください」


 とのことだった。

 侍女達の評判は最悪だったが、私に対する対応は悪くはない。


「大体、女同士で教わるとか言うのが気色悪いんです。私は本当に陛下の為に育てられて感謝しているんです。だって、あの館の中には男性が一人もおらず、性行為は女同士だけなんです」

 リュハは嫌悪感で顔をしかめる。


 龍族の館に引き取られてから、女同士の見過ぎで、そういうのに対しては「気持ち悪い」そうだ。


 そんなリュハは、私との性行為というのも不慣れ。というかなにやったらいいのかから分からない。


 侍女達からも嫌われているため、そこらへんのアドバイスもない。


 その結果リュハは毎回添い寝して終わる。


 リュハは美少女。添い寝だけでも興奮はするのだが、リュハは若いときのハユリそっくりで、手を出すのが躊躇われる。


 龍姫、絶対に人選ミスだと思う。


 リュハも私より年上とは言え、そのあたりはかなりウブだった。


 そのためまだリュハとは性交をしていない。



 そしてサザリィ。

 彼女は唯一まともなアプローチをしてくれる。

 なにしろこちらはまだ10歳の身体なのだ。


 精通したとは言え、身体は不完全で、完全な性行為に耐えられる年齢ではまだない。


 サザリィはそんな私に添い寝をしながら

「ゆっくりでいいですからねー♡」

 とずっと撫でてくれる。


 正直夜はサザリィが一番マシだった。


 そんな日常になり始めた頃。



 10歳の誕生日に突然身体が急成長した。


 物事には加減というものが必要だと思う。

 今までは10歳に相応しい身体。

 それが突然15に近い身体になった。


 これの意味するところ。

「はやく子供を作れ」だ。


 後継者を作れ。

 後継者を作ることによってなにが変わるか。

 それは政権の安定化だろう。


 エウロバ率いるアラニアに乗っ取られる寸前の帝国。

 ここまで帝国がボロボロになったのは主に後継問題が続いたからだ。


 特に先帝は子が生まれなかった。

 今の皇帝もそうなるのでは?


 その疑いがあればエウロバが有利になる。


 しかしここで子が出来れば流れは変わる。それは分かるのだが。


 加減って大事。

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