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龍族の館

 龍族の館。

 半壊になった館は急ピッチで修復が進んでいた。


 龍族は寝る必要がない。

 あくまで人間としてのリズムが残り眠りの習慣をしているだけで、やろうと思えば何日も起き続けられる。


 人間を多く雇い、三交代制にし常に人が修理作業をするようにし、龍族達がその指揮をとった。


 その結果、僅か10日で館は修復された。


「とても素敵ね。やっぱりフェルラインのセンスは素敵だわ」

「あん♡ ひめさまぁぁ♡♡♡」


 龍姫はフェルラインの胸を揉みながら何度も口付けをする。


 フェルラインが館の新しいデザインなどを考え作り上げた。


 そのご褒美で逢瀬をしているのだが


「姫様。逢瀬の最中に申し訳ありません」


 現在の龍族リーダー、エールミケアが入ってくる。


 基本的に龍姫が誰かとセックスをしている時は誰も入らない。それが鉄則。


 例外はいくつかある。

 その一つが


「ええ。聖女ミルティアが会いたいと言って来たのでしょう? 構わないと伝えなさい」

「いつにしましょうか?」


「明日の朝と伝えなさい」

「畏まりました」


 そう言ってエールミケアはその場からかき消えるように姿を消す。


「ミルティアが来ますか」

 フェルラインが少し苦い顔をする。


「ええ。母と慕うカリスナダが今この館にいない。一か八かの自爆もあり得るわね。最高級におもてなししなさいな」


「畏まりました」

 フェルラインはそのまま龍姫に服を着せようとするが


「ふふふ♡ あなたならそんな準備すぐに済むでしょう? 今日は夜が空けるまでやり続けるわよ?」


 そう言って龍姫はフェルラインの秘部を撫でながら、その長い舌でフェルラインの顔を舐めていく。


「ああん♡♡♡ 光栄です♡♡♡ 夜明けまでお供させて頂きます♡♡♡」


 二人はそのまま抱き合い、お互いの秘部を重ね合わせ擦り付けあう。


 龍姫は皮膚の所々に鱗があり、秘部の付近にも鱗がある。


 それをフェルラインに擦り付け、フェルラインは股を使い龍姫の秘部を刺激する。


「ふふふ♡♡♡ 柔らかくて気持ちいいわ」

「ひめさまぁぁぁ♡♡♡」



 二人が抱き合ってセックスをしている最中、エールミケアは聖女ミルティアと遠距離会話装置で交渉していた。


「明日の朝で」

「こっちだと夜中になるんですが」


 時差の問題。

 ミルティアは朝早く起きて、夜も早めに寝る生活を心がけている。


 祝福という奇跡の技を使え聖女だが、それが故に自身の体調管理はかなり気にしていた。


 夜中はまず寝ている。


「じゃあそっちの朝にしますか」

「今行くでいいじゃないですか。大した話じゃないのです。四神女の一人ハユリと会うだけです」


「館に聖女が来るなんて大事です。龍姫様は夜は忙しいので」


「どうせセックスしているだけでしょ?」

「それが大事なのですよ」


 すると後ろから

「ミケア、ゴチャゴチャ言うようなら私が変わろうか?」


 龍族の護衛筆頭のユレミツレが話しかける。

 それに手を振り


「そっちの朝ということで。よろしくお願いしまーす」

 ミケアは遠距離会話装置を切った。


「いいの?」

「いいの、いいの。そもそもこの状態で聖女入れたら大変だよ? 転移するなり転生の儀式を発動されたら問答無用で全部吹き飛ぶからね?」


 転生の儀式。

 龍族達は二度聖女の転生の儀式を見ている。


 そのどれもが周囲を吹き飛ばし、壊滅的な被害をもたらしていた。


 聖女の城で転生の儀式が発動した時には、城の半分が吹き飛び、重臣の大部分が死んだ。


 龍族の館は丸々吹き飛ぶぐらいの威力。


「ええ、そうね。でも対策と言っても難しい」

「カリスナダに帰ってきてもらうか。でもそれを狙ってる気もするんだよねー。カリスナダが離れた瞬間、神都でクーデターを起こすかもしれない」


「あり得るな。それはダメだ」

 ユレミツレは頷き


「今ここは正念場。聖女ミルティアの身体は20を超えた。転生するには少し早いけど、躊躇う年齢ではない。ありとあらゆる可能性がある。私としては」


 ミケアは指をクルクル回しながら


「転移石を全員に持たせて、いざとなったら一斉転移ぐらいかなー?」


「……私はそこまで賢いと自負はしていない。だが、なんとなく思うことがある」

 ユレミツレが話す。


「ミルティアの目的は本人が言う通りハユリだと思う。ハユリが聖女打倒の為に生き、死んだのは皆が知っている事だ。そのハユリが自分と同じような力を持っている。それもとてもコントロール出来そうにない性格をしている。そうなるとミルティアから見れば相当脅威だ。どうにかしてハユリを消し去るか、無力化したい。そのために来るのではないか、と。無論ミケアの言う通りに、その策の一つとして転生の儀式発動はあり得る話だ」


 それを聞き悩むミケア。


「あいつらも転移させる?」

「姫様と相談だな。まあ死ななそうなんだが」


 二人の相談をしている最中に


「良い夜ね」

 その声に驚き振り向く二人。


 そこには館の拷問担当で、普段は地下牢から出てこないチャズビリスがいた。


「チャズさん、珍しいですね。あ、拷問は無しで」

 チャズビリスはなにかあると、地下牢付近をうろつくエールミケアを捕まえて

「練習」と称して拷問をする。


 エールミケアは世界最高の諜報と称えられ、それを支えるのが圧倒的な運動神経。

 そのエールミケアを捕まえるというのは並みの龍族では不可能。


 チャズビリスの身体能力は龍族の中でもかなり突出している。

 問題は、人間だった頃から殺人鬼で、人の悲鳴や血が大好きなその破綻した性格。


「嫌な予感がするわ。私の獲物を横取りされる予感」

 チャズビリスの台詞に顔を引き締める二人。


「聖女が狙っています」

「今その相談を」


 それにチャズビリスは頷き


「私も立ち会うわ。愛しのフェルラインにもお願いするけれど。あの獲物は永遠の苦痛の中で苦しみ続けるのがお似合いなの。姫様の思い出を汚した愚か共に鉄槌を下す名誉。他の誰にも譲らないわよ。例え相手が聖女であっても」

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