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消えたアンリ

 幻影。目の前の女性がアンリに変わっていた。

 そして自分が自分でなくなる感覚。そのまま、まるで演劇でも見ているかのような感覚でアンリを犯す。乱暴にアンリを扱ったあとに声が遠くなった。


 目の前にはぐったりしているサザリィ。

 突然光景が変わり朦朧とするが


「……興奮しすぎたか。大丈夫か、サザリィ」

「はい。陛下。本来はこれぐらい激しくて大丈夫です。サザリィ様にはしっかり今後教育しますから」

 教育係がサザリィを抱える。

 気絶しているらしい。


 下にいた侍女が少し上目遣いでこちらを見ているので


「少し出したりない」

「私で良ければ」

 待ち構えていたように、そばに来る侍女。


 何かを言いたそうにする教育係だが、そのままサザリィを担いで部屋から出て行く。


 平然とサザリィを担いでいるんだが、凄い力だな。


 そのまま侍女に奉仕をしてもらった。



 何故四神女なるものが現れたのか?

 それは本人達も知り得ないし、神が答えることもないだろうと思っていた。


 そんな中でアンリは私との性交以外は眼中になかった。

 そして実際に性交をした。


 多分だが

「アンリにあてがった部屋を確認しろ」

 侍女達に命ずる。


 恐らくはもういない。


「見あたりません」

「後宮内全てを探します」


 侍女達の報告に頷く。

「見つかればでいい。恐らくは」

 もういないんだろう。



「あの四神女はそれぞれ無念を抱えて死んでいます。恐らくそれを果たすために来た」

「……無念か。文字通り怨念だな」

 エウロバ。


 サザリィと性交が出来たという報告を聞いて喜んでいたのだが、そのまま相談している。


「アンリは私との性交。彼女は死ぬ前からずっとそう言い続けていたし、その為に戦場で戦い抜き、死んだ。その性交を果たすことで消え去った」


「すげえビッチだな。セッ〇スだけしに来たのか。そこまでビッチだとある意味尊敬するわ」


「他の3人の無念ですが、リライとネルフラは私の手伝いが最後まで出来なかったことと、幹部としての責務を果たしきれなかったことですから、具体的になにを為すかは微妙です。問題はハユリ。彼女は『聖女の打倒』という明確な無念がある」


 それに顔をひきつらせるエウロバ。


「この難しい局面で宮殿を離れるのはマズいのですが、それでも最優先です。ハユリとリライは龍姫に匿ってもらいます。ここにいたら、なにをしでかすか分からない」



 龍姫のところに連れていくことになったのだが、ハユリとリライは強く抵抗した。


 それでも私が連れていくと言ったら従ったのだが


「私達はリグルド様のお手伝いにきたのです!」

「離れてたら意味ないです!」


「その手伝いの意味をしっかり考えてから来てください。今のあなた達はエウロバへの加害で明らかなように、力の振る舞い方も、その思想も足りなさすぎる」


 馬車の中で色々話をするなかで

「とにかく一回龍姫の館の中で色々考えてみろ」

 で押し通した。


 そしてそんな厄介ごとを引き受けてくれた龍姫。


「もちろん心配なことは沢山あります。ですが、陛下がそこまで私を信頼してくださっていることは正直嬉しいです」

 微笑む龍姫と


「龍族の誇りにかけて、このお二人を『安全に』匿います」

 フェルライン。


 強力な龍族に囲まれたこの屋敷。

 ここならば、ハユリやリライが暴走しようとしても止められる。


 それを期待してここを選んだのだが。


「ただ、これだけはお伝えしておきます。龍族の館には闘争本能が満ちている。いるだけでその闘争心は強くなります。本来は龍族だけの効果ですが、龍族から満ち溢れるエネルギーで人間にもそう言った作用があるのです。このお二人にもその影響はあるでしょう」


 エールミケアが淡々と説明をする。


「ですので『殺しません』が、それ以外のありとあらゆる選択肢を放棄しません。我らにとって龍姫様の安全がなにより第一ですので」


「……了解しました」

 まあそれぐらいの気概でないとこの二人は抑えられない気がする。


「くれぐれも迷惑をかけないように。祈り、考えが整理されたのなら迎えに来ます」


 二人は不満そうにしていたが頷いた。



「迎えにいく、か」

 アンリはその迎えを待ち続けて死んだ。

 そしてそれを恨むこともなく

「今度こそセックスしましょー!」

 と迫ってきて、セックスしたらいなくなった。


「……アンリらしいと言えばそうだ。となれば他の3人もそう。リメイとハユリも厄介だが、ネルフラは……」

 どうするか。馬車の中で必至に考えていた。

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