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ラウレスと侍女達

 後宮。

 色々問題が起こって放置してしまっていたが、元々三人とも時間がかかるとは聞いていた。


「もうしばらく日を空けていたから順番もないでしょう。整った人を連れてきてください。いないならば今日から入るアンリを呼んでくるように」


 後宮に移動して服を着替える。

 侍女に話をするが

「はい。それではラウレス様をお呼びします。残りお二人ももう十分だとは聞いておりますが、私達は確認しておりません。また、今日入った方は多少は教育させてください」

 それに頷く。


「それで構いません。ラウレスを呼びなさい」

 気が強く、肌黒いラウレス。

 生意気というか、そういうキャラだが


「……今日こそ、しっかり勤めさせて頂きます」

 ゆっくりと服を脱いでゆく。

 侍女は3人残り、そのサポートをしていく。


 サポートと言っても脱いだ服を受け取ったり、脱がす時に手伝ったり。


 そのまま全裸になって、恥ずかしそうに胸を隠すラウレス。


 気の強そうな彼女が恥ずかしそうにする姿は正直興奮する。


 それに、かなり面倒で大変なことが連続で起こっている。

 肉欲に溺れて忘れたい。


 そんな思いから、そのままラウレスに抱きつく。


「わっ」

「ラウレス様、ご抵抗なさらずに」

 侍女達にサポートされながら、ラウレスと肌を重ねた。



 ラウレスと無事性交が出来た。

 出血した状態なので、ラウレスはもう部屋に戻った。


「出したりないがな……」

 だが、ちゃんとラウレスと出来た。


 多分これなら……


「へいかーーー! 終わりましたかーーー!? 次は私とやりましょー!!!」


 なんの気配もなく、部屋の中にアンリがいた。

「……部屋に勝手に入ってはなりません。そういう規則です」

 瞬間移動かなにかなのか。


「まあ、堅いこといわずにー 私も前から一回もしてないから楽しみにしてたんですよー!」


 そう言って抱きついてくる。


 そう言えば

「結局あの戦場の出来事はあなたの口から聞くことが出来なかったんですが、純潔は守り切れたのですか」


 戦場で女がいる。

 基本的にそれは軍属娼婦で性の捌け口だ。


 神教の幹部は純潔が鉄則とは言え、多少は襲われそうになっただろうと思ったが


「もちろんです! 私はリグルド様が迎えにきたら、そのまましようと待ってましたから!」


 その言葉に、胸を射抜かれそうになった。


 迎えにきたら。待っていた。


 アンリはあの戦場で、三年ずっと待っていたのだ。

 いつかリグルドが迎えにくる。

 それを支えに笑顔で戦場の前線に居続けた。

 てっきり、なにも状況が理解出来ていないのかと思っていたのだ。だが彼女はちゃんと理解した上で待っていた。


 それなのに……


 恐らく前線から離れなかったのは

「この戦が終われば迎えに来てくれる」

 と信じていたからだろう。


 だから、常に兵達を励ましていた。


 そのリグルドは死ぬまで来なかった。

 三年も戦っていたのに、一度も迎えに行こうとしなかった。


 アンリを駒としか見ていなかったのか、アンリ以外に勤めることは不可能と思っていたのか。

 交代は全く考えていなかった。



 四神女として来るなり

「セッ〇スしましょう!」

 と迫ってきたアンリに

「本当にこいつは……」

 と思っていたが、そんな話ではない。


 彼女はリグルドが迎えに来てくれると信じて待っていた。


 その事を言っていた。


「分かりました。アンリ、これ以上待たせるのは失礼。今日はこのまま抱きましょう」

 その言葉に、アンリは


「……はい♡」

 いつもの笑顔。だが、目から大粒の涙を流していた。

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