▼ゆうしゃの ぼでぃびるど!
魔王城
「勇者!僧侶!郷を抜けたくノ一!ナチュラルにハーレムしやがって!キサマらの冒険も終わりだ!!!」
▼まおうは すごいばりあを まとっている!
「くそ、魔王がこんなに強いなんて……ガリガリのくせに」
「四天王とは比べものにならない強さね……ガリガリのくせに」
「……ガリガリのくせに」
「いい加減にしろキサマら!!好きにしゃべらせておけば散々言いやがって!!ガリガリで何が悪い!!!」
「あれを、使うしかないか」
「……!!ダメよ勇者、そんなことをしたら、あなたは……」
「うん、わかってる」
「……馬鹿。でも、好き」
「なによくの一!それなら私の方が……」
「二人とも、ありがとう」
「イチャイチャするな畜生!どんな魔法だろうが我のバリアは破れん!このバリアは我の知る全ての魔法を無効化する。我は全ての魔法を知っている!」
「必ずお前を倒す!覚悟しろ、魔王!」
「無駄なことを……かかってこい!」
▼ゆうしゃの ぼでぃびるど!
「待って。しらん魔法出てきた」
「フンッ!」
ぱぁん!
▼ゆうしゃのふくが はじけた!
ムキムキィ!!!
▼ゆうしゃのからだに ちからがみなぎる!
「……え?」
「背中にワイバーンが宿ってる!」
「……足がオークみたい」
「フゥン!!」
ムキィ!!!!ムキムキィ!!!!!
「本当に待って。頭が追い付いてない」
「肩に王宮乗せてんのかい!」
「……山脈の如し」
「だからそのかけ声なに」
▼なかまたちのかけごえが ゆうしゃにちからをあたえる!
「この熱いテキストに納得できない日が来るとはなあ」
「いいわよ!マナがはち切れそう!」
「……豪傑」
「フッフゥン!!!」
ムキーン!!!!
▼でんせつのけんより きれてるよ!
「なんでテキストも参加できるんだよ」
「えーっと、すごい!!」
「……惚れる……」
「もう語彙尽きたのかよ」
▼がんばれ!
「お前も語彙無いのかよ」
「フフフフフゥン!!!!!」
ムッギィィィ!!!!!!
「効果音がさっきからおかしいんだよな」
▼すてーたすの ほうそくが みだれる!
▼いのちとひきかえに ゆうしゃはさいこうのきんにくをてにいれた!
「そんなエグい魔法だったの?」
「フゥン!」
▼ゆうしゃのこうげき!
ばきぃぃ!!!
▼まおうのばりあは はかいされた!
「は?ステータスオープン」
ゆうしゃ:こうげき99999999999
ぼうぎょ99999999999
すばやさ99999999999
まりょく0
「は?」
「魔王よ……何か言い残すことはあるか?」
「えっ……」
「申してみよ」
「……勇者って、女だったんですね。ナイスおっp」
▼ゆうしゃの だぶるらりあっと!
※
「そして遂に、魔王は倒されたんじゃ」
パチパチパチパチ……
「ねーねーおじいちゃん、もっとお話して!」
「そうじゃなあ。では次は【郷を追放されたくの一、魔王を倒してモロッコで手術を受ける。~今更女に戻れと言われてももう遅い~」の話でもしようかのう」
「わーわー!!!」
老人が公園のベンチに座り、近所の子供達におとぎ話を聞かせている。
僧侶はその様子を反対側のベンチで眺めながら、スライムに餌をあげていた。
(勇者……あなたのお陰で世界は平和になったわ。この景色を、あなたにも見せたかった……)
ふと見上げると、快晴の空が何処までも続いている。青いキャンバスの上にたくましい筋肉が見えた気がして、彼女はくすりと笑った。
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