前世の記憶
「目の前には過去に続く扉があります。それを開いてください...」
そう言われて私は扉を開けてみた。
不思議な空間が広がってて、自分がどこか見知らぬ世界。
険しい山に緑色で広い草原が広がっている風景が見えたーーー
自分はブーツを履いて、白色のローブを身に纏って中に鎖帷子を着て自分自身が騎士だったことをなんとなくであったが感じることができたーーー
記憶を色々と探ってみると、サラディンがどうとかで戦ったとかなんとかそんなイメージが沸いていた。
色々な世界を見て、常にどこか冒険をしているような人物だったようだ。
これは前にみた前世と同じだなと私自身は思ったーーー
そして、
ある一人の女性と焚火を背にして踊っている記憶を見た。
手を握りゆったりと踊っていたーーー
他の記憶にも彼女が浮かんできていた。
どうやら心から愛した人物だったようだ。
名前はマリアンヌ?マリアン?マリア?
日本語ではなかったので私はマリアンと捉えることにした。
彼女との記憶を断片的に見た後....
戻る時間になっていたーーー
「最期の時を見てみみましょうーーー」
最期の時は暗い中を馬に乗っている時に右肩というよりは右の喉側に矢が刺さり落馬をする。
ちょっと驚いて身体が跳ねるのを感じたが、死ぬ時の恐怖よりもマリアンのことで今回は頭がいっぱいになっていたーーー
最後に天使に質問できる時間があったので私は必死に聞いていた。
感情が込み上げすぎて、それしか聞けなかったーーー
「マリアンはどこにいるの?」
でも、答えは出なかったーーー
「マリアンとはあってる?あの人がマリアンなの?」
色々と出てきてしまったが、天使は首を振って
いいえと答えてくれたーーー
そこで目を覚ますことにした。
これ以上は自分自身の感情を抑えきれないと思ったからだった。
辛くなる前に私は前世の記憶から離脱したーーー
自然と溢れてた涙を拭いて
「まだ会ってないならマリアンを探そう。それは楽しみだ」
と現世の私は思ったーーー