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みちくさ

放送法の改定について

作者: 斎木伯彦

 今回は「時の記念日」の話をしようと思っておりましたが、気になる出来事がありましたので、そちらをツラツラと記します。


 去る六月三日、放送法の改正がありました。

 第二条を改正したらしく、条文を抜粋すると以下のようになります。

「放送法・第二条

一 「放送」とは、公衆によつて直接受信されることを目的とする電気通信の送信をいう。」


 条文には括弧書きで「電気通信事業法第二条」にも言及されていましたので、そちらも抜粋して紹介します。

「電気通信事業法・第二条

一 電気通信 有線、無線その他の電磁的方式により、符号、音響又は影像を送り、伝え、又は受けることをいう。


二 電気通信設備 電気通信を行うための機械、器具、線路その他の電気的設備をいう。


十八 「テレビジョン放送」とは、静止し、又は移動する事物の瞬間的影像及びこれに伴う音声その他の音響を送る放送|(文字、図形その他の影像|(音声その他の音響を伴うものを含む。)又は信号を併せ送るものを含む。)をいう。」


 分かり易く言うと、インターネット通信で映像配信すると「放送」と見なすということです。

 ですから日本放送協会がインターネット通信で配信サービスを実施した場合、「それは協会の放送なので受信料を頂きます」と主張したいのでしょう。

 協会が受信料を徴収する根拠は放送法の第六十四条「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送|(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。第百二十六条第一項において同じ。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。」にあります。

 ところが、インターネット通信を送受信できる回線設備は協会の設備ではありません。

 これについて私は再三再四「日本放送協会が通信事業で受信料を徴収するには、協会自身が専用回線を整備して、その専属契約を締結するしかない」と主張して来ました。

 何故なら、放送法第十五条には「協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ、良い放送番組による国内基幹放送|(国内放送である基幹放送をいう。以下同じ。)を行うとともに、放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行い、あわせて国際放送及び協会国際衛星放送を行うことを目的とする。」とあり、仮に協会が自ら整備していない回線の利用者から、不当に受信料を徴収する場合は「公共の福祉に反する」と考えるからです。

 これまで長年に亘り、通信事業者との契約で適正な料金を支払って自由に利用できた回線が、協会の身勝手で別料金を追加要求するとなれば、これは不当としか言えません。不当行為でインターネット通信環境や技術が停滞、或いは衰退という事態になれば、放送法に違背する重大な犯罪行為です。

 協会が専用回線を自前で整備して、契約者を募った上で受信料を徴収するなら正当ですが、他人の褌で相撲を取ろうとは、さもしい、浅ましい、卑しいなどの誹謗中傷、罵詈雑言を浴びせられても仕方ありません。

 もちろん、利用者が少ない赤字事業に我々の税金が使われるのは反対ですから、協会が専用回線の開設整備事業を行う場合は、税金投入を廃止するのが当然ですね。

 要するに、受信料の徴収対象は従来通りにテレビジョンのみに収めるのが「公共の福祉」に反しない方法です。更に踏み込めば受信料の徴収を廃止すればいいでしょう。そうでなければ、テレビジョンのみの受信環境とインターネット通信での受信環境とで、受信料の支払い義務の有無という格差が生じてしまいますから。


 もう一度、繰り返しましょう。

 日本放送協会がインターネット通信で受信料を徴収するのは、放送法違反。

 通信事業と放送事業で格差があってはならないので、受信料は廃止。

 政府は早くこのように対処しないと、デマが拡散されて参議院選挙が大変な結果になるかもしれませんよ。

放送法・第二条

一 「放送」とは、公衆によつて直接受信されることを目的とする電気通信|(電気通信事業法|(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第一号に規定する電気通信をいう。)の送信|(他人の電気通信設備|(同条第二号に規定する電気通信設備をいう。以下同じ。)を用いて行われるものを含む。)をいう。


十八 「テレビジョン放送」とは、静止し、又は移動する事物の瞬間的影像及びこれに伴う音声その他の音響を送る放送|(文字、図形その他の影像|(音声その他の音響を伴うものを含む。)又は信号を併せ送るものを含む。)をいう。


第十五条 協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ、良い放送番組による国内基幹放送|(国内放送である基幹放送をいう。以下同じ。)を行うとともに、放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行い、あわせて国際放送及び協会国際衛星放送を行うことを目的とする。


第六十四条 協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送|(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。第百二十六条第一項において同じ。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。



電気通信事業法・第二条

一 電気通信 有線、無線その他の電磁的方式により、符号、音響又は影像を送り、伝え、又は受けることをいう。


二 電気通信設備 電気通信を行うための機械、器具、線路その他の電気的設備をいう。

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