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ゾンビが蠢く世界  作者: ありがとう君
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第8話 襲われるか襲われないか

「おかえり」


煙草を2本吸い終わってしばらくすると、瑠偉ちゃんは始末した眼鏡ゾンビを慎吾をみつめながら綺麗さっぱり完食してユラユラ左右に揺れて戻って来ると、今度は先端が血と体液塗れの金属バットを慎吾を見つめながら綺麗に舐め終わってから真横に来て左右に揺れながら無言で慎吾を見つめる。


「おっ!!まいどまいどピカピカにしてくれてすまんな、あと・・・お前の熱視線で俺のハートが火傷しそうだぜ・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・ゴメンナサイ・・・・」


当然無言で無反応の少女ゾンビに心から謝ると、慎吾は筋肉痛スプレーを一応拾って背負い袋に入れると瑠偉ちゃんの残っている右腕と右腕が反応した時に隠れれる場所を気にしながら部屋へと戻り始める。


「そういえば瑠偉ちゃん強烈な異臭消えたよな?・・・う~ん外やから気にならんだけかな?チョット嗅ぐわな」


慎吾は歩きながら周囲を警戒して瑠偉ちゃんの『2度目のお食事』が終わってから気になっていた事を話し終えると、鼻に詰めていたティッシュを取り顔を近づけると青白く髪が抜け落ちている頭部の臭いを嗅ぐ。


「うん!、やっぱり臭い消えてるはもう全然臭いしやへんよ、良かったな瑠偉ちゃん」


慎吾は嬉しくて思わず無意識に瑠偉ちゃんの頭をナデナデしてしまうと髪の毛と頭皮が手にへばり付いて地面にも落ちてしまう。


「・・・・・あっ!!・・・・・ゴメンナサイ・・・・・」








それからゾンビの呻き声も聞こえず襲われる事も無く部屋に辿り着くとチェーンとロックをして金属バットを玄関に置くと血と体液塗れの瑠偉ちゃんの着替えを終わらせると手を洗いリビングのソファーに座る。


「はぁ~疲れた、外出歩くのも大変になったな、もうこの部屋から出たく無いけど・・・そんな訳にはいかへんやろな~、食い物、飲み物、その他にも必要な物が出てくるやろな~」


慎吾は無表情無反応のゾンビの瑠偉ちゃんだが、今は唯一の友達で頼りにしてるしされてると思うので、なるべく声を出すように意識して話しかける様にしている。


「てかっ!あの時は必死で深く考えれなかったけど?・・・さっきの腹這いゾンビに襲われた時確実に不思議な事があったよな・・・・・腹這いゾンビが凄い殺す気マンマンで襲いかかってきてるのに、急に何もかも忘れて帰ろうとして・・・・・また思い出したかの様に殺す気マンマンで襲いかかってきた事・・・・・あれ何やったんやろか途中で腹這いゾンビが突然忘れて帰らんかったら俺絶対に死んでたしな・・・・・・・・・・う~んなんやろか分からん・・・分からんけどこれは考えて答え出した方がええよな?・・・瑠偉ちゃん何か分かる?」


慎吾はソファーの背もたれに身体を預けて天井を眺め両腕で頭を支えながら、スポーツ用品店の帰りに腹這いゾンビに襲われた事を振り返っている。瑠偉ちゃんはユラユラ左右に揺れて今はソファーに乗っており上から覗き込む様に無言で見つめるだけで当然無反応。


「・・・瑠偉ちゃんに近距離で見下らされると・・・分かってても凄い迫力ですよね!・・・・・ハハハ、まぁ~それは置いといて・・・俺が想像するゾンビって人間見つけたら見失うまでとことん追いかけて諦めて帰るとか無いし・・・殺す気マンマンで来てそのままマンマンで殺すしな、俺っていう獲物目の前にして、あんな動きする訳ないやろ・・・・・・・・・・う~ん考えられるとしたら?・・・このゾンビが蠢く世界と平和な時の違いは?・・・ゾンビが蠢く世界になってからの俺の周囲の変化は?・・・・・」


1・黒い皮のネックレスをしている。


2・瑠偉ちゃんと出会った。


3・特別な能力が目覚めた。


「このぐらいかな?思いつく範囲は・・・・・はい3は即却下、なんやねん特別な能力って・・・俺は誰かに矢を刺されてから特別な能力が目覚めたって話になるけど・・・・・残念ながら俺には生命を生み出す力も無いし、時間を止める力も無いし、精密な動きで殴り続ける事も出来るとは思えないですから・・・なっ!!瑠偉ちゃん」


瑠偉ちゃんは無表情無反応無言でユラユラ左右に揺れている。


「次はこの黒い皮のネックレスなんやけど?・・・これもゾンビが現れてから瑠偉ちゃんに渡されて?奪い取って?そこらへんはグレーなんやけど、身に着けだしたけど?これを装着してるとゾンビが攻撃するのを躊躇するのかな?・・・なぁ~これは一体なんなん瑠偉ちゃん?」


首から黒い皮のネックレスを外し振ってみたり、折り曲げたり、上に放り投げて落ちて来たらキャッチをする、突然瑠偉ちゃんが口を開けだして激しく揺れ始めて髪や皮膚が顔に落ちて来る。『えっ!?』慎吾はネックレスを受け止めると手が止まり顔に付いた物を払って様子を伺う、瑠偉ちゃんも動きを止めて見つめてくる『何で急に?』と『もしかして?』が同時に浮かび上がり、またネックレスを上に放り投げると瑠偉ちゃんが再び口を開けて激しく揺れて顔に落ちた老廃物を手で払う。               


「なるほど・・・・・このネックレスを俺の身体から離すと瑠偉ちゃんは何か激しく反応するのね・・・・・例えば・・・・・あまり考えたくないけど!!・・・俺を獲物判定して襲いだすとか?・・・あとは瑠偉ちゃんの身体に異変が起きて激しく揺れ出すほど苦しくなるか?・・・そんな感じと思った方がええかもな、・・・それに最初この部屋で瑠偉ちゃんに出会った時はまったく動いて無くて、俺がネックレスを取って首に装着したら左右に揺れて動き出したから・・・・何かスイッチ的な役割があってこのネックレスを手離すと俺と瑠偉ちゃんには宜しくない事が起こるんやろな、だからこのネックレスは俺の為と瑠偉ちゃんの為に装着しといた方がええな、別に痛みも違和感も無いから大丈夫やし・・・・・・なっ!!瑠偉ちゃんこのネックレス大事にするわ」


瑠偉ちゃんはいつも通りの左右の揺れで見つめている。


「そして瑠偉ちゃんと出会った事やな。この黒いネックレスもそうやけど、瑠偉ちゃんとも世界が変わってからは一緒に行動してるしな、あの時の腹這いゾンビに襲われた時も真横におってくれたし、ゾンビ同士は無関心みたいやしその影響で瑠偉ちゃんが横におるからゾンビが無関心になるとか?・・・・・でもっ!腹這いゾンビは最初は殺す気マンマンで襲って来たしな?それから噛み付こうとしたら急に大人しくなって何も無かったみたいに帰っていったけど・・・・・う~ん1回検証してみたいけど・・・瑠偉ちゃん嬉しい事に離れてくれへんから・・・検証出来るんやろか?・・・瑠偉ちゃんがせめて俺の言葉とか理解出来たら『止まって』『こっち来て』とか色々お願い出来るんやけどな~まぁ~この感じじゃ瑠偉ちゃんは分かってくれて無いやろな~」


慎吾は無表情無反応無言の瑠偉ちゃんを見上げて話し終える。


「まぁ~今出来ない事を考えてもしゃーないから、とりあえず今度外に出た時は一か八かの命懸けになるけど・・・・・ゾンビに襲われるか襲われないか検証してみるかな・・・・・あの殺す気マンマンの呻き声と突進力・・・・・めっちゃ怖いけど・・・」


慎吾は大きな溜息を吐くと煙草を咥える。


「そういえば、もうすぐで煙草無くなりそう」


残りの本数を数えるとまた大きな溜息を吐く。


「そしたら次のお出かけは煙草探しにする事にしてコンビニ行けば置いてるし、そこらへんの自販機にも置いてあるやろうし?その時にゾンビに襲われるかどうか検証にしましょうかね・・・・・どうせウヨウヨいてるやろうし・・・・・」


そう言うと煙草を吸い終わりカップ麵を作りにキッチンに向かう。















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