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ゾンビが蠢く世界  作者: ありがとう君
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第6話 1つ勉強になりました

慎吾はタナカスポーツ用品店から普通の犯罪窃盗をして新品の有名ブランドの金属バット、ジャージ、スニーカー、背負い袋を罪悪感ゼロで身に纏い、今は来た道を車の陰に隠れたり電柱に身を隠したり周囲を警戒しながら足音を抑えて部屋を目指している。


「んっ???」


今まで無表情無反応の真横の瑠偉ちゃんがユラユラ左右に揺れているが残っている右腕をピクピクと上下に動かし始める。


「えっ???何どうしたん?」


慎吾は初リアクションに瑠偉ちゃんを凝視してしまう、すると静寂の中物音がしてそこに目を向けると、右側に建つ青い屋根の住宅に設置されている駐車場の門の下から腹這いのゾンビが血の道を作りながら這い出てくる。


「なるほど、そういうことね、瑠偉ちゃん教えてくれたんやね、ありがとう」


すると腹這いのゾンビが門から完全に這い出ると、髪の毛がごっそり抜け落ちて血と汚れで青白く変色した皮膚の頭を左右に振ると慎吾と目が合う。


「マジか!!やってもうた・・・・・それにしても見つけるの早っ!」


腹這いゾンビの出現に動揺したのもあるが、瑠偉ちゃんの初リアクションで驚いて警戒が緩んでしまい隠れる事を忘れて棒立ちで腹這いゾンビを目で追ってしまっていた。獲物を見つけた腹這いゾンビは腕を交互に地面に叩きつけてかなり早い速度で狂気の呻き声をあげて口の中の歯をカチカチ鳴らして慎吾に突っ込んでくる。


「こいつ動きも早っ!!」


慎吾は腹這いゾンビの速度に少々恐怖を覚えるが迎え撃つために両腕で握った金属バットを頭の上まで振り上げその勢いのまま気合いを入れて振り下ろす、だが目測を誤り『ガンッ』とコンクリートを叩いてしまい衝撃と痺れと痛みで金属バットを手から離し落としてしまう。


「・・・・・痛っ!!・・・あっ??」


一瞬の出来事で何が起きたか理解出来ないが無我夢中で落ちた金属バットを拾いに行く、腹這いゾンビは狂気の呻き声と口を開けて拾いに行く慎吾の腕目指して食らい付く。『ヤバッ!!』っと慎吾が思った瞬間に腹這いゾンビは狂気の呻き声と口を閉じると何も無かったかのように方向転換すると這って出て来た駐車場の門に向かって進み出した。


「・・・・・何???」


何が起きたか理解出来ないまま落とした金属バットを拾い遠ざかる腹這いゾンビを何となく目で追っていると、3メートル程進み突然止まるとまた髪の毛がごっそり抜け落ちて血と汚れで青白く変色した皮膚の頭を激しく左右に振って慎吾を見つけて振り返ると、先程と同様狂気の呻き声と口を開けて慎吾に突っ込んで来た。


「・・・・・何???」


慎吾も理解不能で良く分からないが腹這いゾンビに襲われる危険に反応して条件反射でまた金属バットを頭の上まで振り上げるとまた思いっきり振り下ろす、すると今度は頭は外すが腹這いゾンビの右肩に命中してその威力で肩を砕き裂いて右腕を切り落とす、だが腹這いゾンビは右腕を失い少し速度を緩めるが勢いそのままで振り落とした状態の慎吾の腕に食らい付く、『またかっ!!』と後悔した瞬間に腹這いゾンビは止まり口を閉じると先程と同じ様に方向転換すると駐車場の門に何事も無かった様に戻り出す。


「・・・・・何??・・・・・どういう事???」


理解不能が続き普通に戻る腹這いゾンビと切り落とした右腕を交互に混乱した頭で見ていると、また3メートル程進むとまた思い出したかのように髪の毛がごっそり抜け落ちて血と汚れで青白く変色した皮膚の頭を左右に振るとまた振り返り慎吾を見つけると狂気の呻き声と口を開けだして突っ込んでくる、今回は右腕が消失している分両腕の時に比べると速度が半分以下で突っ込んで来た。


「・・・・・なんやこれ・・・・・まったく分からんけど・・・こいつ遅っ!!」


同じ事の繰り返しで混乱&混乱だが、腹這いゾンビの狂気の呻き声と必死に噛み付こうとする姿と襲いかかる遅すぎる速度のギャップで少し冷静になると今度は振り上げて構えた金属バットを思いっきり振り落とし腹這いゾンビの頭に綺麗に命中させると『グシャ』の音と感触と同時に頭蓋骨の欠片と脳味噌の髄液を砕け散らせ動きを止めて終わらせる。


「・・・・・はぁ~・・・・・はぁ~・・・・・はぁ~・・・・・エグッ!、ゾンビの殺意マンマンの突進力エグッ・・・・・・・・・・」


頭を地面に向け両腕で強く握りしめた金属バットの先端に飛び散った、濁ったピンク色の髄液がへばりついてるのを大きく肩で深呼吸を繰り返しながら見ている。


「・・・・・はぁ~・・・・・はぁ~・・・・・はぁ~・・・・・やばかった!!2回ぐらいやばかった!・・・・・でも!、何とか始末できた」


ゾンビに襲われた恐怖と、自分が攻撃を外した事に対しての反省と、初めてゾンビと対峙して始末した興奮と、ゾンビ1匹相手にしただけでの身体の疲労感の戸惑いが、脳内を埋め尽くしていて呼吸の乱れも治まらない。


『グシャグシャグシャグシャグシャ』


「えっ!!、今度は何や!」


慎吾はまだ呼吸も治まらず肩で大きく深呼吸を繰り返しているが、金属バットを握り直し無理矢理体勢を立て直すと音がする方向を見る。


「・・・・・・・・・・えっ!!!・・・・・・・・・・瑠偉ちゃん??、瑠偉ちゃん???」


音がした方向では先程始末した腹這いゾンビの首筋に歯をめり込ませ激しく左右に顔を振り顔、シャツ、スカート、全身を血塗れで動かない肉体を獰猛に襲いかかる瑠偉ちゃんが四つん這いの姿が映る。


「・・・・・・・・・・えっ!!・・・・・る、る、瑠偉ちゃん、な、な、何やってるん???」


慎吾は衝撃の光景に何も出来なく身体が固まる。


『グチャグチャグチャグチャグチャ』


「・・・・・・・・・・・・・・・」


慎吾の震える声の呼びかけも無反応で首筋の肉が消えると今度は四つん這いのまま激しく左右に顔を振りながら少し胸の方に移動すると獰猛に襲いかかっている。それから胸の肉が消えると、両腕、腰、両足と順番に移る。


「・・・・・・・・・・・・・・・瑠偉ちゃん???」


身体が固まっていたが慎吾は何とか最後に残ったゾンビの右足を四つん這いで襲いかかっている時に声をかけながら近づくと、そのままの姿勢で瑠偉ちゃんの1つだけ残っている右目が慎吾を見つめている。


『グチャグチャ』『クチャクチャ』『グチャグチャ』『クチャクチャ』


「・・・・・・・・・・あっ!!・・・・・・・瑠偉ちゃん?・・・・・・・あ~あ!?・・・・・それ食ってるんか・・・・・」


『グチャ』と『クチャ』の2種類のおぞましい擬音をさせながらゾンビの肉が次々と瑠偉ちゃんの激しい咀嚼で口の中に消えていくのを理解する。


「・・・・・なるほど・・・・・瑠偉ちゃんはゾンビを食べるのね・・・・・1つ勉強になりました・・・・・」


ゾンビの肉が少なくなり。瑠偉ちゃんは四つん這いから地面に女の子座りになると残りの右足首を右手で掴むと最後は一口で放り込み血塗れの顔と口で咀嚼をしながら横に来た慎吾の目を右目で見つめている。


「・・・・・る、る、瑠偉ちゃんは見た目と違って意外と食いしん坊さんやったんやね1匹丸々食べちゃうしね・・・・・あ、あ、後女の子座り出来るようになったんやね・・・・・お、お、おめでとう・・・・・前はずっと立ってたからこれで疲れた時はき、き、休憩できるよね・・・・・そ、そ、それと・・・・・ゾンビ食べてる時ぐらいは俺の事・・・・・べ、べ、別に見やんでもええんやで・・・・・誰もゾンビ取らへんと思うからな・・・・・俺は絶対・・・・・」


慎吾は『エグッ!!、ゾンビがゾンビ食うのエグッ』と考えていると咀嚼も終わり女の子座りから立ち上がると全身血塗れで無表情の瑠偉ちゃんがゆっくり左右に揺れながら歩いて来て慎吾の真横に並ぶ。


















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