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ゾンビが蠢く世界  作者: ありがとう君
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第32話 どんな成長したんかな?

慎吾達が目にした駐車場の先では、ここの大きな本屋の制服のエプロン姿の若い女性が5匹のゾンビに襲われ、言葉を発するのも忘れ無言で必死に抵抗している姿が見え、両手には何も武器を持っていない素手の状態で振り回してゾンビ達の襲撃を防いでいるが右腕を1匹のゾンビに噛み付かれた瞬間だった。


「ぎゃああああああああああああ、嫌あああああああああああああああ」


ここでエプロン姿の女性は噛み付かれた痛みとショックで悲鳴を上げるがゾンビは噛み付いた肌を引き千切って咀嚼をする。


「痛いいいいいいいいいいいいい、嫌あああああああああああああああ」


女性は涙で顔をグシャグシャにするがゾンビ達は次々襲いかかると倒され悲鳴と咀嚼音が駐車場で鳴り響く。


「あの人はもう無理やけどあいつら始末しとこ」


「はいっス」


慎吾はそう言うと女性に座った姿勢で群がっている手前のゾンビに近付くと後頭部に金属バットの真芯を渾身の一撃で振り切ると、もう悲鳴も呼吸も止まっている女性の死体の上に胴体を転がす。その間に希唯依は目に付いたゾンビの頭部を何度も木刀で打ち下ろして始末を終えて死骸を転がす。ここで瑠偉ちゃんが来た事で残りの3匹のゾンビ達は咀嚼を止めると座った姿で上を向き脱力状態になる。そこから慎吾と希唯依は残りの無抵抗ゾンビ達を始末して終わらす


「遅かったっスか?」


希唯依は涙でグシャグシャで顔が半分無くなり身体中噛み千切られ骨や臓器が見える女性の死体を見下ろしながら聞いてくる。


「全然!俺達には関係無い女性やから気にせんでええよ希唯依」


チラッと穴だらけの女性の死体を見るがすぐに希唯依を見ている。


「そうっスよね」


「うん、そうやで」


慎吾と希唯依が話をしていると瑠偉ちゃんが血溜まりの中に転がるゾンビ5匹と女性の死体に向かって行く、まずは女性の死体の首を両手で捻じりながら引き千切ると半分だけになった顔を瑠偉ちゃんは口を大きく開けて喰らい付いている。


「お食事始まったな!だいぶ慣れた?」


「そうっスね、3回目なので多少っスかね」


「まぁ~慣れるしか無いからな、しゃーない、そんじゃ~自販機もそこにあるし何か飲む?」


「いいっす、まだ私は無理っス何も飲め無いっス」


「分かった」


慎吾はそう言うと瑠偉ちゃんの咀嚼音と肉と骨を引き千切る音を背中で聞きながら背後の自動販売機で缶コーヒーを買うと一口飲み煙草に火を付ける、瑠偉ちゃんのお食事に慣れようと凝視している希唯依の横に戻り2匹目のゾンビの目玉を口に含んだのを確認して眺めている。











「んっ!?」


「・・・なんっスか!?」


お食事現場をゾンビ達と女性が着ていた衣服と血と体液と油だけにして、5匹と1人を座って完食した瑠偉ちゃん立ち上がった瞬間と同時に頭部、両腕、胴体、両足全身を激しく震え出す。


「・・・慎吾の兄貴・・・あの瑠偉ちゃん姉さんの動きはいったい何なんっスか?」


「あ~あ、アレはたぶん瑠偉ちゃんが成長するときの動きやね」


慎吾は3本目の煙草に火を付けると、瑠偉ちゃんを凝視しながら聞いてくる希唯依に答えている。


「・・・アレが瑠偉ちゃん姉さんの成長なんっスね」


慎吾との雑談で聞いてはいたが、目前の瑠偉ちゃんの頭部は左右に揺れ手足が千切れて飛んで行きそうな激しい揺れに驚愕して視線を外せなくなりただ見ている。














「ウ”ァァァァァァァァァァァァァァァ!!」


瑠偉ちゃんは最後に大きく激しく揺れると『ピタッ』と止まってゆっくり顔だけを上空に向けると、今まで1度も慎吾が聞いた事の無い長く低く目の前が真っ暗になり身体が震えてしまう呻き声を喉から絶叫すると数秒上に顔を向けた状態で止まっている。


「・・・慎吾の兄貴・・・瑠偉ちゃん姉さん・・・何だか私怖いっス・・・」


無意識のうちに慎吾の横に来て囁き声で言っている。


「・・・・・あ~あ、俺もあんな叫んで終わる瑠偉ちゃんの成長シーンは初めて見るな・・・・・」


両腕をブラリと下げて顔だけ上を向けて両目を見開いて固まっている瑠偉ちゃんを見て慎吾は答える。


「・・・慎吾の兄貴も初めてなんっスか?・・・・・」


「あ~あ」


慎吾と希唯依は目の前の光景から目線を外せず囁き合っていると、瑠偉ちゃんの顔がゆっくり戻り数回瞬きを繰り返し両手を拡げて暫く見て顔を動かして両腕を見終わると、こちらに振り向きゆっくり歩いて戻って来る。









「・・・お、お、おかえり・・・」


「・・お、お、おかえりっス・・・る、る、瑠偉ちゃん姉さん・・・お、お、おかえりっス・・・」


慎吾と希唯依は平常心では出迎えられず何故か緊張して途切れ途切れの言葉が出ている。


「ウ”ァァァァァ」


『ただいま』と今までと変わらないトーンの呻き声で瑠偉ちゃんは返事する。


「・・・な、な、何か・・・ニュ、ニュ、ニューバージョン・・・で、で、でしたやんか・・・お、お、お兄さん・・・ち、ち、ちょっとだけ・・・ち、ち、ちょっとだけやで・・・お、お、驚いたかな・・・」


「・・・そ、そ、そうっスよ・・・る、る、瑠偉ちゃん姉さん・・・お、お、驚いたっスよ・・・」


慎吾と希唯依は目の前に来た可愛らしい顔でウサギのフードを被りピンクのランドセルを背負う瑠偉ちゃんに途切れ途切れは継続中で話し終える。







「と”オォォォう”ウゥゥゥし”イぃィィた”アァァァァァ」


瑠偉ちゃんは無表情で『どうした?』と呻き声で聞き返す。


「・・・うん?前のお食事シーンは血とかゼリー状の瑠偉ちゃん汁が首の切断面とか頭皮からピューピュードバドバ出てて俺ドン引きしたけど、今回は前回以上に激しく揺れてたし最後めっちゃでっかい呻き声やったからさ?」


話し出す前に大きく深呼吸して冷静さを取り戻すと『前回のお食事でちょっとは免疫付いたかな?』と考えて途切れ途切れを抑えて話を振る。


「・・・・・す、す、すっごい・・・す、す、すっごい・・・ゆ、ゆ、揺れてたっスよ・・・・・る、る、瑠偉ちゃん姉さん・・・・・」


こっちは前回を知らないので途切れ途切れは継続中でまだ話しているが。


「そ”オォォォお”オォォォか”アァァァな”アァァァァァ」」


『そうかな?』と瑠偉ちゃんは先程と前回の成長シーンの違いが自分では理解出来なくて聞き返す。


「そうなのね、分かってないのね、まぁ~確かに前回も今回もあんだけ無茶苦茶な激しい動きしてたら、その間に何をしてたとか覚えてないかもな」


そう納得する。


「・・・ゆ、ゆ、揺れてたっス、・・・め、め、目の前が暗くなったス、・・・ふ、ふ、震えそうになったっス・・・」


「それで瑠偉ちゃん?成長終わって変化とか何か分かる?」


隣でまだ震え声の金髪特攻服姿のヤンキーをスルーして話を続ける。


「イ”ァァァァァ」


否定している。


「そうやろね、瑠偉ちゃんの成長の効果は見てのお楽しみやから、見れる時まで待とうかな」


一応聞いて返事をしている最中には瑠偉ちゃんは、希唯依の持つ血と体液塗れの木刀をペロペロ舐めていてそれが終わると慎吾の金属バットも綺麗に舐め終わる、慎吾は『そういえば瑠偉ちゃん?希唯依と出会った商店街のゾンビ7匹と今の5匹と人間1人のお食事終わってから久しぶりやな、ちょっと間が開いたけどどんな成長したんかな?』と考えて横に立ってこちらを見つめている瑠偉ちゃんの大きな両目を見返していた。








「それじゃあ~もう少し駐車場見回ってから店内に入ろうかな、ほんで希唯依は大丈夫なん?」


「・・・はいっス、大丈夫なんっスけど・・・もう少し時間良いっスか・・・大丈夫なんっスけどね・・・」


お食事シーンショックから明らかに動揺して膝に手を付いている希唯依に声を掛け終わると返事を理解して、今度は自動販売機で炭酸飲料を買うと煙草を吸って暫く待つ。


「慎吾の兄貴、瑠偉ちゃん姉さん、お待たせしたっス、もう私大丈夫っス」


希唯依は顔を上げると途切れ途切れも治まって声のトーンも戻って申し訳なさそうに言う。


「もうええんかな?」


「はいっス、もう大丈夫っス」


「オッケー、それじゃあ~もう少し駐車場みるね?」


「ウ”ァァァァァ」


「はいっス」


瑠偉ちゃんと希唯依の返事を聞くと、残っていた炭酸飲料を飲み干してゴミ箱に捨て吸っていた煙草を足で踏み消すとまだ見ていない駐車場に向かって歩き出す。






























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