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ゾンビが蠢く世界  作者: ありがとう君
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第3話 ドス黒い皮のネックレス

「フレンドリーバージョンは失敗か成功か分からんけど・・・ギリセーフという事にしとこかな・・・」


少しは気持ちは持ち直したが血や肉とグチャグチャに腐り嚙み千切られた大きな穴をから白い骨が見える朽ち果てた女の子の化け物を目の前にすると、やはりテンションは下がり『動かないし、多分襲われる事は無い?』と思い込んでも先程まで大きな声だが声量は自然と囁く程度に下がってしまう。玄関前と下の部屋の狂った化け物達の叩く音と呻き声も拍車をかける。


「お待たせ致しました・・・それでは先程玄関前に行く前に約束させて頂いたネックレス装着させて頂こうかな、それと私ごとき何ですが一応頭の中で5パターンぐらいの案がありましてその中の『ネックレスを装着させて頂く』に決断させて頂きましてねハハハまあぁ~聞き流して下さい私ごときの考えですから・・・ハハハハハ・・・・・・・・・・、あッ!!後キッチンから戻る時にチラッとお嬢さんの背中拝見させて頂いたんですけど・・・お背中の肉ってほぼ無いんですね、後ろから見たらお綺麗な白色の背骨とお奇麗なピンク色の臓器すっごくお綺麗でビックリしましたよ~・・・ハハハハハ・・・・・・・・・・ハハ・・・」


朽ち果てた女の子を目の前にして話しかけると、さらに恐怖と不安に襲われてテンパり頭に浮かんだ言葉を早口と乾いた笑いと下手な敬語と小さすぎる声で話し終える。それと朽ち果てた女の子の首と背中と臀部は肉がほぼ無く学校に設置されている人体模型みたいに『食道、肺、心臓、肝臓、胃、小腸、大腸』などの臓器が剝き出しになり背骨などの骨類も見えて首の骨は少し折れていた。


「あっ!!それじゃあこのネックレス装着させて頂きますね~先程キッチンで軽~くチョチョイっと洗わせて頂いたのでピカピカになり装着するのが楽しみなんだな~・・・・・・・・・・ハハハ」


さらにテンパりとネックレス装着の拒絶反応でおかしなテンションで全く反応も動きを見せない朽ち果てた女の子に話す。


「よ~し装着するぞ~・・・・・あっ!!ネックレス装着した瞬間に噛み付くとか無しですからね~お願いしますよ~・・・・・ハハハハハ」


慎吾はそう話し終えると覚悟を決め顔面蒼白で『うおりゃあああ、一回は諦めた命じゃい』と頭の中で気合いを入れて両手に握りしめていたドス黒い皮のネックレスを自分の首に装着した。すると装着された瞬間に『ドスンッ』と首周りに重みを感じたがそれも一瞬で痛みも違和感も無く、両手でネックレスを掴み動かしても自由に移動が出来て外す事も可能だった。


「へえぇ~~~意外と普通やったんやな、なるほどなるほど俺の考え過ぎやったんやな・・・・・・・・・・・・・・・えっ???」


そんなネックレス装着の感想を話している途中で、目の前の動かなかった朽ち果てた女の子がゆっくり左右に揺れ出すと小さな顔だが口の大きさが顔の半分まで広がり装着したドス黒い皮のネックレスの首に向かって襲い掛かって来た。慎吾は大きな口に血が溜まりさらに血が溢れ出で迫り来るのを直視して恐怖がマックスになり『・・・・・ほんまに噛み付くんかいっ・・・・・』っと頭の中で思うとそのまま気絶した。











「うぅぅぅ~ん・・・・・あっ!!俺あの口見て気絶してたんやな・・・まだ生きてるよな」


慎吾は気を失う前の出来事をすぐ思い出し自分の首回りや体を素早く見て噛み痕や出血などを確認するが正常で安心する。気絶した場所も飛び込んだ部屋と同じでこれも安心する。


「けどな~あの噛み付き?まあぁ~噛み付かれては無いけどあの行為は何やったんやろか・・・・・う~ん俺にはさっぱり分からん?ねえ~お嬢さん理由とか教えてくれへんよね?」


すぐ横で残った右目で見つめられゆっくり左右に揺れている朽ち果てた女の子に聞いている。


「・・・・・・・・・・」


「でしょうね・・・言葉理解してるかどうかも判断出来やんしノーリアクションやし、ただゆっくり揺れながら俺をガン見してくれてるだけやし・・・まあ一つ分かった事はこのお嬢さんには襲われやんって事やな」


それから朽ち果てた女の子の今は普通の大きさの口に腕を持って行っても噛み付きも興味も示さずただ左右にゆっくり揺れて慎吾を残った右目で見つめている。慎吾は朽ち果てた女の子が『敵じゃない、安全な奴、じゃあ怖くない』謎理論で先程までの気絶するほど恐怖を心の奥に押し込めてフレンドリーという自分らしさで接する事にしていた。


「よしっ!!まあぁ~とりあえずお嬢さんに襲われる心配が無くなり一応他の化け物から身を守れる部屋を獲得したって言う事で第一関門突破って言う事にしといて、この部屋を探索しましょうかね・・・当然未許可ですけどええでしょ許してくれる筈でしょ・・・後は玄関先と下の部屋のドンドンドン&呻き声は止めさす事もましてや撃退する事は俺には出来やんから我慢して完全スルーや」


そう宣言すると慎吾は冷蔵庫に向かう、冷蔵庫の中は空っぽで牛乳があったのでラッパ飲みする後はキッチンでカップ麺を見つけてコンロで湯を沸かして食べてジャージのポケットから煙草を出すと一服する、それから寝室を探索するがここの住人が物を置かない主義なのか興味が引くものが無いのでリビングに戻りノートパソコンの前で止まる。女の子のお嬢さんは慎吾の後に左右に揺れて無言で付いて来ていた。


「よしっ!!それじゃあ第一回嬉し恥ずかしお気に入りチェックタイ~ム&この異常事態の世界や日本の現状でも調べようかな」


最初のコード、暗証番号も無くPCを起動してニュースを見ると『ゾンビ感染』『大量発生ゾンビ注意』『○○国ゾンビで壊滅』『噛まれるとゾンビ』『日本でもゾンビ被害確認大都市被害拡大』『自衛隊出動』などのゾンビ関連のニュースで埋め尽くされていた。


「かなり酷い事になってるな、○○国壊滅とか自衛隊とかマジか~、それじゃあ外の化け物もお嬢さんもゾンビなんやな、ガチでおるんや・・・ゲームとか漫画小説の世界やと思ってたけど、そうか~玲子もゾンビに嚙み付かれて殺されたんやな・・・・・そっか・・・」


それからある程度サイトを巡って調べて現在の世界や日本のゾンビ情報を取り入れると休憩する。ゾンビのお嬢さんは残った右目でPCの画面と慎吾を交互に無言で見ている。


「てかっ・・・臭いが強烈ですな、お嬢さん」


小休憩を終えて『第一回嬉し恥ずかしお気に入りチェックタイ~ム』に取り掛かろうとしてたまらず声に出す、常に付いて回り作業中もすぐ横でユラユラ揺れている朽ち果てた女の子はチーズや生ゴミが腐った様なエグイ臭いを提供してくれる。PCで検索しても『特殊清掃』と聞きなれないワードが出る。


「う~ん、特殊清掃知らんかった・・・知らんしそんなん『一緒にいるゾンビが臭い強烈なんで来てください』って呼んでも頭おかしい奴って思われるて俺なら警察に通報してスルー案件やな・・・・・それに今の状況なら他の死体清掃とかで忙しいやろし、それにまだ仕事続けてるかも怪しいし逃げてはるやろうし仕事出来てないやろな~・・・・・う~ん」


それから朽ち果てた女の子の消臭は諦めて、臭いを防ぐ方法に切り替える。


「う~ん、ガスマスクってそんなん何処にあるんや・・・・・警察所消防署か~確かに消防の人は使ってた様な気がするな~、まあぁ~覚えときましょう。とりあえず今はティッシュでも鼻に詰めとこう・・・」


慎吾は近くにあったティッシュを鼻に詰める『ま~あ、やらんより少しマシかな、後は俺VS臭いや』っとただ我慢する事を決めて部屋の換気扇など窓を開ける以外の換気を一応済ませて『第一回嬉し恥ずかしお気に入りチェックタイ~ム』を始める。






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