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ゾンビが蠢く世界  作者: ありがとう君
11/58

第11話 それに98%ですしね

「それじゃあ~、コンビニ襲撃略奪も無事成功しやした事ですし、そろそろアジトに帰りやしょうか?姉さん?」


コンビニに突っ込んだセダンの近くに置いた、段ボール2箱分を積んだ台車に着くと渾身の『下っ端キャラ』を発動するが瑠偉ちゃんは無表情でユラユラ慎吾を見つめるだけである。


「・・・・・フフフッ、このネタは違いの分かる大人の漢しか分からんって与田っチ言ってたしな・・・・・」


世間を知らない16歳のヤンキーが瑠偉ちゃんから目を逸らしながら自分を慰めて小声で話し終える。そして目を逸らしたまま台車の持ち手を掴むと『これ台車で部屋に戻るの意外としんどくね~』が頭に浮かぶ。


「う~ん、どうしよう?・・・・・車でもパクるか?」


そう思い付きコンビニの駐車場を改めて見渡す。車は2台駐車されており白色のワゴン軽自動車と銀色のファミリーカー。近くまで見に行くが勿論2台ともロックされておりドアは開かない。


「まあぁ~でしょうね、ちゃんと鍵は閉めるよね・・・・・おっ?・・・もしかして?」


半分諦めながら白色のワゴン軽自動車を調べていると、後部座席に置かれたビニール袋の中にこのコンビニの従業員が着用する制服を発見する。そして慎吾はコンビニの従業員控室に戻るとロッカーを発見して手前から開けて行く。


「発見」


3つ目のロッカーの扉を開けると女性物のバックを見つける、バックの中身を1つ目2つ目のロッカーのバック同様に中身を適当に外に放り投げながら探すと駐車場に止めていた白色のワゴン軽自動車と同じメーカーの鍵を見つける。


「これで車拝借できるな。俺の日頃の行いの賜物が過ぎるやろ」


と喜び、適当に放り投げた使えそうな物も拝借すると、駐車場の白色のワゴン軽自動車まで戻り鍵を使うとドアが開く。


「オッケイ、ATやしこれなら原チャリ免許保有者の俺でも問題無く運転いけるな」


慎吾は堂々と言い切ると車内の畳まれたベビーカーや置き傘など使わない物を外に放り投げて後部座席を折り曲げてスペースを作り、そこに拝借した段ボール2箱を積み込む。


「それじゃあ~、瑠偉ちゃん助手席乗って~」


慎吾に無言で付いて来て、自動車泥棒の一部始終の犯行を目撃していた瑠偉ちゃんに運転席の席に座り座席を調整しながら自動車泥棒が話しかける。


「ウ”ァァァァァ」


了解した瑠偉ちゃんは助手席側に回ると自動車泥棒が開けたドアから両足を揃えて『ピョン』と座席に飛び乗る。


「は~い座ってね~、それじゃあ~、ガソスタ寄ってから家に帰るよ~」


家に帰り乗り捨てるなら十分な残量だが、念の為に給油をしていく事に決めるとスマホで近くのガソリンスタンド見つける。助手席の座席で立ちユラユラ左右に揺れて座る気配が全く無い瑠偉ちゃんにお願いして座ってもらうと5分ぐらい車を走らす。すると目当てのガソリンスタンドを発見すると直接車で乗りこんでゾンビがいた場合車を傷付けられるのを阻止するために、少し手前に車を止めて先に建物の状況を調べに行く。


「瑠偉ちゃんがおるから襲われる事からは大丈夫やと思うから、あとは一応俺の中では新車やし大事を取って置いて行こかな?」


車から降りてガソリンスタンドが見える道まで歩くと、敷地内に停車しているタンクローリーの周りに3匹のゾンビがその場で立ちすくみユラユラ揺れている。瑠偉ちゃんの残っている右腕も『ピクピク』上下に反応している。


「あいつらは3匹だけかな?・・・ふぅ~コンビニで結構検証したけど、襲いかかって来ると分かると、やっぱ怖いな」


そう呟きながらも真横の瑠偉ちゃんの存在を意識して『襲われない』と判断した自分を信じて一歩一歩隠れる事を止めて進んで行くと、3匹のゾンビのウチの1匹が慎吾に気付くと両腕を上げてフラフラ歩いて来る。歩いて来たゾンビは男性で白色のシャツにジーンズ姿で全身着ている物と身体が破れてボロボロで「アアアアアァァァァァ」と身体が震えそう殺意と狂気の唸り声を上げると、他の2匹も反応して両腕を上げると向かって来た。2匹のゾンビは1匹が男性でブルーのタンクトップで同じく全身ボロボロ、もう1匹は女性で白色のワンピースでボロボロでこちらも完全に人間を終わらせてゾンビ化している。


「うおぉ~怖ぇ~、めっちゃ怖ぇ~・・・一気に3匹とか初めてやし、3匹全員・・・俺ガン見で殺す気マンマンやん・・・・・瑠偉ちゃん頼むで・・・」


慎吾は真横の瑠偉ちゃんを一瞬見てから『走らないタイプ』と確認して3匹のゾンビが向かって来る方向に向き直る。すると後から気付いた男性のブルーのタンクトップと女性のワンピースのゾンビが突然走り出し両腕を前に突き出すと『アアアアアァァァァァ』と狂気の呻き声で凶暴性丸出しで凄い勢いで突っ込んで来た。


「・・・・・・・・・・怖ぇ~ってあの2匹は走るタイプなんかいっ・・・」


突然の加速に尻餅をつきそうになったが何とか『襲われないから大丈夫、襲われないから大丈夫』と強く言い聞かせて地面に両足を踏みしめて踏ん張ると、走って来た2匹のゾンビが真っ赤な目に大きな口を開けて目の前に現れる。


「・・・早っ・・・」


っと思った瞬間に走って突っ込んで来た2匹のゾンビは慎吾を目前にして『ピタッ』と止まって振り返ると殺意も凶暴性も忘れたかの様にタンクローリーが停車している場所に戻ろうとしている。


「・・・・・ふぅ~・・・良かった・・・ほんま良かった・・・瑠偉ちゃんサンキュー」


それからは最初に気付いたゾンビも目の前に迫るが、3匹のゾンビは慎吾に襲いかかっては諦め襲いかかっては諦めを繰り返す、その動きに『襲われない事は確定した』慎吾は冷静を取り戻し4,5回後ぐらいから攻撃に切り替え。最初は男性のブルーのタンクトップのゾンビから諦めの行動を取って振り返り後頭部を見せる間に金属バットを強く握り思いっきり振りかぶりフルスイング一撃で頭部を破壊して血と脳漿を撒き散らせると始末する。次に女性の白色のワンピースも一撃で始末すると、最後に一番最初に気付いた男性の白色のシャツのゾンビも背後から頭部をフルスイングして終わらせた。


「終わった~、瑠偉ちゃんの能力98%、俺の能力2%ぐらいの割合の感じで終わった~、けど対ゾンビで襲われずにこの異常な終わってる世界で生きて行けるって凄いアドバンテージやで・・・ほんまありがたいな」


慎吾は改めて瑠偉ちゃんに感謝すると、ガソリンスタンド内と周辺を探索する為に周囲を伺う。だが瑠偉ちゃんはユラユラ左右に揺れて始末した3匹のゾンビに向かっている。


「・・・あっ!!瑠偉ちゃん?お食事ちょっと我慢してくれへんかな~、先ここらへん見ときたいんやけど?・・・」


ユラユラ左右に揺れて歩いている瑠偉ちゃんに『いやいや、お嬢ちゃんと離れた時にゾンビに襲われたどうしてくれますの?凄いアドバンテージ早々終わってしまいますやん』を全身から溢れさせて必死に追いかける。


「イ”ァァァァァ」


瑠偉ちゃんは低い唸り声で首を横に振る。


「・・・・・・・・・・あらま?・・・・・そうなのね?・・・・・そういう事なのね?・・・先にお食事を済ますのね・・・分かりました、まあぁ~瑠偉ちゃんからしてみたら探索よりそっちが大事なのね・・・・・またまた1つ勉強になりましたよ・・・・・それに98%ですしね・・・」


最後の言葉は自分だけが聞こえるボリュームで言い終わると、ゾンビに襲われてもすぐに逃げられる位置で煙草を吸おうと咥えるがこの場所がガソリンスタンドだと思い出し煙草を直すと、四つん這いで頭から食らい付いて『グチャグチャ』咀嚼しながらの瑠偉ちゃんに横目で見つめられながらのお食事を待つ。















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