表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/59

8話 ユキの内なる思い

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「いま楽にしてやる。――――インテンスルミエール!」


 ユウト様が詠唱を唱えた瞬間、ケルベロスの胴体に白い魔法陣が現れ、そこにめがけて白い光がケルベロスを包み込んでいた。


「……やっぱりすごい方ですね。ユウト様は」


 これだけの威力の光魔法であれば、間違いなくあのケルベロスは終わりです。


 少しホッとした瞬間、体中から力が抜けたように感じて膝から崩れ落ちてしまった。


「……はぁ、今日は少しはしゃぎすぎてしまったようですね」


 アンリとの勝負にムキになって挑んでしまったり、ユウト様の役に立てるように一生懸命になってしまったり……


「私ってこんなに感情的でしたっけ?」


 感情的になってしまった自分に呆れて、少し笑ってしまった。




 

 しばらくすると降り注ぐ光が弱まり、周りが見えるようになってきた。


 ……どうやらケルベロスは死んでいるようですね。


 ケルベロスが死んだことを確認して、少しだけホッとした。


「それにしても、まだ体が言うことを聞きませんね」


 この後どうやってお屋敷まで帰ったらいいのでしょうか? ユウト様に運んでもらうわけにはいきませんし……


 ふとあたりを見回すと、ユウト様の姿が見えた。ユウト様は落ち着いた様子で私の方に近づいてくださっている。


「ユウトさ……」


 私が声をかけようとした瞬間、大きな爆発音が横から聞こえてきた。


 いったい何が?


 ふと横を見ると、ケルベロスの死体が私の方に倒れていることに気が付いた。


 あ、これは……


 私は目を閉じて気を失ってしまった。もう目覚めることはないと確信しながら。





「……キ、……きろ、……返事をしろ!」



――――



「……キ、起きろ、頼むから返事をしろ!」



――――ッン



「ユキ!!!」



 ハッ


 

 誰かが私を呼んでいる?



 意識を取り戻して目を開けると、目の前にユウト様の顔が見えた。


「ユキ!良かった、目が覚めてくれて……」


 そういってユウト様は、今にも泣きそうだけどどこか安心したような、とても愛しい表情をしていた。


「えーと、これはいったい?」


「覚えてないか?ユキがケルベロスに潰されそうになって、それでおれがナンとかまにあって、それで……」


 事情を説明してくださっているユウト様の声がやけに震えていた。声以外にも手や足まで……


 Sランクのモンスター相手には一切動揺していなかったのに。


 どうしてそんなに震えているのか理解できなかった。


「……とにかくユキを助けられて本当に良かった」


 そう言って、ユウト様は一筋の涙を流しながら私に微笑みかけてくれた。


 その笑顔を見た瞬間、心臓の鼓動が早くなった。


(もしかして私の心配をして……、いえ、まさかそんなはずは)


 そう思った瞬間、私は自分の体温が急激に上昇していくのを感じた。


 


 そして私は、なぜかユウト様の顔を見ることが出来なくなってしまった。


 


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

※次は明日の18時20分ごろに第9話を投稿します。


この作品に少しでも興味を持っていただけたら、


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、自由に評価してください。


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。


もしよければ感想もぜひお聞かせください!


何卒よろしくお願いいたします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ