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7話 ユウト&ユキ VS Sランク魔獣

「ユウト、このまままっすく進んで。あと少しで魔獣が見えてくるはずだよ」


「分かった」


 空を飛んでいるアンリに、魔獣の居場所を教えてもらいながら魔獣が暴れている場所へと向かう。


「っ! ユウト様、魔獣が見えてきました」


「ああ、あれか。やっぱりあれだけうるさい声を出せるだけあって、かなり図体のデカい魔獣だな」


 その魔獣は、黒いオーラをまとった赤紫色の毛並みをした全長8mくらいありそうな大型のケルベロスだった。


「ユキ、一応聞くけど、こいつはEランクモンスターではないよな」


「当然です。あの魔獣は『キングケルベロス』といって、Sランク級のモンスターに該当します」


 Sランクか……。普通のEランク冒険者だったら全くかなわないくらい強敵だ。


「そういえば、叫び声をあげていた人はどこにいるんだ?」


「ユウトー、ケルベロスの足元の近くに女の子が倒れこんでる!」


 アンリが教えてくれた場所を見てみると、そこには弓抱えたまま倒れこんでいるエルフの女性がいた。このままではまずいな……


「アンリ、頼みがある」


「なに?」


「俺があのケルベロスの相手をして何とかスキを作るから、アンリはそのうちにあのエルフの子を救って、森を抜け出してくれ」


「わ、わかった」


「次にユキ」


「はい」


「ユキは俺のサポートをしつつ、アンリたちが攻撃されない様に守ってあげることはできるか?」


「可能です。お任せください」


「よし。それじゃあ俺が合図するから、合図した瞬間に一気に行くぞ。 3、、2、、1……、今だ!!!」


 俺とユキは正面に回って、ケルベロスの注意を俺たちに向けさせる。


「ッ! グルルルゥゥゥゥ」


 ケルベロスは少し目を見開いた後、瞬時に俺たちを弱いだけの餌だと判断したのか、よだれをたらしてこちらをみていた。


 その間に、アンリは何とかエルフの子を担いで街の方へと向かっていった。まずは一安心だな。それで問題はこいつだが……


「ユキ、こいつはどの属性の魔法が苦手なんだ?」


「光属性です。それ以外の属性魔法はあまり効果はないかと思われます。幸い、私もユウト様も光魔法を使えるので十分戦えると考えられます」


「なるほど、それならあいつに強力な光魔法を叩き込めば行けるか」


「はい。ユウト様なら可能かと……」


「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」


 話している間にケルベロスが襲い掛かってきた。

 

 それをうまくかわしながら、スキを見て再びユキと作戦を決める。


「ただ、あいつに魔法を打つことを悟られたらまずいな。意外とこいつの動きは速い。魔法をよけてくるかもしれない。どこにも逃げられない様にあの脚を切り落とせればいいが……」


「それでしたら、私がまず光属性の魔法を剣に付与しつつケルベロスの脚を切り落として動きを封じます」


「大丈夫か?かなり危険だと思うが」


「問題ありません」


「分かった。そのあとケルベロスの動きが止まったら俺が上級光魔法を使って一撃で仕留める」


「お願いします。あと、あのケルベロスは黒炎のブレスを打つことがあるので注意して下さい」


 そんなことまでするのかあいつは……、もしそんなの打たれたら森林火災になって街中が大騒ぎになってしまう。そんなメンドウなことにならないように倒すか。


「それでは、……行きます」


 そういってユキは瞬時にケルベロスへの足元にたどり着き、光魔法を付与し始めた。


「はあぁぁぁぁぁぁぁぁ」


 光魔法を付与された剣は次第に白く激しく輝きだし、光属性の魔力をまとった魔法剣になった。


 その魔法剣はさっきの剣より3倍以上長くなっており、片手で剣を持っていたユキが今では両手で重そうに剣を持っている。


「くっ、、うりゃあああああああああぁぁぁぁ」



――――――――ズンッ



 魔法剣が空を切ったとき、衝撃波にのって低く激しい斬撃音が広範囲に拡散した。



――ドサッ


 

 少し遅れて、ケルベロスの前脚が両方とも胴体から離れて地面に転がった。


「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」


 最初に聞いた時とは比べ物にならないぐらい大きな声でケルベロスが騒ぎ出し、黒炎のブレスを吐こうとしていた。


 さて、そろそろ俺の出番か……


「いま楽にしてやる。――――インテンス・ルミエール!」


 俺がそう魔法を唱えると、空から雷に似た白い光が音もたてずにケルベロスに向かって降り注いだ。

 




 光が数十秒間降り続き、次第に光が弱まっていくと、白目をむいてケルベロスが死んでいるのが確認できた。


「まったく、こんなやつがなんでこんなところに……」


 あたりを確認すると、ユキが膝をついて座っている姿が見えた。


 アンリとの勝負で元から疲れていたはずなのに、あれだけの魔法剣を使ったのだからもう動く余力すらないだろう。


「あとはユキを連れて……」


 俺がユキの方へ歩き出した瞬間、ケルベロスの顔の一つが爆発し、爆風でバランスを崩したケルベロスの死体がユキの方に倒れだした。


(黒炎の魔力があいつの口内で暴発したのか?)


 いや、そんなこと考えている場合じゃない! このままではユキが潰されてしまう。


 俺は急いでユキを助けに向かった。

※次は18時40分ごろに第8話を投稿します。


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