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43話 襲撃

 祭りは大いに盛り上がった。


 まあ、行方不明だったランディアが久しぶりに戻ってきたんだから当然といえば当然か。


 当のランディアは、村の友達と恥ずかしそうに話をしていた。


「ランちゃんたちすごく楽しそうだね」


「そうだな。久しぶりに戻ってきたんだ。いろいろ話したいこともあるんじゃないか?」


 彼女たちに目を向けていると、どうやら向こうも俺たちに気づいたらしく、トコトコと近づいてきた。


「あの、ユウトさんってAICⅡの国王様なんですか?」


「ああ、一応そうだが……」


 そういうと、彼女たちはキャーキャー騒ぎ出した。


 まあ、友達の婚約相手が国王だったらこんな反応にもなるか……


「えーと、いくつか聞きたいことがあるんですけど、聞いちゃってもいいですか?」


「ああ、答えられるものであれば何でもいいぞ」


 そういうと彼女たちはひそひそと相談を始めた。


 ……きっとろくでもない質問が来るんだろうな。


 まあ、ここは覚悟を決めて、どんな質問でもちゃんと答えよう。


「それじゃあですね……」



――――グゥアアアアアアアアアアアアアアア


 

 突然、低く鋭い鳴き声が町中に響きわたった。


 空を見上げると1匹の赤色のドラゴンが空を舞っていた。


「ド、ド、ドラゴンだあああああああああ」


 楽しい祭りの雰囲気が一転し、村中大パニックになった。


「今だ、みんな一斉に攻撃しろーーーーー」


 誰かの合図で、兵隊たちがすごい勢いでこちらに向かってきた。


 数は40人くらいだろうか?


 兵隊たちは農作物を荒らしながら村を破壊しはじめた。


「なんてことをするんだ……」


 俺たちを歓迎してくれた村をめちゃくちゃにする奴らをみて、俺は怒りが込み上げてきた。


「ユウト様、いかがいたしますか?」


「……俺はあのドラゴンをなんとかする。ユキ達はあいつらを対処してくれ。何人かは生け捕りにしておいてくれるか」


「了解しました」


 返事と共に、ユキ達は兵隊たちの方へと駆け出した。


 あいつらはユキ達に任せて、俺は自分のことに集中しよう。


 さて、飛んでいるドラゴンをどう倒すか?


 まずは斬撃で……


 俺がソード・ステッキのさやを抜き、魔力を込めて斬撃を放つ準備をはじめた。


 その時一瞬ドラゴンと目が合い、頭の中でだれか声が聞こえてきた。



(おねがいやめて。私を助けて……)



 ……いったいなんだ?


 もしかして、あのドラゴンが俺に話しかけてきたのか?



(上に乗っている人間を倒して……)



 上に乗っている人間?


 目を細めてドラゴンをよく見ると、確かに誰かがドラゴンに乗っているように見えた。


 おそらく、あいつがドラゴンを操縦しているのだろう。


 俺は狙いを操縦者に変えて、斬撃を放った。



――――ザクッ



 斬撃はみごとに命中し、操縦者は近くの森の中に落ちた。


 ……おそらく無事ではないだろうな。


 その後、ドラゴンは村の近くの平原にゆっくりと着地したので、俺はドラゴンのもとへ向かうことにした。






 近くでドラゴンの様子を確認すると、ひどく体がボロボロでかなり疲れている様子だった。


「……助かった。礼を言うぞ人間」


「驚いたな。ちゃんと会話ができるなんて」


「フン、人間が出来ることなど、ドラゴンなら容易くでき……、グッ!」


 どうやら傷口が開いてしまったようだ。


「ちょっと待ってろ。今回復してやる」


「……なぜだ? 私は操られてたとはいえ、この村を襲おうとしていたんだぞ? なぜそんなことが出来る?」


「別に。今の会話でお前は悪いドラゴンじゃないと思っただけだ」


「簡単に信じすぎだ! この言葉はウソで、あとでお前に危害を加えるかもしれんのだぞ?」


「仮にそうだったとしても問題ない。お前が俺に危害を加えられるとは思っていない」


「なんだと!? きさま私を……」


 今にも怒り出しそうだったドラゴンは、なぜか途中で怒りを鎮めだした。


「……なんで急に大人しくなったんだ?」


「いや、お前のその能力をみたら、その態度にも納得しただけだ。……忌まわしいスキルを持っているのだな」 


 このドラゴンには俺のスキルまで見えるのか……


 まあ、今はそんなこと置いておいて。


「俺は村に戻る。お前に危害を加えないようみんなに言っておくから、お前は休んだら自分のすみかに帰るんだぞ」


「ああ、そうさせてもらう。……優しい人間もいるんだな」


 俺はドラゴンに別れを告げ、村へと戻った。





「ユキ、そっちは大丈夫か?」


「はい。侵入者たちは無事せん滅いたしました。あと、何人かはあちらで縛り付けておきました」


「ご苦労様。それじゃああとは……」


 ユキの報告通り、近くにしばりつけられた兵士が2人いた。


 俺はそいつらの胸ぐらをつかんで激しく問いただす。


「おい、誰に指示されてこんなことをした? さっさと言わないとどうなるかはわかるよな?」


「い、命だけはどうか勘弁して……」


「誰が指示したか言え!!!」


 俺が高圧的な態度で問いただすと、あっけなく誰が指示したのかを答えだした。


「炎の国の国王、カズキ国王です。AICⅡの領土を奪えなかった腹いせに、近くにあったこの村をつぶせと指示されて……」


 あいつだったか……


 まったく。親父もそうだったが、異世界転生者にはロクなやつがいないのか。


「あの、ユウト様……」


「ああ、こんなことをされて黙っているわけにもいかない。近いうちにカズキ国王とは戦うことになるだろう」


 この村に手を出したことは決して許さない。


 俺はこの日、カズキ国王と対峙することを決意した。


※次は明日の19時20分ごろに第44話を投稿します。


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