36話 立場逆転
「おーい。何があったん……。って、なんだこれ!?」
「すごーい。おおきいろぼっとがいる! ゆうと、わたしあれにのりたい」
「あれは遊園地のアトラクションじゃないぞ……」
ユキ達に追いついた時、そこにはとんでもなく大きい人型ロボットがいた。
たぶん前に討伐したケルベロスよりもデカい。
「それよりみんな、けがはないか? さっきすごい悲鳴が聞こえたんだが」
「うん。大丈夫だよ。突然あのロボットがビルの上から飛び降りてきて少し驚いちゃっただけだよ」
「それならよかった。しかし、こいつはどうするか……」
どう考えてもこいつを破壊せずに止めることは不可能。
しかたない、破壊するしかないか。
「それじゃあ、魔法で一発……」
「あっ、ユウくんちょっとまって!」
「ん? どうした?」
「あのロボット全然魔法が効かないんだよ。きっと魔法に耐性があるんだよ!」
魔法が効かないのか。すこしやっかいだな。
ロボット相手じゃ俺のスキルも通じないだろうし、ここは力任せに倒すしかないか。
「そうなると、武器を使って攻撃するしかないが……」
今回は観光しにだけだったので武器は持ってきていない。
どうするか悩んでいたら、どこからかアイスさんの声が聞こえてきた。
「あーあー。ユウト王子聞こえますか? アイスです。聞こえたら返事してください」
「はい。聞こえています」
「ユウト王子、今監視カメラでそちらの状況を確認しました。今武器を送りましたのでそれを使ってください」
数秒経過した後、空から武器を乗せたFCが俺たちのもとに到着した。
「剣、双剣、大鎌、弓……。俺たちが普段使っている武器が全部ある」
「はい。皆さんに関するデータを参考に、必要となる武器はすべて用意いたしました」
いつの間に俺たちのデータをとっていたんだ……
まあ、そのおかげで今助かってるし、よしとするか。
「ありがとうございます。みんな、武器を渡すから受け取ってくれ」
クロノスの大鎌を最後に、みんなに専用の武器を渡し終えた。
「よっと。まあ、普段使っている鎌よりは劣るけど、これでも十分だ。……もう我慢できないし、僕が先にあいつの足切り落としといてあげるよ」
クロノスはいち早く巨大ロボットの足元に向かって駆け出した。
まったく、あいつは先走りすぎだ。
俺も急いでクロノスの後を追いかける。
……クロノスが左足の方に行ったか。
それなら俺が右足を切り落とす。
「クロノス、タイミングを合わせていくぞ。せーの……」
―――ガコン
俺はロボットの右足を切断することに成功した。
しかし、クロノスの方はどうやら失敗してしまったようだ。
「あれ、しまった! 鎌が抜けない。クッソーー」
―――ギギギ
バランスを崩した巨大ロボットが俺の方に向かって倒れてきた。
「まったく、何やってるんだあいつは……」
このままじゃ危ないし、さっさと退散し……
「ユウト様!」
声が聞こえたので振り返ると、ユキが俺の方にむかって飛びついてきた。
どうやらユキが助けに来てくれたようだな。
俺一人でも避難することが出来たが、せっかくだし、ここはユキに助けてもらうとするか。
俺はユキに体を預けた。
バランスを崩したロボットは隣のビルにつっこみ、粉々に砕けたガラスの破片が大量に地面に降り注いでいる。
ユキのおかげでなんとか被害を受けずに済んだな。
「ありがとうユキ、助かったよ。そろそろみんなの所に……」
「いけません。今の衝撃でどこかけがをしている可能性があります。もう少し私のひざをつかって安静にしていてください」
「わ、分かったよ」
俺はユキにひざ枕をしてもらっている。
ケガはないからこんなことしてもらう必要がないのだが……。
まあ、もうすこしゆっくりしてもいいか。
「それよりユウト様、本当にお怪我はありませんか?」
「ああ、どこにもけがはないぞ。それより……」
俺は泣いているユキの涙を拭いてあげた。
「ユキの方こそ、そんなに泣いて大丈夫か?」
「わ、わたしはただ、ユウト様を心配して……」
俺は別に何ともないのだが。
そんなに心配させてしまったか。
こんなに泣かれていると、なんだか申し訳ないな……
何とか泣き止んでもらわないと。
「本当にありがとな。そういえば、ケルベロスの時とは完全に立場が逆になったな」
「え?」
「ほら、一番最初に受けたクエストでさ……」
「……そういえばそうですね。以前はユウト様が助けてくださいました」
「フッ、これで貸し借りはなくなったな」
「フフッ、そうですね」
どうにか泣き止んでくれたようで良かった。
ロボットがどうなったか少し気になったが、ケガを治すっていう名目で休むことにした。
「ユウト王子ー、どこにいらっしゃいますか? 返事してくださいー」
「ユウくーん、ユッキー。どこー?」
ストラとミーロンが呼んでいる声が聞こえてきた。
「そろそろ行かないとな」
「……もう少し休んでいてもいいんですよ?」
「もう大丈夫だ。また今度頼むよ」
「あっ、は、はい! いつでも遠慮なく頼んでください」
……なんでそんなに積極的なんだ? 少し気になったが、まあいいか。
そのあと俺たちはストラと合流し、状況を確認した。
巨大ロボットはどうやらストラたちがとどめを刺しておいてくれたらしい。
そして今は、残りの警備ロボットの制圧を行っているそうだ。
「そうか。わかった。ユキ、俺たちも手伝いに行くぞ」
「はい。かしこまりました」
その後、俺たちはロボットの制圧を完了し、王宮に帰還することにした。
※次は明日の18時20分ごろに第37話を投稿します。
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