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34話 異変

 部屋に戻ったあと俺はすぐ寝ようとしたが、目がさえて眠ることが出来なかった。


「しかたない。少し外でも散歩してみるか」


 俺はすぐに着替えて、夜の街に散歩しに出かけた。






 昼間と異なり、夜の街はすっかり人気がなくなりロボットだけが徘徊していた。


 ロボットがキシキシと動いている音だけが街中に響き渡る。


 どうやらアイスさんが言っていたように、人間の住人はほとんどいないようだ。


「ランランラン、あっしたはいい日になーるかな? ……あっ、やった! いい日になりそうなんだ! うれしぃー」


 ようやく人の声が聞こえてきた。


 あたりを見渡してみたが、どこにも人の姿はなかった。


「うーん。いつ『ロボットちゃん』を動かそう……。そうだ! 明日の正午にしよおっと!」


 どこかでまだしゃべり続けている。


 ……この声はいったいどこから?




「ここだよ」




――ゾワッ 


 声に反応して振り向くと、そこには黒いローブを被った長い黒髪の女性がいた。


「あはっ! こんばんは。あんまり暗い時間に出歩いちゃだめだよ?」


「ご忠告どうも。お姉さんも夜はあまり出歩かないほうがいいですよ」


「うそ! 私の心配してくれるの! うれしい! キミすっごく優しいね! 私キミのこと好きになっちゃった! キミ名前なんて言うの? わたしのお気に入りに入れてあげる!」


 次から次へとよくしゃべる人だな……


 それにしても、真後ろにいたのに全然気配を感じなかった。


 かなり不気味に人だな。


「ねぇー。話聞いてる? お名前は何ていうの?」


 あまり名前は教えたくなかったが、教えないと何か恐ろしいことが起こる気がした。


「……ユウトだ」


「ユウト!! すっごくいい名前。そうだ! それじゃあ愛称は『ゆーちゃん』にしてあげようっと!」


 さっきからこの女は何を言っているんだ?

 

「それじゃあ、さっそく『お人形ちゃん』になってね」


 この女はそういうと、すぐさま俺に呪いをかけようとしてきた。


 いち早く異変を察知したおかげでなんとかかわすことが出来た。


「あら? かわされちゃった? ゆーちゃんすごいね! これかわせるなんて! ますます気に入っちゃった」


 いきなり攻撃してきたと思ったら、今度はうれしそうに笑っている。


「あんたはいったい何者なんだ?」


「……あんたなんて言わないで。私はアリハラ・ミツキ。今度からミツキお姉ちゃんって呼んでね!」


 アリハラ・ミツキ。この人もしかして……


「あっ、ゆーちゃんには特別に警告してあげる! 明日の午前中までにはこの国を出て行った方がいいよ。そうしないと危ない目にあっちゃうから」


「え? それって……」


「それは秘密! あっ、今回は見逃してあげる。それじゃあまた今度会おうね、愛しの旦那様」


 言いたいことを言い終わったあと、彼女は一瞬で姿を消してしまった。


「いったい何だったんだ?」


 彼女に関して分からないことが多すぎる。


 いったい誰なのか? なぜこの国にいるのか? 疑問が山ほど浮かんでくる。


 ただ、思い浮かんだ疑問は一旦忘れよう。


 今、早急に対処しなければならないことが1つある。



「明日の午前中までにはこの国を出て行った方がいいよ。そうしないと危ない目にあっちゃうから」



 ……これがもし本当なら明日ここでとんでもないことが起こる。


 何としてもそれだけは防がないと。


 俺は急いで王宮に戻って、アイスさんに今起こったことを報告しに行った。






 翌日、アイスさんは街中に警備用ロボットを配置し、警戒態勢を確保してくれた。


「ユウト王子、ご報告ありがとうございました。おかげでテロ行為による被害を大幅に軽減できそうです」


「まあ、できれば俺の早とちりであってほしいんですけどね」


 しばらくすると、事情を知らないみんながぞくぞくと王室に集まってきた。


「おはよう。……あれ? なんでロボットが外にあんなにいるの?」


「テロ行為が予告されたためです」


「テ、テロ行為ですって!?」


 全員が起床したあと、俺はみんなに昨日起こったことを説明した。


「……以上が昨日起こったことだ」


「えーとつまり、ユウくんが昨日会った女の人がテロ行為の犯人ってこと?」


「おそらくな」


「じゃあその女を早くとっちめちゃいましょう! ユウトならできるでしょ?」


「ああ。だが、まずはテロを防ぐことに集中しよう。昨日の様子からすると、たぶんもう仕掛けは終わっている。だからまずは仕掛けを探そう」


「わ、わかった」


「それと、警備ロボットがいるから大丈夫だと思うが、もし戦闘する必要があったらみんなにも協力してもらいたい。やってもらえるか?」


「もちろんです!」


 みんなの協力を得た後、手分けして捜索を行った。






「何か怪しい場所は見つかったか?」


「残念ながら何もありませんでした」


「ゆうと、どこにもあやしいものなかった」


「そうか……」


 もうすぐ正午になる。


「アイスさんの方ではなにか見つかりましたか?」


「いえ、今のところ問題は見当たりません。この様子だと、おそらく爆弾によるテロ行為ではないと判断できます」


「そうですか。それならあとは正午になるのを待って、何かが起こった後に問題を対処しましょう」


「了解しました」


 少し時間が経過した後、問題となる正午になった。


「何か変なことはあったか?」


「い、いえ。何もありません。爆発やモンスターの襲撃なんかもありません」


「どうやら問題ないみたいですね」


 問題がないか。


 今回の予告ははったりだったのか?



「……ッ、緊急事態発生!!」


 みんなが少し油断しかけたところで、アイスさんが大声を上げた。


「ど、ど、どうしたのアイちゃん?」


「……警備ロボットのコントロールが奪われました」

※次は明日の18時20分ごろに第35話を投稿します。


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