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17話 命を懸けた団体戦

「な、何をバカなことを……」


 これは少し予想外だった。母さんが俺たちのチームに来てくれるなんて。


「あの、いいのですか?」


「はい。今回きゅうだんされた2人は悪人ではなさそうですし、殺されるすじあいはないと判断しました。なので私にもあの2人を守らせてください。……それに、最愛の息子を死なせるわけにはいきませんからね」


「ッ! ありがとうございます」


 母さんがチームに入ってくれたのはかなりうれしい。


 これで戦力的には俺たちの方が圧倒的に有利になった。


 母さんに裏切られたことで親父はかなり怒っていたが、すぐに別の人員を補充し出した。


「ま、まあ、セリアがいなくても勝つことは可能だ。セリア、僕が勝ったあとで覚悟しておくんだな」


 そういって親父は闘技場の奥へと消えていった。







 試合の準備が終わり、いよいよ団体戦が始まる。


「先鋒戦、セリア王妃 VS アイリーネの試合を始めます。それでは、試合開始!」


 審判の試合開始のコールがされた瞬間、アイリーネが距離を詰めて母さんに殴りかかったが、母さんはそれをすべていなしていた。


「ふん、セリアを先鋒なんかで使うなんて馬鹿だなユウト。団体戦の戦い方というものを分かっていない」


 ……お前こそ何もわかっていない。


 アイリーネが負けた瞬間、お前のチームの敗北が確定するというのに。


 少し目を離して考え事をしていると、いつの間にかアイリーネがボロボロの状態になっていた。


「ハアッハアッ……、なんであんたがマサト様の敵になってんのよ。ふざけんじゃないわよ!」


 母さんは何も答えず、ただまっすぐ相手を見つめていた。


「チッ、無視してんじゃないわよ!!」


 そういってアイリーネはがむしゃらに攻撃を仕掛けた。


「―――セイントフレア」


 母さんが杖を突きだし詠唱を唱えると、白い炎がアイリーネを包んだ。


「きゃああああああああああああああああ」


 魔法を直に食らってしまい、アイリーネは倒れこんで気絶してしまった。


 その後、アイリーネが医療班にタンカで連れていかれ審判が判定を下した。



「先方戦、勝者、セリア王妃」



「わあ、すごい! セリア王妃ってあんなに強かったんだ」


「ホントにすごいです。驚きました……」


「素晴らしい魔法でしたね。エルフの中でもあそこまでの魔法を打てる者はそうそういません」


 俺たちの応援に来ていたミーロンたちも母さんの強さに感心していた。







 先方戦が終わると、すぐに次鋒戦が始まった。


「あ! 次はユッキーだ! ユッキー頑張って!」


「次鋒戦、 ユキ VS オーガス騎士団長の試合を開始します。それでは、試合開始!」


 試合が始まると、ユキが先に動き出し魔法剣を使って騎士団長に斬りかかった。


 ユキの積極的な攻めもあって、試合はユキに有利な展開になっていた。


「へぇ、あのユキって小娘なかなか強いじゃん。まあ、神である僕にはとうてい及ばないけど」


「ちっ、メイドのくせに強い女だな。こうなったら……、、魔力消失スキル発動」


 親父がスキル発動をした瞬間、ユキの魔法剣から魔力がなくなってしまった。


「え?これはいったい……、、ッ!、グハァ」


 ユキが一瞬動揺した瞬間、騎士団長はユキの腹にけりを入れ、倒れこんだユキを地面に押し付けた。


「ユッキー!!」


「ユウト、どうする? まだ続けるか? ギブアップしないならもっとあの子を痛めつけるよう騎士団長に指示するぞ」


「……今すぐ止めさせろ。この試合は負けでいい」


 おれがそういうと、騎士団長はすぐ拘束を解き、ユキに謝罪した。



「次鋒戦、勝者、オーガス騎士団長」





 その後、すぐに中堅戦が開始された。


「中堅戦、ストラ門番長 VS クランツ大臣の試合を開始します。それでは、試合開始!」


 しかし、またしても親父が同じ妨害をしてストラも敗北してしまった。





「ユウト、どうやら親子で対決する機会はなくなってしまったな。非常に残念だよ」


 勝ち越したことで浮かれているこいつをよそに、副将戦が始まろうとしていた。


「副将戦、クロノス VS ゴルド特殊戦闘隊長の試合を開始します。それでは、試合開始!」


「よし、こいつも僕の魔力封印スキルで……」



――――――ブン



――――――ドサッドサッドサ



 親父がスキルを使う前にクロノスが大鎌を振った瞬間、ゴルド特殊戦闘隊長が八つ裂きになった。

 

 一体何が起こったのか? 


 親父も含めて、全員がその光景にひどく動揺していた。


「審判さん。さっさとコールして」


「は、はい。しょ、勝者、クロノス……」


「あとさ、国王? 異世界転生して自分を最強だと思ってるのかもしれないけど、神である僕にお前のスキルが通用するわけないだろ。バーカ」


「な!? チッ、あのクソ悪魔が……」


「おい、次は俺たちの出番だ。叩き潰してやるからさっさと準備しろ」


「なんだと!? どいつもこいつも調子に乗りやがって!!」



 この試合でチームの勝敗が決まることもあって、闘技場は一気に緊張感のある雰囲気になっていった。


 だが、そんな静けさが審判の試合開始の合図とともに消えていった。



「大将戦、ユウト王子 VS マサト国王の試合を開始します。それでは、試合開始!!!」

※次は明日の18時20分ごろに第18話を投稿します。


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