偶然信仰
この世には偶然しか無い。偶然によって生まれ偶然によって生かされ偶然によって死ぬ。偶然は創造神であり死神である。偶然の前には祈りさえ届かない。偶然の歩みを止めることは出来ない。偶然を前にして、我々は赤子のように呆けるしかない。ただ偶然を見つめよ。この世のすべては偶然であり、その事実のみが必然である。偶然を見よ。偶然を前にして、ただその存在感のみを感じよ。偶然というこの世をまたぎ超越する存在に対して、我々は何もすることは出来ない。人生の一切は偶然の産物であり、人間が人生において必然を信じるのは、自らの行為が自慰行為に等しいものであることを認めたくないからだ。自慰にふけれ。ふけるな。