第6話 寄生虫と猫鳥
「おばさん、どうした?!」
扉の向こうにはくたびれた中年の女が同じように疲れ切った男を支えて立っていた。
中年の男の顔色は土気色で脂汗をかいている。 女は泣きながら言った。
「先生! うちのが、また苦しみだして……!」
「分かった。 とにかく中に入れて」
ラフォラエルに言われるがまま女は家に入り、男をソファーに寝かす。 男はがくがくと震え、口元は吐瀉物で汚れていた。
ラフォラエルは医療鞄を取りに席を外した間に、ライマは側にひざまずいて男を観察した。
「これって……」
男の症状を見てライマは顔色を変えた。 そこにラフォラエルが注射器を持ってくる。
「それは?」
ライマが尋ねた。
「痛み止めと睡眠薬」
ラフォラエルが答える。
「痛みどめと睡眠薬?!?」
ライマが大声を上げる。 そしてラフォラエルの手を引き部屋の隅に行く。
「何考えてるの? あの症状は間違いなくタチの悪い寄生虫に寄生されている症状よ。 痛み止めと睡眠薬じゃ、一時的に楽になるでしょうけど、どんどん寄生虫に体を食い荒らされていくだけだわ。 このままでは長いこと生きられない。 一刻も早く……」
「一刻も早くこの寄生虫に対して効果がある抗生物質を投与ってか? それがどんなに希少な抗生物質で、どんなに手に入れることが困難か知ってるか?」
ラフォラエルが強い口調で遮る。
「知識はあってもそのモノが無かったらどんなにあがいたって無力なものさ。 俺にできるのは痛み止めと睡眠薬であのおじさんの苦しみを少しでもやわらげる。 それだけだけど何もしないよりマシだ!」
ラフォラエルはそう吐き捨てると慌てておじさんの所にもどる。
「おじさん、今、楽にしてあげっから」
ラフォラエルが言うと、男は苦しみながらも嬉しそうに頷いた。
「ダメっ!」
注射器が男の腕に刺さろうとしたその瞬間、ライマの手が注射器を掴んで止めた。
「ライマ!」
怒った顔でラフォラエルが見る。 しかし、彼女の真剣な表情に言葉を失う。
そしてライマが言った。
「わたしが治療する」
「はっ?」
「どいてっ!」
言うが早いかライマはラフォラエルを押しのけ、男を床に寝せる。
「やった事はないけど、原理なら理解してる」
そう言ってライマは呼吸を整える。
次の瞬間両手から眩しい光が出て男を包む。
「この寄生虫は夜行性。 太陽光を極端に嫌うので同じような光を浴びると行動が鈍る……」
そして次に、右の手で暗闇を、左の手で炎を出す。
それを見たラフォラエルが驚く。
「お前、両手で全く違う系統の法術が使えるのか?」
「ああもう、黙って! 説明はあと!」
ライマは集中する。
「足下と頭に逃げられないように注意しながらこの暗闇に近い部分へと誘導する……」
炎の手で見えない寄生虫を追い込むかのようにライマの手が男の体の上を動く。 その瞬間足先の血管がボコリと盛り上がり、まるで土の中を突き進む獣のように足先から上半身へと動いていく。 ライマの炎の手が氷の手へと変化する。
「頭部への侵入を阻止!」
氷の手が男の喉元に当てられ、体の中を動き回っていたそれは方向を変えて肩元へ進み、行き場を失ってぐにぐにと動く。
「ラフォー! 今よ、切って!」
ライマのかけ声と同時にラフォラエルがメスで男の肩口を切る。 鮮血が飛び散りそこから50センチはあろうかとい細い蛇のような寄生虫が飛び出した。 ラフォラエルのメスがその寄生虫を床に串刺しにして動きを止める。
「ライマ!」
顔を輝かせてラフォラエルがライマを見る。
「ちょっと待って。 ……治癒……!」
ライマはすかさず治癒魔法で、ぱっくり切れたおじさんの肩の傷口を癒す。 傷はみるみる癒えていく。
「おお……!」
女が喜びの声を上げた。 ライマが治癒し終わると、男はまるで何もなかったかのようにけろりとした顔で目を開けた。
ライマがへたりと手を下ろす。
「おっしまいっと」
そう言って肩で息をする。 ライマはラフォラエルを見た。
彼は喜んで泣いているおばさん達を嬉しそうに見つめていた。
そしてすぐライマの視線に気づき振り向く。
「よくやったなぁ! ライマ。 すっごいよお前。 そんな血だらけになって」
優しい顔で微笑みながら、返り血でいっぱいのライマの頬を撫でた。
なんだかちょっと、ライマも嬉しかった。
「ふふふー。 よくやった?」
ライマは尋ねた。
「ああ、よくやったとも!」
ラフォラエルが晴れ晴れとした笑顔で答えた。
次の瞬間。
ライマの意識は無くなった。
+
翌日。
鳥のさえずりが聞こえてライマはゆっくりと目を開けた。
見慣れぬ天井。 そしてベット。
――えーっとぉ?
ライマは頭を振りながら体を起こす。
はらり、と毛布が落ちて、ライマの肌があらわになる。
「!?」
ライマは慌てて毛布を引き上げる。 そして、確認する。
――また裸だよ……
まるで昨日の繰り返しと言わんばかりにライマは真っ裸でベットにいた。
ただし昨日と違って裸のラフォラエルはいない。
着替えよう、そう思った時、いいタイミングでラフォラエルが寝室に入ってくる。
「ああ、起きた? ライマ」
ラフォラエルはさわやかに言った。
「……ねぇ、どーして、わたし、裸なの?」
ライマは少しふて腐れながら尋ねた。 ラフォラエルは当たり前のように答える。
「どうしてって、ライマ、法術の使いすぎて気を失っちゃってさ。 でも返り血で汚れていたから」
「いたから?」
「風呂に入れた」
……。
「お風呂にっ?」
ライマは一呼吸おいて叫ぶ。 ラフォラエルは頷く。
イヤ確かにここのお風呂は大人二人で入ることのできる大きさの風呂だったけどっ!
「そ、それってラフォーが入れたの? 昨日来ていたおばさんじゃなくて??」
「馬鹿? ライマ。 おばさんが気を失ってるお前を抱いて風呂に入れたり体を洗ったりする力があると思う?」
――体まで洗われたとは。
ライマは頭をかかえ、想像する。 裸の自分が彼に抱かれて湯船に浸かり体を洗われタオルで拭かれた、と。
なんだかとても恥ずかしくてどう反応してよいのか分からない。
「気にするなよライマ。 俺って医者だし」
ラフォラエルはそう言うが、何となくそれはそれで微妙に面白くない。
「えーっと、ところでさ。 起きたばっかりでアレなんだけど……。 昨日の法術治療の費用の事なんだけどさぁ……」
「費用? 何のこと?」
ライマは首を傾げた。 ラフォラエルが言葉を選ぶ。
「いや……その、お代なんだけど……報酬っての? ここの人ってあんまりお金持ってないからさ、できたら格安にしてもらえたら……っていうか」
「お金? お代なんていらないけど?」
ライマは即答した。 ラフォラエルが驚く。
「いや、だって普通は法術治療したら高額な報酬がかかるじゃんか」
「え? ああ、そうなの?」
ライマにとって法術治療は自分と新世の術でかなりポピュラーなものだった。 しかも治癒術をして金を貰ったことは一度も無かったのだ。
ライマはちょっと考えた。
「んー。 法術治療っていっても、器具使ってる訳じゃないしー、自分の気力と体力は使うけど、寝たら元に戻るし。 別にいらないかな」
「あっさり言うなぁ」
しかしそう言って笑うラフォラエルは嬉しそうだ。 ライマは続けた。
「でもわたし、今まであの程度の法術使って気を失っちゃうことなんて無かったのにナァ。 どうしたんだろう」
「そりゃあきっと、ライマはおぼれて日が経ってないんだぞ? 自分で気づかなくても体力とか落ちてるんだよ」
「うーん、そっかぁ」
仕方がないので納得する。 ラフォラエルが話題を変える。
「でも助かったよ。 さっきも言ったように、ここの島の人って――ライマは知らないだろうけどさ、本土で生活できなくなったとか、重い病気になったとか、そんな感じの人が移り住む、通称世捨て島っていうんだ。 だからみんな貧乏だし普通なら法術治療なんて絶対手の届かない人達なんだ」
そこでライマはふと気づく。
「それじゃ、昨日のおじさん以外にも法術治療なら病気の治る人がまだまだいるの?」
「9割がたね」
ラフォラエルは首をすくめた。
ライマは考えた。
はたしてこのままここを去ってよいのか。
いや、答えは明らかだった。
「じゃあわたし、もう少しここにいて法術で治せる人を治療するわ」
すっきりとした顔でライマは約束した。
その申し出を聞いてラフォラエルはほっとした表情を見せた。
「正直言ってさ、法術治療してもらえるのって、すごく助かる。 俺って魔法はからきしダメだからこっちに進んだけど、結構医学じゃどうしようもない事もあってかなり辛かったんだ」
ラフォラエルは頭をかく。
「なのにこの島の人ってば、俺のその場しのぎの治療でも喜んでくれて。 申し訳ないったら」
ライマは黙ってラフォラエルを見た。
彼の辛い胸の内を知らずにとはいえ、「何考えてるの?」なんて酷い言葉を吐いたことを申し訳なく思った。
ごめんなさい、と謝ろうと思ったが、謝ると逆に侮辱することになるのではないかと不安になった。
――不安?
ライマは自分で自分に尋ねた。
なぜ謝ることを不安に思わなければならないのか。 そうか、やはり自分は対人スキルが低いらしい、と苦笑した。
ここで島民を法術治療するためには何日か滞在する必要がある。 ここはひとつ、ラフォラエルで(と言っては失礼だが)対人スキルを磨いてもよかろう。
「ライマ?」
不意に名前を呼ばれて我に返る。
「平気?」
ラフォラエルが尋ねる。
「え、うん、平気」
ライマは頷く。 彼の態度を見るに、どうやら昨日酷い言葉を浴びせたことは気にしていないらしい。 そう思うと少しホッとした。
ただラフォラエルはとても心配そうな顔をしていた。
「どうかした?」
ライマが尋ねる。 ラフォラエルはちょっと言葉を探した。
「いや……多分、体力は相当落ちているはずだから、法術は、4〜5日くらい、使わない方がいいと思ってさ」
「4〜5日? まっさかぁ! 今だって疲れて無いから平気だって。 ほら!」
ライマはそう言って手の平から基本呪文の「光」を出した――が、光は蛍の光ほどの明るさしかなく、ついでにフラリと目まいがした。
「ほら言わんこっちゃない!」
ラフォラエルが慌てて支える。
「法術は想像以上に力を使うんだぞ? 俺がいいっていうまで使うなよ」
ライマは弱々しく頷き、そしてそのままベットに横になる。
「今日は午後まで寝てたらいい。 俺も今日は往診ナシだからさ。 夕方くらいには起きあがっていいぞ?」
ラフォラエルの手がライマの頭をなでる。 ついでに脈をはかり、瞼の色を確認され、口をあーんと開けさせられる。 ライマはクスクス笑った。
「ホントにお医者さんだね」
「ふっふ。 本物です」
ラフォラエルは茶目っ気たっぷりに返事をした。 ライマは尋ねる。
「でも聴診器とか使わないの? ――あ!」
言った後にライマはしまった、と思った。 聴診器をあてると言うことは胸を見られるという事ではないか。 それは恥ずかしいので避けたい。 いやでも相手は診察なのだから恥ずかしがっては悪い、と思考が交差する。
しかしあっさりと、ラフォラエルは考える。
「最初に診察したときに音は聞いたから、特別しなくてもいいかな」
ライマは胸をなで下ろす。
ラフォラエルは一通り診察を終えると頷いた。
「あとさ、実は今日、俺の兄弟達が5人、夕方に泊まりがけで遊びに来ることになってるんだ」
「えっ? じゃあ、わたし、どうしたらいい?」
「イヤ別に。 何もしなくていいよ。 俺が飯作るし。 今晩は飲み会ってだけかな。 毎週1回来てるんだ。 だから特別な日って訳でもないから普通にしてて」
「え、あ、うん……」
――5人も、毎週集まるんだ……
ライマは考えた。
――ラフォーも孤児だって事はその兄弟5人ってのはきっと、陽炎の館でいう所の羽織や来意達みたいな関係ってことだよね……。 兄弟で、「友達」で……。
なぜかちょっと寂しい。
――ヤバっ。 この心境って、やっぱり対人スキルの低さがなせるワザ?
ライマは気を取り直すように、ぎゅっと目を閉じて開けた。
「んな緊張しなくていいって。 別に普通……じゃないな、でもいいヤツらだから。 すぐ仲良くなれるさ」
不安を見透かされたようでライマは赤くなった。
しかしラフォラエルがそれを気にした感じは無い。
「あーっと、でも、俺達、会話する時に――えーっと、何ていうのかな? 土田舎の方言の言葉? っていうか、聞いたことの無い言語で話すこともあるけど、ま、その時は気にしないで」
「あ、うん」
ライマは頷いた。
――でも多分、どこの国の言語でも分かっちゃうと思うんだけどなぁ
しかしそれを言う気にはならなかった。
ラフォラエルも頷くと、部屋を後にする。 ライマはベットに寝たままじっと窓の外を見た。
――デイはどうしてるんだろうなぁ……
そして半ば無意識にデイの事を考えていた。
+
その頃テノス国では会議室で右大臣が吠えていた。
「ラムールの処分が決められない!? 謹慎中であろうが即死刑で決まりだろうが!」
他の大臣達が困ったように顔を見あわせた。
「その処罰を確定する書類には教育係の記章を添付しないといけないのですよ。 ところがどこにも見あたらないから紛失・破損手続きで処理をしているので1ヶ月もあれば……」
「1ヶ月? もっと早くならんのか?」
「記章が無い限りは無理です」
右大臣は押し黙る。
法務大臣が言った。
「死刑は確実としても、陛下が2ヶ月間の謹慎処分を出しておられるのだから死刑は謹慎明けでもいいのではないですか? それならば十分時間は足ります」
「そんな甘いことでどうする! 王族に手をあげるようなな不心得者は、みせしめも兼ねて即処刑にしないと国の秩序が保てん! ええい、探せ! さっさと記章を探せっ!」
右大臣はものすごい剣幕で皆に命じた。
「まぁ、法務大臣。 そのお話は本当でして?」
王宮付女官総長ローズ婦人が法務大臣室でお茶を口にしながら言った。
法務大臣はため息をつく。
「本当だ。 どうにもこうにも右大臣はラムールの事が疎くてたまらぬらしい。 早く死刑を確定しろ。 処刑しろの一点張りだ。 わしの立場からはあまり言えた事ではないが、頬を軽くはたいた程度で死刑にされては、逆にこの国のためにならぬと思うのだが……」
「右大臣は本当に教育係の事を嫌っておいででしたものね。 でも私としては教育係がいたからこそ王子のワガママもあの程度で済んでいたのだと思うのですよ」
窓の外から聞こえるデイのはしゃぎ声に耳を傾けながらローズは続ける。
「最近は誰の指示にも全く耳をかしませんし、勉学もすべて放置されてます。 それにクララを遊び相手にしたがるので、クララの仕事は全くはかどらないし、一部ではクララが側室を狙っているのではとの噂も飛び交って……おお頭がいたい」
ローズ婦人もため息をつく。
「この国はこれからいったいどうなってしまうのでしょう?」
法務大臣は何も言わず窓から王宮の庭を眺めた。
デイ王子が楽しそうにクローク卿やレッシェル嬢とたわむれているのが見えた。
+
ライマはベットの上で本を読んでいた。
寝室のドアの向こうでは、台所で料理に精を出すラフォラエルの気配。
ふんわりただよう良い香りをかぎながら、ライマは本を置いて体を起こし、ボーっと窓の外の景色を眺める。
「?」
その時、空に小さな黒い点が見え、ゆらゆら揺れるながら地面に落ちた。
「あれって」
ライマはベットから出て服を着る。 立ちくらみはしなかった。
「ちょっと出てくる!」
ライマはラフォラエルの背中に告げて家を飛び出す。 ライマは黒点が落ちた場所――少し離れた海岸沿いの岩場――まで駆けていき、見回して「それ」を探す。
ニャア、と返事をするように猫の鳴き声がした。
「やっぱり!」
ライマは「それ」を見つけて笑顔になる。
猫の背中には尾長鶏の尾のように長い翼がついている。
猫鳥だった。
猫鳥はライマが近づくと、口元にあった小さな羽をくわえてアゴでしゃくった。
ライマは近づきその小さな羽を手にする。
猫鳥はライマに羽を渡すと安心したようにもう一声鳴いた。
ライマはその羽をぎゅっと握りしめた。
「新世から?」
「ニャア」
猫鳥が返事をする。
「移動羽だね?」
「ニャア」
「帰りたい時はこの移動羽を笛代わりに吹けば、すぐ新世が迎えに来てくれるんだよね?」
「ニャア」
ライマは頷いた。 これでいつでもテノス国に帰れる。 しかし――
「ニャア?」
猫が尋ねた。
「あ、ああ、ゴメン。 ――あのさ、新世に伝えて欲しいんだ。 僕はもう少しこの島にいるからって。 この島でやることが終わったら移動羽を使うから。 元気だから心配しないでいいよ、って」
猫鳥はちょっとだけ間を開けて、ニャア、と返事をした。
その曖昧な返事にライマが申し訳なさそうに頬をかいた。
「ああごめん。 テノス国までは遠いか。 他の鳥たちに伝言して貰っても構わないから。 行きもそうやって来たん……」
そこまで言って猫鳥の腹部についた赤いものに気付く。 流れ出る血だ。
「うわっ。 怪我してるじゃん。 ケンカ――な訳ないか、人間か……」
猫鳥は翼族の仲間ではあるが、基本的には猫だ。 体も小さいので1匹くらいだと人間に歯はたたない。 おそらくこの猫鳥は人間に銃で撃たれたか何かして怪我をしたのだろう。
ライマは治癒を施そうと、手のひらに力を込める。
しかしまるで貧血を起こしたかのように目の前が薄暗くなる。
「ダメだっ!」
ライマは言った。 そして猫鳥をなでる。
「治癒してあげたいけど、今は法力が無いんだ。 ごめん」
猫鳥は気持ちよさそうに撫でられながら喉を鳴らした時だった。
「ライマー!」
不意に名を呼ばれて声のした方を向くと、ラフォラエルが大声で呼びながら探している姿が目に入る。
「ラフォー!」
思わず返事をすると彼はライマの姿をとらえ、駆けてくる。
――あっ、しまった!
ライマは青くなった。 猫鳥は単体ではとても非力なうえ、すぐ死ぬから、やろうと思えば仲間を呼ばせる時間を与えずに簡単に殺せるのだ。 骸は剥製となって高価格で売られたりもする。
「ごめん、隠れて」
ライマは慌てて猫鳥を岩と岩の隙間に押し込んで自分の背中で蓋をした。