表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブルーデイズ  作者: fujito
第二章 蒼い日々 色々
92/135

【五話】 娯楽室で、リーゼさんと、ミランダさんと、セリカさんと、対戦した日


 今日は、仕事も終わり、掃除も終わり、お風呂に入って、晩御飯を食べ、そして、その後、娯楽室に向かっていた。


 事の発端は、今日の仕事終わり頃に、セリカさんが言った事から始まった。


「ああ、ミランダ、あれ、今日、届いたらしいわ」

「おー! やっと届いたかー。んじゃー、やっちゃう? 早速今日にでもー」

「ええ、今日は出来そうね。もう設置はリリーゼがやってくれてるそうよ」

「さっすが、リーゼちゃん、仕事早いねー」

「本来の仕事の業務も、そうなら良いのだけれど………………」


 そんな、セリカさんとミランダさんのやり取りが、まだ、仕事をしていた、私にも聞こえていた。


「あ、ミランダさん、あの、資料入れましたけど…………」

「…………あー、うん、おっけー、アカリちゃん。うん、問題ないよー」

「ありがとうございます。………………で、今の、何の事ですか…………?」


 資料を確認してくれた、ミランダさんに礼を言いつつ、私は、先程の会話の事を聞く。


「あー、んふふー。アカリちゃんもー、やっちゃうー? やりましょうかー? そうしましょー」

「ああ、そう言えば、アレ、四人で出来るみたいらしいわ。……そうね、多いほうが楽しそうね。アカリ。じゃあ、あなたも参加ね」


 勝手に何かのメンバーに決められた。だが、その前に、何の事なのかを教えて欲しい。


「……………………えーっと………………」


 そう聞こう、と思ったのだが、ミランダさんのこの雰囲気から、なんとなく読み取れた。


「………………娯楽室に、何か新しく入れたんですか?」


 何の事か、はおそらくは、そういう事。なので、何を、に質問を変えて聞く。


「んー、分かってきたねー、アカリちゃんー。そーそー。なんかねー、古いゲームが入手出来たんだってさー。で、どんなのかは、私も知らないー。」

「私も詳しくは知らないわ。今回のは、貰い物だし、ただ四人でやると楽しい、とは、ミカが言ってたけれど」


 (このお二方は、中身は分からず、話してたのか…………)


 だが、何かのゲームだという事は、分かっているようだ。そして、設置、と言ってた事で、固定して行う、何かのゲームなのだろう、とは考える。

 ここの娯楽室は、何故か、昔の骨董品と言っても良いような物が多い。


「セリカさん、ミランダ、それは良いが、掃除の後にしてくれ…………」


 チュンさんにそう言われる。今日は、少しばかり、みんな仕事が遅くなっていた。その為、その後の掃除の時間も、もう迫っていた。ならば、と、やる事を全部片付けた後に、じっくりとやろう、と言う事で、この、後は寝るだけ、と言う時間になったのだった。


 食後、私とミランダさん、セリカさん、それからリーゼさんとプランさんで、娯楽室に向かった。

 リーゼさんとプランさんの二人で、それを設置をしてくれた、と言う事らしい。

 娯楽室に向かう途中、セリカさんがリーゼさんに質問する。


「ねえ、リリーゼ、どんなゲームだったの?」

「いえ、私も中はちゃんとは見てないですよ」

「あら。じゃあ、プラン、どういう物か分かった?」


 プランさんは小さく首を横に振る。知らない、と言う事だ。


「えー? じゃあー設置って大丈夫なんー?」


 少し心配そうに、ミランダさんが声を上げる。


「ええ。設置自体は、簡単でしたよ。起動も問題ないようでしたけど。ただそこまでしか、私もプラン主任も見れてないですよ」

「じゃあ、やってからのお楽しみ、と言う訳ね」


 そして、5人で娯楽室に入り、その設置されたゲームの所へ向かった。

 どうやら、そのゲーム自体は、昔のモニターに、そこから操作機が伸びている物のようだ。確かにこれならば、設置自体は難しくない。そこには、椅子が4脚置かれていた。

 そして、プランさんが、そのゲームを起動する。起動を確認してから、リーゼさんが聞く。


「モニター、大丈夫そうですか? ミランダさん」

「んー、おっけー。大丈夫かなー。……でー、どうやるんかなー? これ」


 ミランダさんも見れるように、そこはしっかり改造されているようだ。そして、そのゲームが、どんな物かは、やはり分からないようである。


「まー、やって覚えりゃーいいかー。じゃー、四人で出来るんだよねー? これ」

「ええ。そうらしいわ。でも、じゃ、条件は同じね。みんなこれ、初めてで知らないみたいだし」

「え? セリカさんも知らないんですか?」

「ええ。四人で出来るゲームがあるから、欲しいならあげるけど、ってだけで、内容までは聞いてないわ」


 リーゼさんも、セリカさんが知っている物、だと思っていたようだ。だが、誰に貰ったのだろうか。ミカさんが、このゲームの事を、知っているような事を言っていたはずだ。


「あのー、これってもしかして、ミカさんから貰ったんですか?」


 私がそう、聞いてみるが、違うと言われる。


「いいえ。聞いたのはミカからだけど、実際に、これ持ってたのは、トシオらしいわ……………………」


 ここの社長がくれた物だった。


「んじゃー、そんな事よりー、やろー、早くー! ねーねー!」

「ま、そうね。……じゃあ、…………一人余るわね」


 このゲームは四人で出来るらしい。だが、今居るのは五人。そうすると、一人出来ない。だが、セリカさんがそう言った後、プランさんが軽く首を横に振って、身を引く。どうやら、プランさんは、起動はしてくれたが、ゲームには入らないらしい。そして、ミランダさんとセリカさんは、既に椅子に座ってスタンバイ状態に入っている。


「じゃあ、私と、ミランダと、リーゼと、あとアカリね」

「……え! ……で、でも私やり方も分からないですし、そ、それに……………………」


 ミランダさんは、操作する物に関しては、あっと言う間に覚えてしまうらしい。そして、セリカさんもそう言った事は得意な様子だ。リーゼさんも、よくこの娯楽室で、ゲームをしている。

 だが、私は、まだ少ししか、ここでゲームをやっていない。


「まーまー、みんなも知らんようだしー、勝ち負けとか良いからー。やっちゃおー、やりましょー、さーさー始めるよー!」

「それでは、プラン主任、すみませんが、お先に」


 ミランダさんは、もう早くやりたくて、仕方がない様子だ。リーゼさんも椅子に座って準備する。私も、確かに、ゲームなのだし、間違ってしまっても、みんなで楽しめれば良いのだろう、と考え、椅子に座る。プランさんはそれを後ろから眺めるようだ。


「んじゃー、はじめよー。っと、始めるのはー、これかねー? あー、なるほどねー」


 初めてで、知らないはずなのに、既に操作をしていくミランダさん。そして、納得している。


「んー、これかねー? おー! って、これって、もー、始まっちゃったー」

「も、もう!?」

「あら、じゃあ。…………ああ、これで操作するのね。…………で、これかしら?」

「……え? ……ええ!?」


 そして、ゲームが始まった。

 私は、何がなんなのか、まだ、全く分からない。


「あー、こんな感じなんねー。なるほどねー。敵……みたいなのは居ないねー。これでー動くんかー。でー…………これー、なんだろー?」


 ミランダさんは、適当に操作して、操作方法を覚えているようである。だが、まだ、どういう物なのかは分からないのは同じようで、そのまま適当に、何か操作をしたようだ。


「………………あ、ありゃ? あれーー? こ、これー。…………え? あ、そういう事ー!?」

「ああ、なるほどね。これ、四人で倒し合うゲームなのね。……で、ミランダ、今ので自爆した、と」


 ミランダさんが操作した何か。

 画面には、おそらくこれが自分の操作すると思われるキャラクター、それが4人居るようである。そして、私も操作したキャラクターが、動いたのを見て、ああ、これが自分かな? と思った矢先であった。

 ミランダさんが操作したらしきキャラクターが、何かを投げた。一瞬それは玉のように見えた。それが、壁に跳ね返って、自分のキャラクターに当たったらしき、ミランダさん。


「ああ、このボタンで、玉、かしら? それを投げるのね。で、本来なら、それを他の誰かに当てるのね」


 既にルールや操作を分かり始めている、セリカさん。


「えーー!? じゃー、…………えぇー!? 私ー、…………これで終わり?」

「みたいね」

「う、うーん、こ、これで。………………ああ、確かにこれで投げるみたいですね。……………………あ」


 リーゼさんも操作を分かり始めていた、のだが、ミランダさんと同じく自爆していた。


「あら。……じゃあ、ふふっ、これをアカリのキャラクターに当てれば」


 そう言いながら、もう操作を覚えてしまったのか、セリカさんが、私のキャラクター目掛けて玉を投げてくる。


「……え? え? ……あ」

「え!? …………あ!」


 まだ、よく分からない私だったが、適当に操作をしたら、その玉を避けたようだ。そしてそれが跳ね返り、セリカさんのキャラクターに当たった…………。


「ちょ! 嘘? なんでそこで避けるのよ!?」

「…………え、な、なんでと言われましてもー……」

「ふむー。なるほどねー。少し分かってきたよー」

「では、これ、一回目は、アカリさんの勝ち、と」


 …………そのようだった。画面の中で、私のキャラクターが、ポーズを決めている。


「んじゃー、次ーいってみよー」

「…………ふ。…………そ、そうね。……まだ初回だし」

「自爆しない為には…………」

「えーっと………………」


 そして、次ゲームが始まった。

 既に操作が分かってきている、ミランダさん、セリカさん。そして、まだあまり分かっていない、リーゼさんと私。


「えーっとー、あー、こっちねー」

「あ!」

「リリーゼ、やられたわね」

「ま、まだ、慣れていないだけ…………」


 ミランダさんが、リーゼさんを倒したらしい。私はまだ、画面の隅で練習していた。


「えっと、…………あ。これで……あ。……玉ってこれで出すんですね……」


 私も少し操作の仕方も分かってきた。そして、その横で、既にミランダさんとセリカさんのバトルが始まっていた。


「ふむー、これかね!?」

「あら? こうやって避けるのね。お返しよ」

「げ! ……って、あー、これ、こっちのボタンで防げるんだー」

「え!? あ、あら、本当ね。ってこれ一瞬じゃない! 何でそれで防げたのよ!?」

「あ、そっちー!」

「あ! ちょ、待っ! あ、あら、意外に防げるわね」


 早くも、このゲームを覚え始めている二人。その横で、ああ、これかな、等と練習を続けている私。


「えーっと、…………あ、……へー。これで防げるんだー。で、これで投げて――」

「え!?」

「あ!?」

「…………あ、あれ?」


 私が適当に投げたボールが、横でバトルをしていた二人のキャラクターに見事に命中した…………。


「ちょ! アカリ!」

「ふいうちやわー!」

「え! えーっと……」


 またも、私のキャラクターが、画面でポーズを取っている。


「二回戦もアカリさんの勝利、と」

「次!はやくー!」

「アーカーリー。……覚えてなさい」


 リーゼさんが淡々と私の勝利を宣言し、セリカさんに、怖い事を言われつつ、そして次が始まった。


「もう、負けない。大体分かったわ! ほーら、アカリー?」

「え? え?」


(確か、これで防ぐ……と)


 ぽちっとボタンを押すと、上手い事、ボールを防いでくれた。


「防いだ!? や、やるわね。……って! ミランダ!?」

「油断大敵ー。っと甘いねー、リーゼちゃん!」

「避けられた!」


 セリカさんは私を倒そうと、意気込んでいたのだろうか。横から、ミランダさんにやられたようである。そのミランダさんを倒そうとしたリーゼさんだったが、避けられたようだ。

 ルールと操作の仕方は、そう難しくはないようだったので、みんな覚え始めていた。


「ほーら、リーゼちゃん! お返しだよー!」

「避け、いや防………………」

「防げなかったようね」

「た、タイミングがっ…………!」

「あ…………………………」

「「「……………………あ」」」


 私の玉が、リーゼさんを倒したばかりの、ミランダさんに当たった。


「ちょー! アカリちゃーん!! 今のないわー!!」

「油断大敵ね…………」

「え、えーっと………………」

「………………三回戦、…………も、アカリさんの勝利……………………」


 そして、更にゲームが続いた。のだが――――


「――――四回戦も……………………アカリさんの勝利……………………………………」

「またー!?」

「ちょ! アカリどういう事!?」

「え、えっと、ま、まぐれ………………」

「「次ーーーー!」」


 ゲームは続いていった――――――



「――――――あ、アカリさん…………………………十四連勝……………………………………な、何故」

「どーゆーことーーー!? なんでーー!!??」

「ちょ! さっきからミランダ、私ばっかり狙ってない!?」

「ち、ちがうよー!? アカリちゃんも狙ってるんだよーー」

「…………………………………………えぇっとーーー」

「何!? まぐれ!? まぐれで十四連勝!? アカリ!! あなたこれやった事あるんじゃないの!?」

「ええ!? い、いえ、今日が初めてですけど…………」

「アカリちゃーん……………………なんかー、取り付かれてるんじゃないー…………?」


 既にみんな白熱している。そして何故だか、私が勝ち続けていた。


「う、うーん。…………な、何かコツでもあるのか。……見る限り、操作は、ミランダさんも、セリカさんも、もうほぼ完璧のはずなのに…………アカリさんは何故…………うーん、出来ればじっくり見てみたいな……。あ、そうだ! プラン主任ちょっとやって下さいよ」


 リーゼさんがそう言って、ずっと傍観していたプランさんを見る。


「ちょっとアカリさんが、どうやってるのか見てみたいので、是非」


 プランさんは、それを聞いて、ちょっと考える素振りをしてから、リーゼさんが立った席に座った。


「ぷ、プランも初めてよね?」


 セリカさんの問いに、コクコクと頷くプランさん。


「じゃーさー、プランさんは、今んとこー、全くの初心者だよねー」

「そうね。じゃ、ちょっと付き合ってもらうわよ。アカリを倒すために……」


 プランさんは決して嘘をつくような人では無い。それはミランダさんも分かっている。セリカさんも同じだ。そして、確かに、私達四人は、今、十数回やって、大分、操作やルールも分かってきている。

 そして、プランさんは見てはいたが、初めてだった。そのはずだった――――



「――――ぷ、プラン主任………………………………………………十連勝…………………………………………」


「「なんで!!??」」


 ニコニコ笑いながら、初心者のはずのプランさんは、さくさくと、私を含めた皆を倒していっていた。


「次よ!! 次!!」

「………………あ、リーゼさん、代わります?」

「う、うん。で、でも………………か、勝てる気がしない…………」


 リーゼさんと私は交代して、プランさんを見学してみた。

 だが、無駄な動きが一切無いプランさんは、やはりさくさくと皆を倒していく。


「う、上手い!!」

「ちょぉぉぉー! なんでぇぇー!?」

「アカリ! ちょっと私と代わって! プランの操作を私も見たいわ!」


 そしてゲームをやるが、同じように、さくさくっと、短時間で、みんなを倒してしまうプランさん。


「――――覚えた! ちょっとプラン! 代わって! まずはアカリからよ! そしてその後に……」


 どうやら、セリカさんは、プランさんの操作を見て、何かを学んだのか。そして、最初の標的は私になったようであった。だが――――


「あ、アカリさんの勝利」

「きぃーー! なんでよぉぉぉ!」

「あかんわー! ソレー! 避けれんわー!」


 プランさんが抜けると、何故かまた私が勝ってしまう。ほとんどがまぐれのはずなのだが…………。


「プランさーん! 今度私と代わってー!」

「くっ! こ、今度は! 負けないっ!」

「プラン! あなたの操作は! もう覚えたわっ! まずはアカリ! そしてプラン!」


 私達はそのまま、ゲームを続け、そして、その後、夜遅くまで、交代しつつでやり続けた。


 そして、プランさんが居ないと、何故か私が勝ち、プランさんが入ると、誰もプランさんには勝てなかった。


「な、なんで………………どうして…………?」

「か、勝てる気がせんわー………………」

「………………プラン主任………………三十二勝、負け無し…………。…………アカリさん………………二十五勝。…………他、勝ち無し………………」



 そして、みんなを少し何度か見てから、ニコっと魅力的に笑うプランさん。



(………………………………………………完璧です……………………プランさん………………………………ラスボス………………)




お読み頂き、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ