表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブルーデイズ  作者: fujito
第二章 蒼い日々 色々
88/135

【一話】 セリカさんからの皆へのプレゼントだったはずが、何故か三倍速になった日

 そこに、ドーンと大きな物。


(ナニコレ!)


 皆で”ソレ”を見ていた……………………



――――――――――――――――



 今日は特に”ひずみ”も起きなかった。

 普段通りに朝が来て、普段通りに仕事をして、そして、普段通り、仕事を終えた。

 ただ、一つだけ、朝にセリカさんに言われた。


「ねえ、ちょっと悪いけれど、今日は私が良いって言うまで、娯楽室禁止ね」


「え? なにそれー。どーゆー事ー?」


 娯楽室の一番の主、ミランダさんが抗議の声を上げる。


「ふ……いいから、お楽しみよ」


 セリカさんは、ニヤっと笑う。

 何故だろう……何か……こう……ちょっと、セリカさんのオーラが見えた……


「ねえ……メイちゃん……どういう事?」

「うーん……なんだろ……アカリちゃんも知らない?」


「ちょ、ちょっと待ってください! 今日は……今日こそ……ミランダさんのスコアーを!」


(……あ、リーゼさん、この前からやってたゲーム。あれ、必死でミランダさんを越そうって、最近よく居た……)


「駄目よ。リリーゼ。ああ、アンカ、プラン。ほら……」

「なになにー? しつちょーと、プランさん、知ってるのぉー?」

エレナさんが聞くが、プランさんと、アンカ室長は、アイコンタクトをして、こちらを見る。


 アンカ室長は「さあ、なんでしょう?」と白々しい。

 プランさんはニコっと笑う。


(……はて? 何があるのか……?)


 そして、何やら、セリカさんは、いつもより、かなり早く仕事を切り上げた。


(普段だと……結構遅くまでいるんだけど……?)


 私が仕事が終わる頃、巡回組も帰ってきていた。

 そして、そんな所に、セリカさんが大フロアーに入ってくるなり、みんなに声をかけた。


「さー! 準備できたわ。思ったより早く出来たわー。ほらー、みんなー、もう仕事終わった? ちゃっちゃと終わらせて! 娯楽室へ皆で行くわよ!」


 珍しい。

 セリカさんはどちらかと言うと、仕事の鬼。

 そんな人が、皆の仕事を早く終わらせて、娯楽室へ行こうと言う。


(……はて?……何か今日あったっけ?)


 娯楽室に向かう途中、チュンさんやミランダさんにも聞いてみるが、どちらも分からない、知らない、と言う。この二人でも知らない事は結構珍しい。


(あれ? でも……)


「ミランダさん? カメラで見れないんですか? 娯楽室ですけど……」

「いやー、そこはここじゃー、まだ電波とどかんよー?」


 二階に降りても、エレベーター前から娯楽室までは、距離がある。

 どちらかと言うと、上からの方が直線距離が近い。

 まぁ、城の構造上、娯楽室の上は屋根しか無いんだけれど……


 途中でミランダさんが気がつく。


「ありゃー? セリカっちー? なんか娯楽室のカメラ隠してるー? あれー? 見えんよー?」

「ああ、じゃあ部屋の前でちょっと待ってなさい、見えないようにしてたから。」


 メイちゃんも、ユウカさんも、チュンさんも、エレナさんも「?」である。当然私も。


 娯楽室に着いて、セリカさんだけ中に入り、他の人は部屋の前の通路で待たされる。

 そこに、夜間の二人と、リーゼさんもやってくる。


「ん? アリス、マイヤ、ずいぶん早いな?」

「………………………………おは………………よ……ぅ…………」

「……ねむぃお」


 二人ともまだ眠そう。アリスさんはもう寝そう。

 リーゼさんがエスコートしてくれたおかげで、やっと辿り着いたという感じだ。


「あ、リリーゼ、あなた、何か聞いてる? 何があるの?」

「いや、ユウカさん、私も知りたいですよ。ああ、アリスさんここで寝ては……」

「わざわざ、夜間の二人も呼んだのか?」

「みたいですよ? ああ、マイヤさん、ほら……」

「……何があるんでしょうか。……あ、アリスさん」


 普段はアリスさんのゆさゆさ役はマイヤさん。だがそのマイヤさんも眠そうである。


「んー!? あれー!! なんじゃー? これーーーー!!?」

「きゃ! ……ミランダさん……どうしました?」

「えー、何ー、これー……? えー? わざわざその為にー??」

「ミランダさーん、なぁにー?」


 ミランダさんが驚いている。どうやら、中のカメラが見えたようだ。

 その声で、寝かけていた二人も起きたみたいである……


 そして、娯楽室のドアが開きセリカさんが出てくる。


「あら! 二人ともちゃんと来てくれたのね! リリーゼも来たわね。じゃあ、これで全員ね」


「「「は?」」」


「え? 全員? どういう事?」


 ニヤリと笑い、セリカさんが言う。


「ふっふっ……まあ、入ってみなさいな」

「いやー、セリカっちー、見てもわからんよー」

「ミランダ、ちょ、まだ私語禁止!」


 そして、全員で娯楽室に入る。すぐに気がつく。


(娯楽室……狭くなった? じゃない!)


 配置が少しずつ変わっている。基本は同じ。

 だが、あるスペースを確保する為、それを置く為、少しずつ変わっている。

 娯楽室の奥に……なにやらここの中でも一番大きい物……


(いやいやいや! これまでこんな物ありませんでしたけど! なに……あれ……?)


 そしてそこには、アンカ室長とプランさんも居る。


(あ、た、確かにこれで全員…………で…………?)


 他の皆も驚いている。みんなで、そこへ行く。

 ……が、分からない……


(ナニコレ!!?)


「こ、これ何?」

「でかいな……で、なんだこれ?」

「……な、なんですか……?これ……?」

「……見た事が、あるような」

「おっきぃねー」

「はぅ……」

「……………………ぅん……………………おっきぃ……………………」

「あれー? なにー? これー? はれー?」

「はわー…………」


 みんな口々に言うが、これが何か分からない。

 いや、今リーゼさんだけ、”見た事があるような”、って言った。


「ふふふ、さぁさぁ、驚きなさい! 苦労したわよ、ここまで運ぶの!」


 いや、苦労したとか、それ以前に……

 どうやって持ち込んだんデスカ? コレ……???

 ここのドアより、明らかに大きいと思われますが……


「ねぇー、セリカさーん、で、なにー? これぇ」

「ちょっ! エレナ! もうちょっと驚いてよ! 大変だったんだから、持ってくるの!」

「でもぉ、これ、なに?」


 うん、エレナさんの気持ちもよく分かる。コレが何か……全く分からない。

 他のみんなも、見ても、ヨクワカラジ……


「仕方ないわね……じゃあ! 聞いて! 驚きなさい!!」


「これはね! なんと! 巡回艇の練習が出来てしまう機械!

その名も! ”ミッドイブニングシックス改フォーアスール”!!」


 -パンパカパーン-


 そんな音が聞こえる気がする。今週のドッキリ……いや違う。

 だが、アンカ室長、プランさん、セリカさんで、そのメカ……いや機械をそんな感じでポージングして紹介する。


(で……えーっと?)


 期せずして、何故か皆で拍手する。


「ふふ! 驚いたわねっ! ね!!」


「「「「「「……………………」」」」」」


(どちらかと言うと……そんな風にコレを紹介する三人に驚きました……)


「……でー、そのー、ミッイブシクカ……なんとかー……」

「”ミッドイブニングシックス改フォーアスール”!!」


 くわっとした顔で、セリカさんが、もう一度その名前を言う。


「…………えーっとー。……え! ちょ! 今なんか変な事言わんかったー!?」

「みっどいぶしかい?」


 エレナさんが適当に言う。


「面倒なので、”ミックス”でいいですよ」


(……あ、アンカ室長が略した)

「ちょ! アンカ! それなんか違う意味になるわ!」

「ちょ、ちょっと、え? い、今巡回艇の練習……って……?」


 ユウカさんの言葉で気がつく。


(……あ、そう。今……確かにそう言った…………え!?)


「ふ、まぁ、ミックスで良いわ……そう! これでここで! 遊びながら巡回艇の練習が出来ちゃうのよ!」


 指をさし、”ソレ”を紹介する、セリカさん。


「「「「「「……………………」」」」」」


 が、やはりそこに突っ込むのは、この人。


「ちょー! セリカっち! それー! ここ! 遊ぶとこ! こんな場所とっちゃ、やーーーー!!」


 うん、ここの主、ミランダさん……


「何言っているの。ミランダ。聞こえなかった? 遊びながら! 練習が出来ちゃうのよ?」

「で……それはともかく……なんでそんな名前……?」


 ……あ、チュンさんはそっちが気になっている様子……


「ふ、それはね……これ……昔のゲームを改造したからよ! ………………それの名残………………」

「あー、そういえばそんなゲームを昔見たなー」


「そんなんー! 巡回艇でやればー!!」


「あまーーーい! ミランダ!! それにアカリ! メイ! あとアリスとマイヤ! あなたたちは特に! 巡回艇の緊急時の操作がまだまだ!

そして! 私も!!」


(………………………………じ、自分の為………………?)


「巡回艇は、まだ数が少ない! こう! 無茶して壊せない!! 高いの! あれ!! 超高級なの!!!」


(り、力説されても……………………自分の……為……?)


「けれど! これなら! 壊しても! 延々と給料から引かれ続ける事は無いわっ!!」


(に、苦い記憶があるようで…………)


「…………で…………これ……いくらしたんですか……?」

「ふ! …………しばらく…………引かれ続けるわ……………………………………」


(ああ…………このセリカさんが給料を引かれ続ける……………………コレも超高かったみたいだ)

「さあ! じゃあ早速よ! ミランダ! 文句言うならあなたからやってみなさい!」


 と”ソレ”を開ける。


(……あ、そこが開くんだ……)


「えー!? 私ー!? ってこれ完全に覆われとるじゃんー! 見えんよー! これ見えんから!」


「あーんしんしなさーい! みらんだぁー。ちゃーんとそのためにぃー金かけて! 改造! したから!! ほらほらほらほらほらほら!!!」


 ツンツンツンツンツンツン! とミランダさんを”ソレ”の中へ追いやる。


「ほあっちゃー! ちょ! ま!」


 ガッチャーンと”ソレ”が閉まった。

 中でミランダさんのくぐもった声が聞こえる。


〈ちょ! みえ! あ、あーー、見えたー………………って! な! なんで巡回艇と同じ位置にカメラー!?〉

「ふ! ミランダ! わざわざ同じ所から見えるよう! 改造したのよ!!」


(……多分、ソレは……ミランダさん仕様……)


「さあ! プラン! 発進よ!」


 コクコクと頷いて、プランさんが何かのボタンをぽちっと押す。


〈へ? え? あれー!? ちょ!? 勝手に動かさんといてーーーーー!!〉


 あーれー……とミランダさんの声が聞こえる。


 しばらく後……ミランダさんは外に放り出された……


「むきゅー……………………………………」

「み、ミランダさん!?」

「み、ミランダ!?」

「ふにゅーー…………よ、酔った………………」


「ふ……ミランダ…………まだまだ修行が足りないわ…………じゃあ! ネクスト!!」


 ギロっとセリカさんがこちらを見る。


(ひ! ひえ!!)


「んーー!? めいぃーーー!」

「……え……ぁ……う………………ひゃーーーーーー!!」


 メイちゃんは逃げ出した。


「プラン! GO!!」


 ビッと指を指すセリカさん。そして、シュタっと恐ろしいスピードでプランさんがメイちゃんを捕まえる。


「ひ、ひえええーーー……ぷ、プランさんお、おたすけぇぇぇーーー!」


 プランさんはニコニコしながら、メイちゃんを羽交い絞めにして、セリカさんに渡した。


「めーいー!? 覚悟はできてるかしらぁーーー??」

「ひぃ!」

「さあ! GO!! メイ!! アンカ!!」


 慈悲は無い。

 アンカ室長がポチっとボタンを押す。


〈ひえええええええええぇぇっっ!〉


(……………………な………………中で…………何が……………………)


 そして、しばらく後、扉がプシューっと開いて、中からメイちゃんがフラフラして出てきた。


「……は…………ふぁ………………」

「あら! 中々やるわね! メイ!」


 コロンとメイちゃんも倒れる。


「じゃあ! ネクスト!! アリス!!!」


 これまで、眠そうにフラフラしていたアリスさん。聞いた瞬間、超スピードで逃げ出した。


「あ! ちょ!! アリス!!!」


 残像を残し、アリスさんは逃げ去った。


 ついでにマイヤさんも居ない。いつの間にか……


「ちょ! アリス! 何よ!? その物理法則を無視したア○レち○んみたいな動きは! ちぃっ! マイヤも逃がしたか……」


 そしてセリカさんがこちらを見る。


(………………へ…………?)


「じゃあぁぁー、しかたないわねぇぇぇーー、あぁぁーーかぁぁぁーりぃぃいーーーー!?」

「ひ、ひえええええええええええええ」

「三倍速だけどぉぉぉーーーー、いいわよねぇぇーーー!?」

(良くない! 全然良くない!! なに!? 三倍速っ!??)

「赤いコスチュームだったらぁぁぁーー、出来たかもねぇぇーーー」


 もはや、セリカさんは、山姥か、般若か。


「わ、わたしはぁーーーせ、セリカさんのお手本がーーーー見たいですうううううーーーーーーー!」

「なぁに言っているのぉ!? あぁかぁりぃー!? あなた以外、みぃーんな、お金出しているんだからぁぁぁ」


「「「「「…………………………は?……」」」」」


「こつこつ、みんなの給料からぁー! 貯めたんだからぁ! こっそりとぉ!?」


 それを聞いた、他の皆が、セリカさんを捕まえていた。


「………………へ!?」


「そうそう! 見せてくださいな!」

「うむ! 是非! そこまで言うなら! なあっ! セリカさんっ!!」

「うん! みたいねぇ!! どうなるのかぁ!!」

「ちょ、ま! わたし! あとで! いいから! あれ!? あれっ!?」


 皆でポイっとその中にセリカさんを投げ入れる。で、ガッシャーンと扉を閉めた。


「し、しつちょー……出力…………MAX…………で………………はひー……」


 倒れていた、ミランダさんの捨て台詞だった。

 そして、そのまま、プランさんもポチッとボタンを押す。


〈あ! あれ!?!? ちょっっ!! 早すぎっっぅ!! ちょ! ま! って!! ナニコレっっ!?ちょおおおおおおおーーーー!! マッテェェェーーーーー!!!〉


――――――――――――――――――――――――――――――


 その後………………その機械は…………

 しばらく………………調整中…………となった。


「ああ、これ、ここで出力変えれるんだ」


 ”ソレ”を調整してた、リーゼさんが言っていた……


 そして、”ソレは”……今でも、娯楽室に在り続ける……


(お願い………………三倍速は…………やめて…………)



アリスは残像が使えます。(嘘)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ