表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブルーデイズ  作者: fujito
第一章 蒼い日々の始まり
5/135

【初日】 三階の案内

 階段はとても大きい。


 折り返しの箇所には、プランターが置かれている。そういえば、ここには所々に、プランターが飾ってあった。

 階段は、石のような材質で作られているようだが、それを感じさせないほど、綺麗に作られ、手入れされている。木製の手すりも、とても綺麗に手入れがされているようだ。


 ゆっくりと、階段を降りると、先ほどの四階より、広い通路に出た。

 目の前にはエレベーター。

 先程、アンカ室長の部屋に行った時に、通った通路だ。ただ、その時は緊張しすぎていて、あまり周りを見れていなかった。プランターが置かれた先に、通路がある。

 確か、一番奥の扉が、アンカ室長が居た、”室長室”だ。


「三階のここはねー。室長室とか、会議室とか、資料室とかがあるんだー」


 ミランダさんに言われて気が付く。確かに、いくつか扉があった。

 ここに初めて来た時は、そんな事まで、気に出来なかった。けれど、まだ入った事があるのは、アンカ室長が居た、室長室のみだ。


 ミカさんに連れられて、部屋へ行った時を思い出す。先程の事なのに、昔の事のように思える。


「室長室にはー、行ったんだよねー?」


 思い出していた瞬間、ミランダさんに聞かれる。


「あ、は、はい。ミカさんに、案内して頂きました。あの一番奥の……」


 そう答えると、ミランダさんは、にやり、と笑いながら言う。


「室長に用がある時はそこねー。まー、でも、あの人も忙しいからねー。私もー、普段はあんまり行く事はないかなー。あー、無くも無いかー」


 そう言って、ミランダさんは室長室に向かって歩き出す。私も、ミランダさんについていく。

 先程は、ミカさんに連れられて、キャリーバックを持って行った。

 今更ながら、ミカさんが言っていたように、キャリーバックは部屋に置いていったほうが良かったかもしれない、と思ってしまう。

 床には、綺麗に絨毯が敷かれていたからだ。


 ミランダさんは、室長室の少し手前で止まって、こちらを向く。


「そこが、室長室ねー。入る時はー、ノックしてあげてねー」


 確か、ミカさんも、ちゃんとノックをしてから、入っていた。


「それで、こっちからの部屋がー、私たちもよく使う部屋になるからねー」


 室長室は、入り口も広い。そして、来た通路を見ると、いくつかのドアがある。ドアの大きさは、少し種類があるようだ。


「まず、あの一番大きな扉がねー、皆が集まる時の、大会議室ねー」


 通路の中では、一番大きな扉を指差しながら、ミランダさんは言う。


「何か、皆でミーティングしたり、室長と話し合う事があるとー、あそこでやる事が多いねー。でも広いから、掃除するのは大変なんだけどねー」


 私は感嘆しながら聞く。


「それで、向かいのドアの所はねー。一応部長とか、社長の部屋になるんだー」


 えっと驚いてしまう。すぐそこに、社長部屋が……と思うと同時に、ミランダさんが続ける。


「でも、基本居ないからー。まぁ、普段は、ただの空き部屋ねー。大して何かあるわけでも無いしー。私も入るのは、掃除の時くらいだねー。て言うかー、来る事ほとんどないから、無くてもいいのにねー」


 実際、ここに社長が居たら、なんて言われるか想像するのも恐ろしい発言を、ミランダさんは平然と言う。

 私の動揺は気にならないのか、気にしないのか、ミランダさんは、その部屋の扉を歩いて行きながら言う。


「それで、こっちがねー――」


(……あ、もう次のお部屋の説明なんだ)


 そう思うくらい、お偉方の部屋を、さくっと飛ばして、次の箇所の説明に移っている。


「――通信室。まぁー、ここも今はアカリちゃんには、そういうとこ、ってだけでいいかなー。たまーに私はここにいるからー。ただ、ここはねー、ここのメンバー内だと、私か、室長、あとセリカっちか、あと、プランさんだねー。それだけの人しか、入れないんだー」


 見ると、この扉の横には、ちょこんとあの認証式の端末が、付いている。

 他の扉には、付いていない。という事は、この部屋は、そういう重要な部屋だ、と言う事なのだろう。


「もし、私がここに居る時はー、悪いけど、基本終わるまで出られないからー。まぁ、アカリちゃんが二週間経つまでは無いように、室長に言っとくけどさー。ただ、緊急の時はどうしようも無いから、その時は、他の人に指示を仰いでねー」


 だが、そこで、何をやるのか分からないし、そもそも、私が入れないので、私は「はぁ」としか答えられない。

 それ以上は、どうも今は聞くのが憚られる。


 ”緊急”とは、どういう状態になるのだろうか。出来れば、あまり知りたくは無い。


 そして、ミランダさんは次の扉へ歩いていく。


「それで、ここの部屋はよく使うからー、中も、今ちょっと見ていこうかー」


 そう言われた部屋は、先程の会議室の、隣の部屋だ。


「ここは資料室ねー。資料を置きに来たりとかー、資料を取りに来たりとかー、調べ物とか、試験期間でも使うからー」


 説明しながら、ミランダさんは扉を開ける。扉を開けると、中は沢山の、資料らしきものが、並べられている。そこは、ちょっとした図書館だ。


「ここに、資料が揃ってるんだよねー。で、あそこに検索できる所があるからー。」


 指差された先には、端末が置いてある。

 今は点いていないが、検索する時には、それを点けて調べるのだろう。


「まぁー、最初は、一人で来る事は、無いだろうからさー。今度来た時に、検索の仕方とかは、教えてもらえるよー。」

「は、はい……え、で、でも……」


 こんな膨大な資料を、私がきちんと調べられるのであろうか。

 多分、これは、そのうち、やる事になるのであろう。

 その時に、教えるとは言われても……。


「あ、あの、出来れば今、検索の仕方だけでもっ!」

「んー、そうだねー。でもー、詳しくやると、私じゃ、ちょっと時間かかるしー。んー、じゃー、簡単に説明するけどー、そこの端末を立ち上げてから、情報ソースを入れる画面にして、それでキーワードとか入力するんだー。そうすると、そのキーワードの資料の場所が、何処にあるとかー、日付とか、そういう情報が出てくるから、その場所を探すみたい、なんだけどー。……んー、ここらへん、ちょっと見てみてー」


 そう言って、資料棚の一部を指差す。


 ”ジ 2050-1001、2050-1231”と書いてあった。


 その棚の中に、資料らしき書類が入っている。みたいだが。


「この中から、探すみたいなんだけどねー……」


 ミランダさんも、怪訝そうに言う。

 資料の棚は分かる。中身は分からないけれど。ただ、その棚に置かれた資料が、膨大な量がある。

 しかも、その資料には、……表記が、……無い。

 

(こ、これは……)


「……よくねー、……分かり辛いって、聞くんだよねー」


 確かに、時間がかかりそうだ。これでは、どの棚にその資料があるか分かっても、その棚から、目的の資料を探し出すのに、時間がかかりそうだ。


「もう少し、上手に整理してくれればねー」


 ミランダさんは、ちょっと他人事のように言う。


「まぁ、多分ここに来るときは、私じゃなくて、メイちゃんか、セリカっちが、一緒になると思うから大丈夫だとは思うけどねー」


(……ん? どこかで聞いた名前。ああ、そう言えば、アンカ室長が、居ないと言っていた人が、そう言う名前だったような……)


「ここ一応、セリカっちが管理してるからさー」


(でも、さっきは、居なかったって、聞いたような……)


 そう思いながら、メモだけはしておく。


(”資料室 セリカさんが管理者”っと)


 いや、しかし、本当に大丈夫なのだろうか。



 私は、不安になってしまった。




読んで頂き、本当に有難うございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ