【四日目】 二人の時間
部屋に戻りながらふと気がつく。
(…………………………あ、お洗濯物……………………い、急ご……………………)
昨日のチュンさんの顔が思い出される。
(でも、食事の時は何も言ってこなかったけれど………………)
急いで部屋に戻り、シーツとタオルを籠に入れ、洗濯場へ持っていく。
今日は誰も居ない。他の籠はもう空である。しかし、全員分には、いくつか足りないようだ。
(全員分だと…………私のを除いても、あと4つは足りないような…………)
まぁ、食後誰かが持って行ったのだろう、と考え、私は昨日の要領で、シーツとタオルを入れる。始業時間まではもう少しあるので、じゃあ、せっかくだし、どうせすぐ終わるだろう、と思って、ここで待つことにした。
待っていると、ユウカさんが通路を通っていく。
(ユウカさん、…………あ、あれだ)
それは、朝のお香。
もう、日課になってしまっているのだろう。慣れた感じで通路を大テラスに歩いていき、そして戻っていく。
ユウカさんは、こちらには気がつかなかったようだった。
そして洗濯はあっという間に終わる。シーツを取り出し、畳んで、籠に入れる。持っていく頃には、ユウカさんはもう居なかった。
その後、籠を持って、お風呂場を通り過ぎようとした時に、アリスさんとマイヤさんが出てきた。今、お風呂上りのようだ。これから就寝なのだろう。
「……………………お疲れさま…………」
こちらに気付いた、アリスさんから声をかけられる。
「あ…………おつかれさまです、アリスさん、マイヤさん」
「おつかれさま、アカリさう」
「い、今からお休みですか?」
「…………………………うん。…………………………………………眠い」
(アリスさんは、………………いつもそんな感じみたいに見えるけれど………………)
「きょうあ、もう、ねれるの。アカリさうは、おせんたく?」
「え、あ、はい。朝……えと……そのちょっと寝坊しちゃって……」
どうやら、この二人は、今日はもう寝れるみたいだ。ただ、このお二方の時間がどうなっているのかよく分からない。
「あ、それで、かみ、はねてう」
「…………え、あ! ぅ…………」
指摘され、まだ直していなかった事に気がつく。
「アリス、このあと、おせんたう。あたしたちも。ねるまえに。」
「……………………………………忘れてた。…………………………シーツないと、………………………………寝れない」
どうやら、この二人はマイヤさんが先導して、アリスさんが気がつく、といった関係のようだ。
ただ、きっと仲はいいんだろう。
籠を抱えた私の横を二人が通っていく。
洗濯場へ向かうのだろう。
「……………………………………お休み、アカリちゃん………………」
「おやすみなあい、アカリさう」
「あ、お休みなさい」
(………………………………………………あ、今、アリスさんから、初めて名前呼ばれた……)
二人が洗濯場に入ってから気がついた。
洗濯物の籠を持って、部屋に戻り、もう一度、身支度をしなおす。髪は、…………中々戻ってくれなかった。
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