【四日目】 寝癖
その日の朝は少し寝坊してしまった。と言っても、朝御飯には間に合ったけれど。
昨日、夜にユウカさんと話をしてから、戻った時は、12時を過ぎていた。
それだけだったらまだ良かったのだが、その後、少しメモ帳に書いていた。
書き始めたら、止まらなくなってしまった。
そんな訳で、寝るのも遅くなってしまっていた。
セットしていた時間は、朝の《5:50》。
しかしそれを気付かずに、起きたのは《7:10》頃。
急いで支度をして、食堂に急いだ。だが、着いたらまだ来てない人も居り、メイちゃんとセリカさんが朝御飯の支度をしていた。
「あら、おはよう」
「あ、あはよう、アカリちゃん」
「おっはよー。ごっはん♪ ごっはん♪」
おはようごはん。違う。セリカさん、メイちゃん、既に席に座っていた、エレナさん、それからプランさん。
「あ、お、おはようございます」
間に合ったのでほっとした。プランさんが会釈をしていた。その後に、自分の頭に指をさす。さらにその後に私の方を指差す
。
(…………え? 頭…………?)
「あー、アカリちゃん寝癖」
エレナさんが気がつく。え? と頭を触る。髪が、少し跳ねていた……。
(……あ、プランさんはこれをって、あー! し、しまった、急いでいたから、ちゃんと見てなかった……)
私は少しバツが悪くなり顔を赤める。それを見て、プランさんはニコニコ楽しそうに笑う。
(あ、後で綺麗にしとこう…………)
そんな事をやっていたら、後ろからチュンさん、アンカ室長がやって来る。
「おはようアカリ」
「おはよう、アカリさん。あら? 髪が……」
「……あう。……お、おはようございますぅー……」
髪をなでながら挨拶をする。私は、入り口に立ったままだった。後ろが詰まっていたのでそのまま席へ行った。
その後に、フラフラしながらアリスさんが、それをゆさゆさしながらマイヤさんが、その後ろからリーゼさん、と言った順番で、皆集まってきた。
そして、もうすぐ鐘がなりそう、と言う時間に平然とユウカさんが入ってくる。
(ユウカさんは、いつもこんな感じなんだろう……。そして、…………ああ…………また、……今日も…………)
鐘が鳴る。その音と同時ぐらいに、バタバタと、ミランダさんが入ってくる。
「おはよー。…………ぎり?」
「…………一応」
誰かがそう答えた。
朝食が始まる。いつもの挨拶、いつものメンバー。
あれ? と食事をしながら疑問に思う事が出来る。
今日の朝食はお米とお味噌汁、それからお魚を焼いた物と野菜。
そして、小皿にやはりカレー……。
(これは…………どれにかけろ……と? ………………って、そっちじゃなくて)
朝食は美味しかった。
そして、気になっていた事を食器を洗いながら、後から来たメイちゃんに聞く。
「ねえ、メイちゃん」
「なあに?」
「食事当番って、一週間で代わるんだよね?」
「うん、そうだよ」
「で、今度はいつ、誰に代わるの?」
「……あ、うん。次は、明日からで、プランさんと………………リーゼ…………さん…………?」
メイちゃんは、プランさんの名は、はっきりと言うが、リーゼさんは少し濁す感じで言う。
「うん。そうだけど」
後ろから声をかけられる。リーゼさんが食器を持って待っていた。
「………………あ! あのー…………誰か他に入れますか…………?」
「そうだね。誰か入れないかな?」
どういうことなのだろうか。
(リーゼさんも…………料理は苦手…………とか?)
「あ、アカリさん、どう? 入れない?」
「…………え? いえ、それは、大丈夫…………だと思いますけれど…………」
「じゃあ室長に言っとくよ」
私はお皿を洗い終え、リーゼさんに場所を譲りながらそう言われる。
「…………えっと、…………アカリちゃん」
同じくお皿を洗い終えたメイちゃんがそっと切り出す。
「がんばって…………!」
「…………? う、うん。…………?」
メイちゃんは”ふぁいとー”っというような感じで言う。
(けど………………何を…………?? いえ、お料理は好きですけれど…………)
疑問が解けて、また疑問が出来る。
(リーゼさんは…………料理苦手? でもプランさんも居るし…………)
そんな事を考えながら、食堂を後にした。
お読みいただき、ありがとうございます。




