【三日目】 エレナとのお風呂
掃除が終わって部屋に戻ると《17:00》を過ぎた頃だった。
(さて、じゃあ後はお食事と、お風呂と……………………あと……………………あ………………あれ?……………………………………きょ、今日の晩御飯…………何時から………………?)
すっかり忘れていた。というか、一日目は皆忙しくてイレギュラーな時間で、昨日は、私はすっかり寝てしまっていて。
(だから……………………普段は………………何時?)
誰かに聞きたいが、隣のメイちゃんはお料理当番だし、あ、そうか、とりあえず食堂に行けばいいんだ、と考え付く。
(そうしたら、必ずメイちゃんとセリカさんが居るから。時間が違ってても…………)
そう考えて、部屋を出る。そして、十字路の所に来た時に、ちょうどチュンさんとエレナさんが戻ってきた。
「あぅー…………つかれたよぅ………………」
「あの大会議室は…………………………広すぎる…………」
お二人ともお疲れモードのようだ。
大会議室は確かに広かった。その上、階段状になっていて、全部に机が付いているから、お掃除大変そうだと思ったものだった。
(…………で………………実際……………………そうみたいのようで…………)
「せめてあそこは三に……ん? アカリ、お疲れ」
「あ、お疲れ様です。チュンさん、エレナさん」
「あぅー、おつかれぇー」
「あ、お疲れの所すみませんが…………」
「ん? どした? アカリ」
「えーと…………普段晩御飯は、何時からなんですか……?」
「あれー? アカリちゃん、知らないのー? あれー?」
「ん?あ! そうか。というか、言ってなかったのか」
「はい…………一昨日は…………あのバラバラでしたし、昨日は………………あぅ、すみません…………気がついたら………………もう過ぎていて…………」
「あー、そっかぁ、アカリちゃん昨日居なかったねぇ」
「ああ、うん。通常は晩御飯は《18:30》からだ。だからそれまでは好きにしていい。風呂に入ってきてもいいし、また娯楽室にいってもいいぞ。モニター室に行く人も居るし、私は大体部屋で読書をしているがな」
「わたしはー、おっふろー。チュンさんもー、ご飯の前にお風呂入ればいいのにぃ」
「私は、駄目だ。あれは睡眠導入剤が入っている。昨日のアカリになる」
「あぅ…………すみませんー……というか、チュンさん前に同じような事、言ってませんでしたっけ?」
「…………ああ、朝風呂だな。…………残念だ………………本当に。…………休みでも貰わんと私には無理だ。……あれは…………寝る………………」
「まー、でも寝る前に入る人も居るしねー。アカリちゃんはー眠くなるー?」
「え、あ、でもすごく気持ちは良かったので、その気持ちはすごく分かりますけど。…………うーん…………多分大丈夫かと…………」
「じゃー一緒いこー! 今日はメイちゃんご飯作ってるしー。リちゃんはあそこの掃除してたら時間かかるしー。プランさんもそれに付き合っちゃうからー」
一緒に行ける人が居ないので、私と言う事なのか、まぁ、それでも、誘ってくれるのは嬉しい。
「ああ、まぁ寝なければいいんじゃないか?私は部屋に戻るよ。」
(はう! しばらくは、それ、突っ込まれそう………………)
「き、気をつけますぅー…………」
「じゃあいこー、あー着替えだったね、まず」
チュンさんは自分の部屋に戻り、私とエレナさんも一度着替えを取りに部屋に戻る。
ちなみにエレナさんの部屋は向かい側の隣。すぐ近くだった。
「じゃーお部屋居るから着替え取ったら、ノックしてねー」
「あ、はい」
部屋に戻り、着替えを見繕う。そうだ、時間がある時に、洗濯したほうがいいよね。そう考え、まだ着てから洗濯していない服があるので、それらを分けつつ、着替えを準備する。
こうして分けていくと、頑張って一週間と思っていたけれど、もう、着ていないのは残り少ない。
備え付けのクローゼットにその残り少ない服を掛け、残りは、あの大きな籠に入れておく。
そこに、なにか赤い物が見える。服のようだ。
(だが…………そ、それは置いておこう、うん……)
これは、お洗濯物っと、今日洗濯をしたシーツとタオルは、とりあえずベッドに置いておいた。ふと、キャリーバックを見る。
衣服などを取ってしまうと、中身は後は、あの大事な物。次に戻ってきたら、どこかに仕舞う所を作ろう、と考えてから、着替えを持って部屋を出た。
鍵をかけ、すぐそこのエレナさんの部屋のドアをノックする。
-コンコン-
「はーい、ちょっと待っててー」
部屋の中から声が聞こえる。
しばらくして、ドアが開いてエレナさんが出てきた。
「おまたせー、じゃーいこー」
「あ、はい」
私も割りと時間がかかったかと思っていたが、エレナさんはまだ準備中だったようだった。チラっと見えたエレナさんの部屋は、ちょっと散らかっている様だった…………。
「おっふろー、おふっろー♪」
「あのー、エレナさん」
「んー、なにー?」
お風呂に向かいながら、エレナさんは楽しそうに答える。
「お風呂って、皆どれぐらいの時間に入ってるんですか?」
「んー、そうだねぇー。普段はねー、ご飯の前には私と、メイちゃんと、リちゃんと、プランさんとー、後しつちょーが入るってる事が多いよー」
「あ、あれ? アンカ室長は、今日……朝にも見ましたけど…………」
「あーしつちょーはねー。よく居るよー。朝とご飯の前と寝る前にも、入ってるんだってー」
「…………え? さ、三回も、ですか?」
「時間があればよく居るねー。何回かはわかんないやー」
(………………うん、アンカ室長は……………………本当にお風呂好きっと………………)
頭の中にメモをする。
「あ、そういえばリーゼさんがお掃除時間かかってるって、言ってましたけれど」
「あー、そだねー。リちゃんは特にねー。どこをやっててもそうだよー」
(………………うーん? ………………よく分からない)
もう少し聞こうとしたが、既にお風呂場に着いた。脱衣所に入り、籠を見るが、まだ誰も居ないようだ。お風呂大好きだというアンカ室長も居ないのだろうか。
「おぉー、一番乗りかなー。さ、はいろーアカリちゃん」
あっという間にエレナさんは服を脱ぎ終わる。そして畳んでません……。脱いだ服を籠へぽいぽいと。
「アカリちゃーん、先入っちゃうよぉー?」
お風呂場へ入りながらエレナさんが私を急かす。
「あ、は、はーい、今行きますー」
私も急いで服を脱いでタオルを持ってお風呂場へ入る。
すると、エレナさんはばっしゃばっしゃと、豪快に流し湯をかけていた。
「この水がかかる感覚が良いんだよねー」
昨日はすっかり忘れてしまっていたオンセン。こうして来ると、二度目だが、やはりとても広い。私もゆっくりと流し湯を体にかける。
体にほんわかとあったかいお湯がかかる。昨日お風呂に入っていなかった為か、これだけでも気持ちがいい。
そしてしっかりと流し湯をかけて、湯船に手をつける。
(うん、ちょうど良いお湯加減)
エレナさんは流し湯を豪快に何度もやっていたので、追い抜いてしまった。
「アカリちゃん、熱いー?」
「いえ、良いお湯加減だと思いますよ」
「じゃ、入るよーっ!」
そう言うなり、エレナさんは湯船に飛び込む。
-バッシャーン-
(って! ええええーー!!? 飛び込んじゃうの!?)
「うひゃー! 誰も居ないから気兼ねなく飛びこべれるねー!」
(…………………………私………………居ますけど)
エレナさんは、色々、豪快なようだ。私はゆっくりと湯船に入る。
「………………あ…………ん………………はぁ…………気持ちがいいですー…………」
「……ねちゃうー?」
「え! い、いえ! 寝ません、寝ません……今日は。……でも、チュンさんが言っていた事も分かりますね……これだと」
「私はご飯食べないと寝れないもん」
「あ、でもエレナさん、沢山ご飯食べてましたね」
「カレー美味しいよー。私はやっぱりカレーはお米じゃないと駄目だねー。パンでも食べれるけど」
(結局、どちらでも沢山食べるのかな…………)
「あのー、セリカさんって…………カレー………………」
「うん、そだよー。カレーの女王様」
確定した瞬間だった。
「じゃあ……えと、セリカさんが食事当番をする時って…………」
「今日はメイちゃん居るしー、他のもちゃんと出てくるよー」
(じゃあメイちゃんが居ないと………………やっぱり?)
「ま、まぁ、私も…………その嫌いじゃないですし…………」
「カレー美味しいねー。あー! こないだのシチューも美味しかったよー! アカリちゃんまた作ってー!」
「あ、ありがとうございます。えへ。がんばりますね」
「やったー! 次はシチューだー!」
ばっしゃばっしゃと、湯船ではしゃぐエレナさん。こうして、見ていると子供のよう。なの……だけれど。エレナさんのそのボディは――――――
(う、羨ましい!!! なに? あれ!? え!? た、沢山食べてるから!??)
私には無い、すばらしい体型。
(とっても………………羨ましい、お体をしていらっしゃいます………………ぐっすん)
おまけにいつもサイドで留めてる髪も下ろしているから、いつもより大人びて見える。
「さーて、じゃ、体、あーらおっと」
ばしゃっと立ってその神々しいお体を露にして、さくっとシャワー室に向かう。
「…………あ、じゃあ私も………………」
すっと立って、自分の体を少し見る。
(…………………………………………………………ぐっすん)
シャワー室で体を洗いながら、エレナさんに聞く。
「あのー、リーゼさんってお掃除にお時間かかるんですか?」
「うん、リちゃんねぇ、気になったらとことん! って子だから。で、プランさんもそれに付き合っちゃうからねー。今日のリちゃんの場所は広いからねぇー」
「じゃあ、お風呂は食後になっちゃうんでしょうか…………?」
「うん、多分そうなっちゃうねぇー。今日はご飯の後が多そうだねぇー。」
「えと…………ユウカさんとか…………は、いつ入っているんですか?」
「あー、ユウカさんはいっつも時間同じだよー。11時頃だったかなー? それくらいの時間だと、皆ほとんど終わってるしねー。しつちょーかユウカさんだけだねー」
(なるほど…………ということは………………)
「あー、チュンさんはー、その前くらいだねー。でもちょっとばらばらー」
チュンさんは、寝よう、と思う頃に入るのだろう。
そして体を綺麗に洗って、脱衣所に戻り体を拭きながら周りを見るが、やはり誰も来ていなかった。
エレナさんは、来た時と同じく、ささっと、身支度を終える。髪も豪快に乾かしてから、いつものように髪をサイドで結ぶ。
私も、そんなに髪は長くは無いから、ミランダさんのように時間はかからない。
エレナさんは髪を結ぶのに時間がかかっていて、その後に脱いだ服を袋に閉まっていたので、
私も同じくらいに、身支度を整え、一緒に脱衣所を後にする。
脱衣所の時計が、もうすぐご飯の時間だよー? と教えてくれていた
お読み頂きありがとうございます。
エレナさんは……ここでは一番の……いやいいです。




