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ブルーデイズ  作者: fujito
第一章 蒼い日々の始まり
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【二日目】 資料探し


 結局、先程の検索は間違っていたわけではないらしいが、何故かその資料は持っていかなくて良い、という事だった。


「…………ん、ちょっと、私もうまくは説明できないの…………」


 理由を聞いてみたが、メイちゃんはそれだけ言ってきた。


 メイちゃんから印刷板を受け取りながら、資料を探す作業に戻ろうとした所で、端末が先程、セリカさんが別の情報画面の方に変えてしまっていたのに気付く。メイちゃんもそれに気付いたようだ。


「……あれ? ……モニターが。……これ、アカリちゃん……じゃないよね。……え? ……じゃあ……もしかして」

「…………うん、さっき、セリカさんに会った…………」

「………………あ…………やっぱり」

「……ねえ、セリカさんて、今日お休みだったんじゃ……」

「うん、私もそう聞いてたんだけれど。…………あ、セリカさんは?」

「…………多分…………アンカ室長の所、なのかな……?」


 何も言わずに行ってしまったので正直分からないが、先程の流れで多分そうじゃないかと思う。


「そっか。……あ、じゃあ続きを……。……あ、その前にこれを戻さないと出来ないね……」

「うん……メイちゃん、戻し方分かる?」

「ううん……。これ、私もそこまでは分からなくて…………」


 二人して顔を見合わせる。

 だが、そこにドアが開いてミランダさんが入ってきた。


「あー、ごめんごめん、さっきセリカっち来たっしょー?」


 何故かミランダさんは分かっているようだ。


「ごめんごめんー」


 そう言って私達の方に来て、端末を触ってから言う。


「あー……やっぱかー…………。すぐ戻すから、ちょっと待っててねー」


 そう言ってミランダさんは端末を操作し始めた。どうやらミランダさんが元に戻してくれるらしい。

 私とメイちゃんはミランダさんの端末の操作を見ている。とても操作が早い。そう、それは分かる。

 しかし先程のセリカさんの操作は、それと比べても尋常じゃないくらい早く、もはや何をどう操作しているのかも見て取れかったのを思い出す。


 しばらくして後ミランダさんが元の画面に戻してくれた。


「んじゃー、あと、資料の方よろしくねー」


 そう言って、部屋から出て行った。


「…………じゃあ、続きやろっか…………」


 気を取り直して私はメイちゃんに言う。


「そうだね……」


 私とメイちゃんは今の遅れを取り戻そうと、必死に大量の資料を検索して、探してかき集めた。資料が全部揃う頃にはずいぶんと時間が経った気がする。


「じゃあ急いで持っていこう、もうすぐ、お昼だから、お昼ご飯の準備を急いで始めないと」


 メイちゃんがそう言って私も気がつく。

 そうだ、私は今、食事当番なのだ。だが、今が何時なのか知りたいのだが、資料室には時計が無かった。

 私とメイちゃんは急いでその資料の入った足つきの箱を、室長室に届けに行く。室長室が目の前にあるのは助かった。

 メイちゃんが室長室のドアをノックして入っていく。


「失礼します」

「ああ、二人とも、ご苦労様。多かったわよね」


 中に居たアンカ室長が、そう言ってこちらに来る。


「…………すみません、お時間かかっちゃいまして…………」

「いいえ、お疲れ様、二人とも食事当番でしょ? 食堂に行ってください」


 室長室にある時計を見る。もうすぐ《12:00》になろうとしていた。


「……あ、はい、すみません、それじゃ失礼します」

「失礼します」


 ここに、セリカさんは居なかった。

 そして、室長室を出ようとした所で、アンカ室長に声をかけられる。


「……あ、アカリ……さん」

「え? あ、はい」


 私はくるりと回って、アンカ室長の方へ向きなおす。


「…………あ、セリカさんと会ったそうね」


 先程を思い出す。


「あ、は、はい」


 まだどのような人か、よくは分からなかった。


「…………そう。……あ、ごめんなさい、引き止めて。今は、……ええ、大丈夫ですよ」

「はい……?」


 アンカ室長は何を言おうとしたのだろうか。だが、メイちゃんに促される。


「アカリちゃん、いこ」

「あ、うん。それでは、失礼します」


 もう一度言って室長室を出た。



お読みいただきありがとうございます。

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