神からの手紙
本日、2つ目。
きっと長めに書けてる、はず。
ふと、目が覚める。
なんか頭がスッキリして目覚めがいいなぁ
俺、いつの間に寝てたんだ?てか、ここ何処だ?森の中っぽいけど。
そう思いながら起き上がる。
四本の足で。
ん?なんか目線低いな。四つん這いにでもなってるのか?
下を見る。
......は? ナニコレ
そこにあったのは、馴染み深い五本指ではなく、猫科の動物を思い起こさせる若干丸まった足。
どーゆうことやねん。
試しに右腕を動かそうとしてみる。
右足が動く。
左腕を動かす。
左足が動く。
認めたくねー。自分が猫とか。
...なら尻尾はどうだ!
試しに動かしてみる。
動いてる。しかも三つ。
訳わからん。
仮に自分が猫になったのは(不本意ながら)認めるとして、尻尾の反応が三つってどうゆうことやねん。
意味わからん。
頼む。誰か説明してくれ。
チリンチリーン
ん?何だ今の音。
と思った瞬間、突然目の前に手紙の様な物が現れた。
うぉ!! どっから出てきた?
驚いて若干後ずさると、音もなく手紙が開いた。
...
.....
........
しばらく待ってみたが、特に何も起きない。
読めってことなのか?
...よし。
覚悟を決めて恐る恐る手紙に近づく。
近づいても手紙に変化は無かった。
手紙は日本語で書かれており、読むことは出来そうだ。
思いきって読み始める。
『 拝啓 相馬芳樹殿
初めまして、相馬芳樹君。
僕は...そうだなぁ、君達人間の言葉を借りるなら“神”と言う者の一人だ。
まず、最初に謝らせて欲しい。
本来なら直接会って話をするべきなのだが、あいにくと僕は君に会いに行くことが出来ない。逆もまた然り、だ。
故に手紙という形で君に説明をしなければならない事を許してくれ。
また、僕達“神”の事情に付き合わせてしまっている事も謝らなければならない。
だが、わかってくれ。僕達“神”も焦っているんだ。
前回、想定よりも成果が出なかったことで、僕達の中に焦りが生じたんだ。
その結果、高い適性値を持つ君を見つけた瞬間、そちらの世界に飛ばすという暴挙に出てしまった。君の近くに居た少女二人を巻き込んで...。
許されない行為だということは重々承知している。
恨んでくれて構わない。
だが、僕達も少々驚いているんだ。
君と一緒に飛ばされた二人の少女。
彼女達は生身で、世界渡りに耐えきったんだよ。
それ程までに、君に対する気持ちが高...
いや。これ以上は詮索すべきではないね。
つまり彼女達は、元の姿でそちらの世界に居る。
しかし、そちらの世界では、黒髪の人種は希少だ。
故に、厄介事に巻き込まれる前に捜し出すことをオススメするよ。
最後に、君がそちらにいる理由なのだが、すまない。
その点について僕達から詳しく説明することは出来ない。
それが掟であり、ルールだからだ。
だが、君は君自身の運命に向かって真っ直ぐ進んでくれ。
それが僕達“神”の願いだ。
追伸
僕が君にしてあげられる事は少ないが、今はせめて自分がどんな姿になっているのか知りたいだろうと思って、手紙に一つ能力を持たせた。
それで確認してみてくれ。 』
読み終えた途端、
うぉ!!
突然光り出し、一枚の大きな鏡になった。
ちょっとビックリしたけど、正直助かる。
.....改めて鏡の前に立つ。
ピクピク動く耳。
顔の割に大きな目。
小さな鼻を境に左右に伸びるヒゲ。
鋭い牙。
ギザギザした舌。
全体的に黒い毛並みに覆われ、スラリとしたフォルム。
そして何より印象的なのが、後ろでゆらゆらと揺れている三本の尻尾。
.......うん。何処をどう見ても猫だな。
それも、ただの猫じゃなくて、恐らく魔物とかモンスターに分類される奴。
そこまで確認すると、現れたときと同じ様に手紙だった鏡が消えた。
はぁ。本当何なんだあの手紙。
内容が一方的過ぎるだろ。
神の事情とか知らねぇし。
せめてこっちに飛ばした理由くらい教えろっての。
......まぁそれよりも、あの二人もこっちに飛ばされてるらしいし、なんか神様に言われたから動くみたいで癪だけど、居るんだったら迎えに行ってやらないとな。
まだ答えも出せて無いんだし。
そんじゃまず、この森探索しますか!!
やはり難しい。