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その7 是枝ゆりか(後編)

その7

是枝ゆりか(後編)

旧姓:須藤ゆりか


「実はね、うちの主人がいずみに…」

「キャー(≧∇≦)うちの主人だって〜!夫婦っぽくていいわぁ♪」

「夫婦だし…(--;) 美智代、別に私、話さなくていいんだけど?(^_^;)」

「あ、ごめんごめん。続けて続けて。ちゃんと聞くから」

「あまり言いたくないのが本音だけど、美智代にだから言うんだよ」

「わかってるわよ。アタシだって何でもゆりかに話してるでしょ」


 なんだか美智代が好奇心丸出しで私を見ているようで、ちょっと不思議に思った。私が卓さんと結婚していたときは全く無関心だったのに。。

「じゃあ誰にも絶対言わないでね。翔子にもね!」

「わかってるって」

「実はね、いずみが夜遅くまで起きてて寝なかったときのことなの」

「ゲームでしょ?」

「そうなの。モバゲーとかいろいろね」

「あれはやり始めたらハマっちゃうもんね。でもそれが旦那さんとケンカする原因?」

「それがそうなのよ。私驚いちゃったんだけど、英之さんがいずみに催眠術をかけて寝かせちゃったのよ」

「( ̄□ ̄;)ええっ?それマジで?」

「うん。本人は冗談半分にやってみただけなのに、かかっちゃったって」

「え〜?それってホントに偶然なのかな?」

「わからないわ。彼はテレビの見よう見まねって言ってたけど、例えそうだとしてもいずみがパタッと寝ちゃったのは事実なの。私、すごく怖くなっちゃって。。」

「うん。わかるわかる」

「もしいずみが目覚めなかったらと思うとぞっとするわ。目覚めたとしても、ちゃんと正気に戻ってるかわからないじゃない?」

「それで大ゲンカしたってわけね?」

「久しぶりにキレちゃったw 美智代だって知ってるでしょ?私が催眠や暗示には苦い経験してること」

「うん。ゆりかの運命が変わっちゃうくらい影響されたもんね」

「だから余計に腹が立ったの。でも今はちゃんと仲直りしたから。英之さんも冗談半分なことは二度としないって約束してくれたしね」

「ふぅ〜ん。。そんなことがあったんだぁ。不思議なケンカの原因だったわね」

「まあね(^_^;)…あ、そうだ!美智代の好きなトマトカクテルあるよ。飲む?」

「さすがにアタシも真昼間からは飲まないよwwお持ち帰りでいい?」

「も、持ち帰りたいの?(⌒-⌒;」

「うんw」

「じゃあ帰るときに用意するね。ていうか、今日は何にもお茶菓子なくてごめんね」

「気にしなくていいよ。アタシが急に電話して押しかけたようなもんだから。でも本当に何にもつまむものないの?w」

「ん〜ん・・・ちょっと待ってね」


 私はキッチンへ行き、冷蔵庫の中身を確認した。お菓子のストックが全くないので、何か簡単なものでも作ろうと思ったからだ。

「ゆりかぁ、そんなに気を使わなくていいよ」

と、リビングからおつまみを要求してきた張本人の声。

「ε-( ̄ヘ ̄)美智代も昔から相変わらずだわ」



「ヽ(´▽`)/わ〜い♪アタシの大好きなチーズ!すごいじゃない!」

「パパがお歳暮にもらったやつ。パパ宛てに郵便物がよく間違えて届くのよ。これもそうだったの。欧州チーズの詰合せギフト」

「勝手に食べていいの?」

「ちゃんと連絡したわよ。食べていいって許可ももらったもん」

「すっごぉい♪ゆりかカットの仕方上手ね。このお皿に何種類あるの?」

「5種類あるよ」

「これはズルいよゆりか」

「え?ズルい?何が?」

「だってぇ…やっぱこれに合うのは…お酒じゃない?(*^ - ^*)ゞ」

「さっき飲まないって言ったんじゃなかった?」

「チーズとお茶なんて合わないじゃん」

「じゃ今持ってくる?トマトカクテル」

「うん。。( ̄┰ ̄;)ゞ」


 そんなこんなで、久しぶりに美智代との和やかなおしゃべりが終わった。

 美智代の質問攻めは英之さんのことばかり。優しさの度合だとか、計算高さとか、完全主義率とか、エッチの集中力まで。。; ̄_ ̄)

 まぁ、美智代にとって英之さんは未知の存在だから気になるのかもしれない。

 今まで私が付き合ってきた男性はみんな美智代に紹介して、一緒にダブルデートしたりして遊んで来たから。。


 それにしても、美智代の最後の質問がビミョーに変で、私の心に引っかかった。

「ゆりかさぁ、慎也さんと付き合ってた頃って、家族に紹介したりしてたの?」

 予想もしない突然の問いに私はおど驚きを隠せなかった。

「また急どうしてそんな昔のこと聞くの?」

「べ、別に…(^_^;)ただ、ゆりかの性格からして、過去に付き合った男はみんな家族に会わせてるのかなぁって思っただけよ」

「そう…確かにそうかも。私、隠し事嫌いだしね。親に黙ってコソコソ付き合うのも後ろめたい気がして嫌なの」

「やっぱりねw」

「だから慎也も家に来たことあるし、うちの両親とも何回か会ってるよ。パパと一緒にお酒飲んでたりしてたかな」

「ふぅん、そうなんだぁ。。」

「こんな話、パパに聞かれたらまた怒られちゃうわ。英之君という立派な亭主がいるのに、昔の男のことなんか口にするな!ってw」

「まぁまぁ、ここだけの話だからw」


 美智代はなぜ慎也のことを名指しで聞いたんだろう?

 思いつきで言う美智代のことだから、特に意味はないのかもしれないけど。。

 そうよね。。また私の考えすぎなんだわ。。

 こんな自分の損な性格は早く治さなくちゃ。。

                 (続く)


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