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プロローグ
とある公園に、真っ白のワンピースを着た女は雨の中に立っていた。女は傘はさしていないため、ずぶ濡れになっている。
良い天気なら子供達が遊んでいそうだが今は女以外に誰もいない。
無数の水たまりは連続して波うっている。
「〜〜〜〜〜♪、〜〜〜〜〜♪」
彼女は、恋の歌を歌っていた。
その歌は、付き合い始めたようなラブラブな歌ではなく、別れの、それもとても哀しい歌だった。
彼女は、何かを忘れようとするようにその恋の歌を歌う。
1人、歌い、続ける。
「〜〜〜〜〜♪、〜〜〜〜〜♪」
そんな哀しい恋歌を歌う彼女は雨に隠れるように、瞳から小さな雫がキラリと光っていた。