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「頭痛いんだけど……航太郎、へるぷみー」


 大学の教室で頭を抱える優一。やっぱりか、といった表情で彼を見ている航太郎。

 あれから優一は日を跨ぐまで飲み続けた。彼の心にある傷が、飲酒の速度を加速させた。


「薬は?」

「飲んでなーい。薬には頼らなーい」


 彼は今までの人生の中で薬を飲んだことがない。

 予防接種をしたことはあるが、それ以外のことで病院のお世話になったこともない。

 元々身体は強い方で、風邪もあまり引かなかった。

 高校生の頃に一度、四十度近くの熱を出した。親に病院へ行けと言われても、「寝れば治る」の一点張り。

 彼は病院が嫌いだった。病院には様々な病を抱えた人がいる。死を近くに感じてしまう。それが怖くて、嫌だった。


「早退すれば? 二日酔いで早退なんてダサいけど」

「ダサいのは嫌いだ!」

「ならシャキっとしとけよ」

「優ちゃん! 航ちゃん! おはよう!」


 彼らに挨拶をしたのは、伊織紗雪。

 肩くらいまである黒髪で、顔は中の上くらいだろう。胸はそれなりにあって、身長は一五八センチ。

 言ってしまえば、そこらへんにいる可愛い女の子だ。


「優ちゃん顔色悪いよー? 熱中症?」

「いや、二日酔い」

「授業中に気持ち悪くならないようにね」


 優しい気遣いができるいい女の子だ。

 彼女は航太郎が中学校に入学してから初めて会話した女子だった。


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