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クラウ・ソラスの輝き  作者: 河野 る宇
◆第二章
9/34

*さよならの意識

「まったく。ガキのいたずらとはね」

 パトカーに背中を預けて溜息を吐くミハエル捜査官にベリルは苦笑いを返す。

「本当の事件じゃなくて良かったと言えば良かったが、とんだお騒がせだぜ」

 穏便に片付いた事へのささやかな愚痴を背にして帰路につくためピックアップトラックに足を向ける。

「また何かあったらよろしくな~」

 振り向かずに手を上げて応え運転席に乗り込んだ。

「それじゃあミーナ」

「ね、メールとかしていい?」

 助手席に乗り込もうとしたダグラスは思ってもみなかった言葉に目を丸くした。

「えっ? いいけど」

 電話番号とメールアドレスを交換し、互いに笑う。そうして少年が助手席に腰を落ち着けると車はゆっくり発進した。

 事件の解決にホッとしつつサイドミラーに映るミーナの姿に窓を開けて身を乗り出し、姿が見えなくなるまで手を振った。

「はぁ……」

 シートに体を預け、運転しているベリルの横顔を一瞥する。

「ベリルは失恋とか無いんだろうな」

 ぼそりとつぶやいて外に目を向けた。

 別に失恋という訳でもないが、どのみち実らない恋だという事は解っている。そういった意味では失恋ではある。

「失礼な。私にも一度くらいは──」

「あるの!?」

 ガバッと上半身を起こし身を乗り出す。自分から恋人を作らないベリルが失恋なんてあり得ないと思っていた少年は驚きに満ちた目で見つめた。

「どうだったかな」

 そんなダグラスに視線を向けず考えるような仕草をする。

「なんだよそれ……」

 ガックリと肩を落として再び外を眺める少年に小さく笑った。

 あれを失恋というべきなのか──ベリルはフロントガラスから見える空を視界にかすめる。

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