表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クラウ・ソラスの輝き  作者: 河野 る宇
◆第五章
16/34

*始まりの傷

 声に振り返った刹那、

「──っ」

 右肩に投げナイフ(スローイングナイフ)が沈み、ベリルは痛みで苦い表情を浮かべた。

「ベリル!?」

 ダグラスは驚いて投げられた先に視線を向けた。そこには、無精髭を生やし厚手のカーゴパンツとミリタリージャケットに身を包んだ男が立っていた。

 草色の服がよく似合うガタイの良い四十代ほどの男はベリルに下品な笑みを浮かべる。ブラウンの髪と同じ色の瞳、彫りの深い顔立ちに一重の目でこちらを見据えていた。

「誰?」

 ダグラスは見覚えのない顔に怪訝な表情を浮かべる。

「ローランド」

 つぶやくように発した名に、知り合いなのかと少年は眉を寄せた。ローランドと呼ばれた男は一瞬、鋭くベリルを睨みつけたがすぐに口角を吊り上げて不適な笑みを見せる。

「丁度いいところにマトがあった」

 ベリルは赤い液体の流れる右肩を押さえながら無言で見つめる。

 友人という関係ではないのは明らかだが二人の間に流れる微妙な空気に、どういったいきさつがあるのかまではダグラスには窺い知れなかった。

「相変わらず無駄なことしてるな」

 誰かを助けた所であんたになんの得があるんだか。

「なんだと?」

 肩をすくめて小馬鹿にしたような物言いにダグラスはカチンとくる。大抵の人間は何も知らずにベリルを(ののし)る。

 どれほどの決意を胸に秘めているのか、だからこその強さをほとんどの人間は知らない。

「よせ」

 ベリルは身を乗り出した少年を制止した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ