ハリネズミのハリー
ハリネズミのハリーがいます。
いつもビクビクしていて、とっても臆病。
言葉もちょっぴり少なく、いつも自信がなさそうです。
仲良しの友達はそんなハリーを心配していました。
色々としてあげましたが、そう簡単に変わりはしません。
ある時、森の動物たちが集まって、何かをしようというお話がありました。
そこには友達に連れられてハリーの姿もあります。
「みんなで集まって、なにかしたい。なにかあるかな?」
トナカイがみんなに言いました。
すると、いっせいに答え始めます。
「かけっこ!」
「かくれんぼ」
「かくしげい大会」
それぞれが思い思いにやりたいことを言います。
みんなバラバラでとても決められるモノじゃありません。
すると、いつもおどおどしているハリーが小さく言いました。
「おまつり、なんて……どうかな」
それがみんなの耳に届いたのです。
「おまつり…うん。いいかも」
「いろんなことできるもんね」
おまつりで決まったみたいです。
ですが、一つだけ困ったことがありました。
「おまつりなんてしたことない」
「そうそう! なにをすればいいのかわからないや」
誰もお祭りなんて分からないのです。
そこでトナカイはハリーを見ながら、言いました。
「それなら、ハリネズミくんが知っているみたいだよ。聞きながら、みんなで協力しようね」
みんながいっせいに見てきます。 それに驚いたハリーは友達のシカの背中にそっと隠れるのでした。
「ハリネズミくんはのんびり屋さんだから、ひとりずつ訪ねるようにね」
「「はーい」」
みんなで集まった日から、ハリーの忙しい日々が始まりました。
次の日、キツネが訪ねてきます。
そして言いました。
「どんなことをするの?」
「なにかモノとモノを交換とかいいかも」
そう答えると頷いて帰っていきます。
また少しすると今度はタヌキが訪ねてきました。
「なにをすればいいんだい」
「食べ物でも」
「わかった」
タヌキは帰っていきました。
なにか美味しい食べ物を探しにいったのでしょう。
タヌキと入れ違いに今度はネコが来ました。
「なにをすればいいかしら」
「的当てみたいな…」
「考えてみるわ」
そういって考えるようにして帰っていきました。
こんなにお話するのは初めてでハリーは少し疲れています。
今度はシカがリスと一緒に来ました。
申し訳なさそうに言うのです。
シカ
「大変なのに、ごめんね。ぼくはなにすればいいと思う?」
「色々なモノを集めて、くじなんてどうかな」
「それはいいね。ありがとう。」
「わたしはなにー?」
「えっと、リスさんは甘い果物なんかいいと思う、よ」
「わかったー」
二匹は帰っていきました。
ハリーはもうヘトヘトになってしまって、ぼーっとしてしまいます。
ですが、やることはまだまだいっぱい。
みんなと一緒に色々なことの準備を始めました。
もちろん、ハリーもすることがさくさんあります。
手先が器用なサルやゴリラにお願いして作ってもらうモノがあったり、それはもうたくさんありました。
お話するのが苦手な中でハリーはすごく頑張っています。
毎日ヘトヘトになってしまうほどに。
そうして、お祭りの当日を迎えることができました。
お店を開く動物がいて、それを楽しむ動物たちの姿がハリーの目に映ります。
みんな楽しそうにしている姿をじっと眺めていると、友達のツバメが飛んできました。
なにやらカゴを持っています。
その中には食べ物が入っていて、お祭りで用意したモノのようでした。
「ほら、ひとりでいないで、一緒に食べようよ」
「……うん。ありがとう」
二匹はお祭りを見ながら、みんなが用意してくれた美味しい食べ物を食べました。
ゆっくりした時間が流れ、ふいにドンっと大きな音がします。
それは太鼓の音でした。
木に登って、サルたちがドンドコとリズムよく叩いています。
みんなはその音と一緒に踊っていました。
ハリーも自分も一緒に踊りたいと思い、その輪に加わります。
みんなの笑顔に包まれながら、ちょっぴり自分に自信を持てるようになったハリー。
それからは前よりも元気な姿のハリーがありました。
おしまい。
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