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付与術師の領地経営記  作者: 八咫烏
第3章 僕と激動と
55/58

55、脅威と独りと

 僕は決めた。もう他のことなんて考えない。ただ、自分の目標を達成するために邁進(まいしん)すると。僕を信じてくれている仲間を信じて、その信頼を裏切らないようにすると。


「アロー、僕はやるよ。」


「レオならできるさ、絶対に。」


「じゃあ、防御は頼んだ。」


「ああ、頼まれた。シルバーサウルスの誇りにかけて、レオを守ろう。」


アローがシルバーサウルスの名前を出したなら、僕の安全は保障されたのと同義だ。僕のすべきことはただ三式AG(エアガン)を正確に撃つだけ、素早く撃つだけ、仲間信じるだけだ。


シュッ、シュッ、シュッ


敵の第1形態と戦っていた時よりも、歯切れの良い音が小刻みに聞こえてきた。その音に合わせて、爪楊枝弾が真っ直ぐ敵に向かって飛んでいっていた。


(よしっ、全部当たった。)


「レオ、もう少しの辛抱だ。ここで頑張れば、思いはきっと届くぞ。」


「うん、分かってるよ。」




 8発入のマガジンをいくつ消費しただろうか。僕の足元には、マガジン内で爪楊枝弾を支えていた立方体がごろごろと落ちていた。こんなにあると、戦っている時間より拾っている時間の方が長くなりそうだ。皆に手伝ってもらわないとな。


「レオ、あと数発だ。」


「分かった。」


(もう、そこまで来たのか。これでやっと帰れる、僕の家に元の生活に。)


「レオ、急いでくれないか?」


「今やってるよ。」


「そうか...。」


「もうダメそうなら━━」


「そんなはず無かろう、我はまだ戦えるぞ。しかしなぁ...さすがの我も疲れてきたのだ。魔力が無くなりそうなだけだから、最悪の時にはあの大剣を体で受け止めれば良いのだが...。」


「もちろん、そんなことはさせないよ。」


「そうだな、その意気だ。」


カーン...カーン...カーン


さっきまで威勢の良かった大剣を弾く甲高い音も、心做(こころな)しか鈍くなりつつあった。大剣を弾きながら、敵に魔法を撃ち続けていたのだから、アローもそろそろ限界か。しっかり僕がアローの状態を見極めないとな。




 敵からの大剣が弾き飛ばずに、そのまま地面に落ちるようになった。少しすると、アローが魔法を撃つのを止めた。きっと最後は僕が仕留めろということだろう。僕に気を使える余力があるなら、自分の体調に気を使って欲しい。


「アロー、終わったよ。」


「...。」


「アロー?」


「...ああ、分かった。」


「どうし━━」何か胸騒ぎがして後ろを振り返ると、巨岩が半ば崩れていた。いつもは気高くそびえ立っていたが、今回ばかりは膝をついていた。


「何も言うな。魔力さえあれば、こんなものはいくらとでもなる。」


「...。」


「レオ?」


「...そうだ、せめて魔力回復剤だけでも...。」


「我に使う余裕があるなら、レオが使え。」


「どうし━━」


「ほら、見てみろ。まだ終わってないぞ。」


まだ、終わってない...まだ続くのか...。ボルト、ファイ、ウィンに続いて、アローも戦闘不能。これからは僕1人の舞台なのだ。もう手伝ってくれる仲間はいない。ただ自分の今までの人生、目標への熱意、諦めない思い、それだけが僕の戦友だ。




 ガァルルルッ


第1、2形態の時に増して、腹の底から出ているような太い鳴き声が響き渡った。初めは2重のシールド、その次は大剣を飛ばしてきた。さて、今回は何だろうか?次々と難易度が上がっている気がする。次は、魔法のマシンガンあたりだろうか。


「レオ、気を付けろ。あれは今までと違う。」


「アロー、大丈夫?」


「ああ、召喚獣は召喚されていなければ、夢の世界で浮遊しているようなものだからな。それで、あれは強いぞ。」


「そう?」


「ああ。」


「魔力量は同じくらいに感じるけど。」同じくらいと言っても、始めから放出している魔力が破格だった。僕はもう頭が痛くなってきた。


「あの魔素はしっかりと練り上がっているからな。」


「練り上がる?」


「ああ、魔力が魔素を紡いでできた紐だと考えると、その魔素の糸が1本1本太いってことだ。まあ、詳しくは本にでも聞いてくれ。」


「うん、分か━━」


「レオ!」


「っ!」




 アローが僕の名前を大声で吐き出すように言ったということは、僕に危険が及んでいるのだろう。とりあえず、状況を確認しなければ。まあ、後ろから荒い息が聞こえるあたり、ある程度の想像はできる。


「どうして...。」


「レオ、とりあえず逃げろ。やつは早いぞ。」


「分かった。」


「...っ!」


僕が走り出すと、僕が走ろうとしている方向に敵が現れた。それもフッと元から隠れていたかのように。


シュッ


(また消えた。)


シュッ


(またか...一体どうすれば!)


「レオ、やみくもに撃っても当たらんぞ。敵をよく見てみろ。」


敵はパッパッと現れては消えるを繰り返していた。まったく、故障したモニターを眺めているようで、何だか不気味だった。


「瞬間移動か...。」


「そうだ。だから、まずはやつの足を止める方法を考えなくてはな。」


(足を止める...動けなくする...。)


「どうすれば...。」


「それを考えるのがレオの仕事であろう。とりあえず不規則に動いていれば、そうそう被弾することは無いだろう。今まで、いくらでも隙はあったからな。」


「分かった、考えるよ。」


まったくランニングしながら、瞬間移動への対抗策を考えるとは...。これが最後の障壁となることを期待しながら、体力が切れないうちに思いつかなければ。

レオは無事にユニークモンスターの瞬間移動への対抗策を思い付けるのでしょうか?


まだ初心者で改善点があると思うので、なにかあれば感想で教えていただけると助かります。

もし面白いなと思っていただけたなら、評価もお願いします。

今後とも八咫烏をよろしくお願いします。

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