51、未練と決意と
投稿が遅れてしまい、申し訳ありませんでした。
レミリエへの責任を取るために、ミアからダンジョン攻略について聞き出すことにした。僕たちの家庭教師をしていることはあって、魔物の倒し方からご飯の作り方まで教えてくれた。必要なものは以下の7つだ。
・テント
・毛布
・調理器具
・救急箱(包帯、消毒液、薬など)
・魔力回復薬
・水や食料
・アイテムボックス など
細かくは、そのダンジョンに合わせて選出するらしい。僕が行く予定のダンジョンには、変な癖がないらしい。折角なら、召喚獣のダメージが3倍くらいに増えれば良いのに...。
「ミア、ありがと。」
「いえ、お気になさらず。また一緒に行けると良いですね。」
「そうだね。」
(今度、僕は一人で行くけどね。)
「では、失礼します。」
ミアが教えてくれたもののうち、集めるのが難しいのは2つあった。そう、テントと食料だ。もし僕がこの2つを買えば、確実に怪しまれる。お金に関しては、ジューサーの利益から捻出すれば問題ない。
(さて、テントはどうするか...。)
最悪の場合は、毛布にくるまって土の上に寝ることになる。そんなのはイヤだ。防犯上でも防衛上でも心もとない。さすがに、起きて初めに見たものが、自分の上に居座っている魔物だった日にはショック死してしまう。
(どうにか、それっぽい理由を考えないとな...。)
「ミア、ちょっと良い?」
「はい、何でしょう?」仕事の途中だったら申し訳ないが、僕にも大事な理由がある。
「テントを貸してくれない?」
「テントですか...。それをどうなさるんですか?」
「今度行く時のために、練習しようかなと。」
「そういうことですか。それなら、どうぞ。」
「鍵?」
「はい、庭にある物置の鍵です。その中に、ダンジョン攻略用品が詰まっていますよ。」
(よしっ、大量ゲットのチャンス!)
「ありがと、仕事頑張ってね。」
この鍵さえ、もらえれば...。僕が目指す場所は1つ、庭の物置だ。ここに、僕の希望と運命が詰まっているのだと思うと、少し錆び付いている物置が芸術作品のように見えてきた。
(よしっ、これだな。)
ガチャン
(お!)
中には、今の僕にとっての神がいた。テント、毛布、救急箱が棚の上に尊厳あらたかにお座りになっていた。
「どうか、僕を助けてください。」
(これで、成功祈願は済んだな。)
「それでは、お運び奉らせて頂きます。」両手でしっかりと抱きかかえて、誕生日プレゼントとして貰ったアイテムボックスにそっと入れた。
(残る3つは現地調達でいくか。)
最近は、本当に空が暗くなった。もう少しで春というのに、いつまで冬が最後の抵抗するのだろうか。ダンジョンから出る頃には、暖かい春になっていると良いな。
色々と理由を付けて自分の部屋で食べたが、その日の夕食は、何だか味気ない気がした。最近は、食べ物の味が薄く感じる。そんなに運動してないんだけどなぁ。
「レオ様、テントの方はいかがですか?」
「時間は掛かるけど、一応できるようにはなったよ。」
「さすが、覚えるのが早いですね。」
「シアとミアの授業を休んでも良いかな?」この答えがイエスかノーかで、明日の僕の動きが決まる。できる限り、バレない様にしなければ。
「理由を聞いても?」
「前のトライアルで色々と問題点が見つかったから、それを改良したくて。」
「分かりました、明日は頑張って改良してください。それでは、私は失礼します。おやすみなさいませ。」
「うん、おやすみ。」
中々眠りに付けなかったが、僕がレミリエと仲直りした時のことを考えたら、スゥと夢の世界に行けた。夢の世界は現実よりも辛かった。僕を閉じ込める漆黒の暗闇、僕の胸を詰まらせる少女の嗚咽。あの時とまったく同じだ。
(もう、朝か...。)
(荷物は昨日整理したから、問題ないはず。)
しっかり置手紙を机の上に置いた。僕よりも早くに起きて、仕事をしているメイドたちの目を搔い潜りながら出掛けることにした。
(あ、レミリエの部屋...。)
(でも、今の僕には...。)
頭を左右に振って、玄関を目指して歩き始めた。足取りは重くはないが、何だか大切なものを忘れているような気がした。後ろ髪を引かれつつ、アローの背に乗ってダンジョンへ向かった。
「アロー、今日からよろしくね。」
「ああ、任せておくが良い。主の悩みを解決するのも、我の召喚獣としての役目だからな。それで、我はどうすれば良い?」
「前のダンジョンの35階で敵を倒すんだよ。」
「我にかかれば、敵の1体や2体軽いぞ。」
「うん、ありがと。」
アローはヒュゥーとダンジョンに向かって一直線に飛んで行った。僕の家がヒュゥーと小さくなっていき、それと同時にダンジョンがヒュゥーと大きくなってきた。
「レオ、ダンジョンが見えてきたぞ。」
「うん。」
「どうした、緊張しているのか?」
「まあ、ちょっとね。でも、もう集中できてるよ。」
「そうか、我が協力している以上、何も案ずることはない。」
「そうだね。まずは荷物を買わないとね。」
今頃、家は騒がしくなっているのだろうか?ササッと目標の物を入手して早く帰らないと、騒ぎに収拾がつかなくなってしまう。安全に、かつ素早く達成するしかない。
レオは無事に35階で目標の物を入手できるのでしょうか?
まだ初心者で改善点があると思うので、なにかあれば感想で教えていただけると助かります。
もし面白いなと思っていただけたなら、評価もお願いします。
今後とも八咫烏をよろしくお願いします。




