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付与術師の領地経営記  作者: 八咫烏
第3章 僕と激動と
48/58

48、おみあげといさかいと

 僕が起きた時には、すでにダンジョンの30階に到着してしまったようだ。前世に例えると、電車に乗っていて目を覚ますと、終点のよく分からない田舎駅だった時の気持ちと同じである。


「レオ様、どうかしましたか?」


「いや、ちょっと驚いただけだよ。」


「私も似たような経験がありますよ。ボーと馬車に揺られていたら、3日分くらい行き過ぎていたんですよ。あの頃は、レオ様はまだ赤ちゃんでしたね。」


「へぇ、そうなんだ。」シアは時々よく分からないことをする。『天才の頭のネジは数本抜けている。だから、スゴい発明をできる。』というのも強ち間違いでは無いのかもしれない。


「レオ様、おみあげがあるのですが。」


「え、本当?ありがたく貰うよ。」


「どうぞ。」何かよく分からない黒い角をポケットから取り出した。これは中々に面妖なものを...。


「それで、これは?」


「ドリルボアの角です。それも、ただの角ではなく、黒色ですよ、黒色。」


「そっか、普通のは白いもんね。」ヤバい、他に話すことがない。第一、色違いのドリルボアの角を貰った感想なんて、難易度が高すぎるのでは...。


「あれは30階に到着する少し前のことでした。私がレオ様の寝顔を拝見していたら、私たちの近くを何かがヒュッとかすめ通ったんです。」


「それがドリルボアの角だったと。」


「はい。普通なら丸焼きで許すところですが、場合が場合だったので、しっかり消し炭にしておきましたよ。もちろん、魔結晶もろとも。」


「...それはご苦労様。」


「その時、気付いたらレオ様の上にそれが置いてあったんです。」


(えっ、ホラーは苦手なんだけど。)


「それを馬車の中で磨いたものが、先ほどお渡ししたものです。」


何やら、とんでもない由緒を秘めているということは分かった。直近の問題は、これの使い道をどうするか考やなければならないことだ。売るのは論外だし、装備の素材するの勿体無いし、飾るには鋭くて危なすぎるし。まったく、八方(ふさ)がりとはこういうことか...。




 その時、ミアがドアをガチャッと開けて入って来た。これで、話題が変えられるぞ。もうちょっと反応しやすい話題だと良いなぁ。


「シア、そんなものをあげたんですか?相変わらずですね。」ミアは何やら含みのある表現をしてきた。きっと、シアなら気付くということも承知の上で。


「そんなものとは何ですか!」


「色違いのドリルボアの角なんてねぇ、貰っても...。」


「学のないミアには分からないかもしれませんが、色違いのドリルボアの角は滅多にお目にかかれない代物なんですよ。それをそんなものと言うなんて、おバカさんアピールが過ぎますよ。」


「お、おバカさんですって!誰かさんみたいな勉強バカには言われたくありません。」


「誰が勉強バカなんですって!」


「だって、勉強さえできれば、どうにかなると思ってるじゃない。」


「私は勉強だけじゃなくて、魔法も使えますっ。」


「何、ここぞとばかりに文武両道アピールをしてるのよ!」


「本当の事ですから!」


(まったく、僕は何を見せられているんだか...。)




 シアは、ミアにそう言ったままプイッと横を向いてしまった。一方のミアは、シアを睨みながらメイド服の端っこをギュッと握りしめていた。2人に共通していることと言えば、魔力をビュンビュン放出していることである。おかげで、2人の間にいる僕はBランクの魔物と睨みあっているのと同じ気持ちだった。


「ミアは何しに来たの?」


「あ、そうでした、忘れるところでした。誰かさんのせいで。」シアは、ミアをキッと睨み付けた。まったく、普通に話せないんだろうか。


「それで?」


「私もおみあげを持って来たんですよ。誰かさんのと違うので、ちゃんと期待しておいてください。」シアは、獲物に狙いを定めた魔物のように睨み付けた。


「シアのと同じくらい期待しておくよ。」


「まあ、良いですけどっ。はい、これです。」


「これは?」ミアが僕に手渡したのは、桃色にテカテカと深海魚のようにぼんやりと光っていた。そう、スライムのように。


「どうですか、桃色のスライムですよ!」勝ち誇ったかのように腰に手を当てて、スライムを指差しながら言った。よほど、自信があるのだろう。


「まさか、それも色違い?」


「はい。...あ、でも、私のは実用性もありますよ。」途中で自分が何をあげたのかに気付いたようだ。まあ、姉妹だから似た者同士なのだろう。


「実用性?」


「はい、そっちのとは違って。」


「詳しく説明してもらえる?」


「以前にもお話したと思いますが、小学校では実技に『スライムバトル』があります。その時に、役立つのではないでしょうか?」


(まあ、確かに。何か、特別な能力とかがありそうだな...。)




 僕が桃色スライムで何ができるのか想像しているのを、シアはしっかり感じ取ったらしい。さっき以上に、(こぶし)を握りしめ始めた。プルプルと震えているあたり、もう我慢の限界に近いのかもしれない。


(あ、マズい。このままだと、歴史に残る大災害に。)


「あ...えーと、じゃあ、両方とも大切に研究させてもらうよ。」


「分かりました、何か分かったら教えてくださいね?」


「もちろんだよ。」


「私が先ですよ。」


「あ、何言ってるのよ!」


「はいはい、2人とも同時に言ってあげるから。」


少し不満そうに見えるが、大災害が起きなかったのだから、きっと問題ないであろう。それにしても、今日からは忙しくなりそうだ。

レオたちを待ち受けるものとは何でしょうか?激動の3章の本性が...。


まだ初心者で改善点があると思うので、なにかあれば感想で教えていただけると助かります。

もし面白いなと思っていただけたなら、評価もお願いします。

今後とも八咫烏をよろしくお願いします。

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