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付与術師の領地経営記  作者: 八咫烏
第3章 僕と激動と
45/58

45、ボスと食欲と

 翌朝も引き続いて2人は上機嫌で、朝から家で食べるのと同じような朝食が出てきた。ダンジョンでの食事はあと2日あるかないかであろう。壁の色は少しずつ違っていたが、無機質で何の面白みも無かった。


「では、レオ様、今日は30階まで行きましょう!」


「でも、だんだん敵が強くなってない?」


「私たちなら問題ありませんよ、サクッと25階のボスを倒して、一気に30階の安全地帯まで駆け抜けましょう。」


「頑張るよ。」


「野宿はしたくありませんものね。」


そう言って、頬を緩めてフフフと笑うミアに手を引かれ、ダンジョン探索4日目が始まった。もうFランクの姿は無くなり、ほとんどがDランクに占められていた。25階のボス部屋を越えた辺りで、Eランクもいなくなるらしい。


「レオ様!」


(おっと、ボーッとしている暇は無かったな。)


「今日からは、昨日言った通り、レオ様にもしっかり戦ってもらいますからね。」ダークラビットを僕の付与した剣で斬り伏せながら言った。


「うん、分かってるよ。」




 ダークラビット(Eランク)

・物理、風属性魔法攻撃

・攻撃力と俊敏性が、他のラビット種に比べて高い。

・黒色のラビットである。

・広い草原などに生息している。

・よく群れを作っているので、他に敵がいないか要警戒。   など




 シアとミアの脇をすり抜け、ダークラビットが僕に突っ込んできた。今日は、僕も働く必要があるようだ。そう気を引き締めながら、三式AG(エアガン)を撃った。


シュッ


「レオ様、前からダークラビットが多数です。」


(ダークラビットの群れか...。)


「気を付けてくださいね。攻撃力が高いですし、数で押されますよ。」


「うん、分かったよ。ボルト、召喚!」


ガルルッ


「ボルト、敵を倒すよ!」


ガル...ガルルッ


ドンドンと飛び跳ねて、やる気は十分だった。戦況に応じて召喚獣1体から、少しずつ増やしていくことにした。


ヒュゥーン、ドォーン、ドカンッドカンッ


ダークラビットは小さいし素早いので、中々ボルトの攻撃は当たらない。ピョンピョンと相手が跳ね回っているから、狙いを定めてもすぐにズレてしまう。アイロンサウルスは、ダークラビットと相性が悪いようである。


(このままだと、一生終わらないな。)


シュッ...シュッ...シュッ


ボルトには、次の機会に活躍してもらうことにした。小さい軟目標には、僕が攻撃することにした。三式AG(エアガン)だって、攻撃力が低い訳じゃない。


(よしっ、最後1匹。)


外さないように、敵の動きを見極めてから、敵が動くであろう方向に少しずらして撃った。完璧である。僕の撃った爪楊枝弾はしっかりと命中した。


「レオ様、お見事です。」


「ありがと。」


「それでは、先に進みましょう。30階の安全地帯まで行けなくなりますよ。」


(絶対に野宿はイヤである。魔物が出ない安全地帯まで行かなくては。)


「分かったよ、急ごう。」




 段々とDランクの魔物の群れが増えてきた。ダブルボアとかのボア種は急に突っ込んでくるから、会いたくない。さて、ダンジョンの雰囲気も少しずつ変わってきた。そろそろ、25階のボス部屋があるのだろう。


「2人とも、この辺りがボス部屋なの?」


「よく分かりましたね、大正解です。もう少しで門が見えてきますよ。」


もう少し歩くと、見覚えのあるしっかりとして立派な門が見えてきた。あそこを越えれば、30階の安全地帯まではすぐであろう。


「レオ様、少し待ってください。」


「ボス部屋に入らないの?」


「いえ、入りますよ。その前に、やるべきことがあるんですよ。」そう言うと、何かの魔法を詠唱し始めた。


「何これ?スゴいね。」僕の体が薄緑色のもやもやで覆われているのである。こんなことは初めてだ。


「気に入っていただけたなら良かったです。しかし、もうすぐ見えなくなりますよ。」


「それで、これは?」


「ちょっとしたスパイスです。」


「スパイス?」


「はい、そうです。ボス部屋に入ってみれば分かりますよ。」


「そう?」


「私はレオ様に嘘を付きませんよ。」


もう門を開けようとしているから、最後まで答える気は無いのだろう。まあ、シアのことだから、役に立つ魔法だったのであろう。




 スゥーと門が開いたので入ると、好きだけど嫌いな魔物がズラッときれいに整列していた。本当に、ご苦労なことだ。あとは大人しく倒されてくれれば...。


第一列目のボア種が突っ込んできた。やっぱり、サンドバッグにはなってくれなかった。ああ...僕のお肉が迫ってくる。あれを串焼きにしようか?それともステーキにしようか?ちょっと変化球でハンバーグにしようか?


「レオ様、相手の動きを見極めて!」鋭く凛とした声が僕を現実に引き戻した。


(危ない、危ない。僕がハンバーグになるところだった。)


「ドリルが来ますよ。」


ここは申し訳ないが、「アロー召喚!」


ガンガンガン...


「な、何だこれは!?」目覚まし時計に起こされて時計を見ると、遅刻確定の時間だった時のような声を上げた。


「アロー、ごめんね。」


「お、レオか。これは我へのプレゼントか?」


「プレゼント?」


「いや、召喚されみたら、目の前に活きの良い肉が置いてあったからな。それで、これは我へのプレゼントか?」


「まあ...頑張ってくれたら、ハンバーグにしてあげても━━」


その瞬間、ブアッと下から吹き上げるような風が吹いた。もちろん、何があったかは砂埃の舞っている今でも理解できる。視界が戻ってから横を見ると、案の定隣に銀色の大岩がいなかった。前線の方からは、シアとミアの叫び声が聞こえてきた。


(まったく、あいつは...。)

レオたちは無事に目標の30階まで行けるのでしょうか?


まだ初心者で改善点があると思うので、なにかあれば感想で教えていただけると助かります。

もし面白いなと思っていただけたなら、評価もお願いします。

今後とも八咫烏をよろしくお願いします。

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