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付与術師の領地経営記  作者: 八咫烏
第2章 僕と従魔たちと
31/58

31、仲間と覚悟と

 森の中は薄暗かった。これが早朝とか夜とかだったらと思うと、背筋がゾッとする。今から怖がってどうするんだと自分を叱りつつも、やはり一歩一歩、地面を擦るようにしか歩けなかった。


「ボルト、大丈夫だよね?」


ガルルッ


「ファイ、大丈夫だよね?」


ガァルルッ


「ウィン、大丈夫だよね?」


ガルゥルッ


「それなら、良かった。きっと...いや、絶対に大丈夫だな、うん。」


僕の周りを歩いている3匹を見てから、再び歩き出す。魔物が出てきても、この3匹がいるなら大丈夫だろう。




 ガサッ...ガサガサッ


この音にハッとして振り返るのは何回目だろうか。毎回毎回、スライムかラビットが出て来て、安心と落胆の狭間のような感情を感じていた。それでも、咄嗟(とっさ)に身構えてしまう。


(今回は......スライムかぁ。)


スライムがピョンピョンと草の中から飛び出して来た。スライムなんぞに使える魔力は無いので、無視して通過である。


ガルッ


さっきまでテンポ良く歩いていたのに、3匹とも急に止まってしまった。1つの方向を見ながら。敵を警戒し過ぎていて気付かなかったが、魔素の濃度が高くなっていた。木を見て森を見ずを実践していたのだろう。


(やっと、ご対面か...。)


「ボルト、ファイ、ウィンはここで待ってて。」


僕がそろりそろりと、3匹が睨んでいる草むらに近付いて行った。草むらに顔を近付けると、草むらの奥には少し開けた土地が見えた。そして、そこにいる魔物の群れも。




 思わず、飛び出して行きそうになったので、ゆっくり深呼吸をした。そして、敵の種類と数を把握することにした。魔物図鑑と見比べての作業だったが、案外早く終わった。敵の編成はこうだった。


シルバーザウルス1、キングボア2、ドリルボア4


別に数は大したことないが、1体1体が強力な魔物だった。それが7匹も群れていると尚更(なおさら)だ。




 シルバーサウルス(B+ランク)

・物理、魔法攻撃(特に氷属性が強力)

・攻撃力がサウルス種の中で最大値

・ダメージ低減

・銀色で、大岩のような見た目である。

・全身の表面が金属で覆われているので、ダメージが通りにくい。

・三大翼竜の1種で、非常に危険。

・他の三大翼竜と一緒にいると、Aランク級になる。   など




 キングボア(Bランク)

・物理攻撃のみ

・2属性のダメージ低減シールドを持つ。

・森の中に生息している。

・全身を覆う2属性のシールドを破壊しないと、ダメージが通らない。

・シールドの属性を見極める必要がある。

・超高速で突進してくるので要注意。   など




 ドリルボア(Cランク)

・物理攻撃のみ

・1属性のダメージ低減シールドを持つ。

・森の中に生息している。

・全身を覆う1属性のシールドを破壊しないと、ダメージが通らない。

・シールドの属性を見極める必要がある。

・高速で牙を飛ばしてくるので要注意。

・他の魔物と一緒にいると、Bランク級になる。   など




 今日だけで、新しい魔物が3種も見れるなんて驚きである。まあ、そんな悠長な事を言っている場合ではなかった。敵の平均ランクはBである。油断すると、即刻全滅するであろう。家の冷蔵庫から持って来たサンドイッチを片手に、作戦を練ることにした。


①キングボアとドリルボアを足止めする。

②その間に、シルバーサウルスを僕たちで倒す。

③最後に、キングボアとドリルボアを倒す。


鉛筆を持つ手がプルプルと震えていたが、どうにかなるであろう。まずは、キングボアとドリルボアを足止めするための、罠を作ることにした。


(とりあえず動けなくすれば良いから...。)


(まあ、地面に粘化でも付与するか。)


「『粘化Lv9』を付与。」


(これが最大限の付与だから、成功してもらわないと...。)


武者震いか、恐怖か、興奮かで震える足を1歩ずつ持ち上げながら、さっきの草むらの近くまで進んできた。さあ、これからが本番である。この1戦で、グラント町の将来が決まる!




 僕の横に座っている3匹を見た。こいつらと一緒なら、どんな敵とでも戦える気がした。これが慢心なのは分かっている。でも、そう感じてしまうのだ。


「ボルト、ファイ、ウィン、行くよ!」


(今日をこの世界での最後の日にするつもりは無い!)


ガサ、ガサガサッ、ガサガササッ


草むらから出てきた僕たちを見つけて、キングボアとドリルボアが突っ込んで来た。想像以上の速さである。前から自動車が突っ込んできたような感じだ。


(大丈夫、大丈夫だ。粘化は付与している。)


キングボアとドリルボアが僕の罠にはまるまで、小1時間くらい経った気がした。少なくとも、それくらいの密度はあった。




 ガルルゥ、ガルガルゥ...ガルッ...ドッシーン、ドッタァーン


(やっと罠にはまった。)


粘化した地面に足を取られたボアに、別のボアが止まり切れずにぶつかっていった。そこからは、流れるように、当たっては倒れるを繰り返していた。それが5回起きると、僕の足元にボアが6匹転がっていた。


ヒュンッ


僕の耳元を何かが(かす)めた。飛んで行った方向を見ると、池が見えた。正確に言うと、木に丸い穴が空いていた。そして、その奥の木にも丸い穴があった。この調子で穴が1直線に空いているので、少し遠くの景色が見えたのだった。


(うわっ、忘れてたよ。確かドリルボアには...。)


ヒュンッ、ヒュンヒュンッ


(えっと、どうしよう。あぁ、どうすれば。まずは落ち着いて...えーっと。)


カン、カンカンッ


エッと思って目を上げると、ドリルボアと僕の間にボルトがいた。『頑強化Lv4』が付いているから、跳ね返せるのであろう。


「ボルト、ありがとう。」


ガルルゥッ


(牙を止める、いや飛ばさない......そうか、『固定化』か。)


「ドリルボアの牙に『固定化Lv7』を付与。」


さっきまで、ビュンビュン飛んでいた牙が来なくなった。ドリルボアは懸命に牙を飛ばそうとしているが、無理であろう。Lv7の付与が生まれたばかりの魔物に負ける訳が無い。


攻撃する機会はいつでもあったはずだが、ドッシリと構えているシルバーサウルスの表面が、妖しく光っていた。そして、その足元には、季節外れのシロツメクサに(つぼみ)が付いていた。

レオはシルバーサウルスを無事に倒せるのでしょうか?


まだ初心者で改善点があると思うので、なにかあれば感想で教えていただけると助かります。

もし面白いなと思っていただけたなら、評価もお願いします。

今後とも八咫烏をよろしくお願いします。

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