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付与術師の領地経営記  作者: 八咫烏
第2章 僕と従魔たちと
30/58

30、決意と恐怖と

 シュッ...ドスッ......ドタンッッ


僕が撃った爪楊枝弾が敵に命中した。その直前に発動した『重量化Lv3』により、敵はバランスを崩して倒れてしまった。起き上がろうとしたところ、ボルトが上に乗ったので、もう動けなくなっていた。


「『従魔化』を付与。...もう良いよ、ボルト。ありがとね。」


ガルルッ、ガルルッ


「『従魔化』を付与。」さっきまでフラフラしていた、もう片方にも従魔付与をした。


これで、僕の従魔は3匹である。ミアが前に言っていたように、2匹とも召喚獣に設定した。これで、いつでも呼び出すことができる。もう少しで昼食の時間なので、付与は後でするとして、立方体と爪楊枝弾を集めることにした。




 家の裏口から、こっそり入って、僕の部屋に戻った。何事も無かったかのように、本を広げていたら、メイドが昼食の時間だと伝えに来た。


外が何だか騒がしかったが、料理があんまり美味しくなかったので、そんなことを気に留めている暇はなかった。


「ごちそうさまでした。」


「レオ様、これをお飲みください。神のご加護で授かった聖水ですよ。」


「聖水?」


「はい、効果はまだ不明ですが、何とも言えない飲み心地ですよ。」


(聖水に飲み心地ねぇ。眉唾(まゆつば)ものを買わされたんじゃないの...?)


「はい、どうぞ。」


ゴクッ...ゴクッゴクッ


口に入れた時のシュワッとした刺激、喉を通る時の爽快感。確かに、何とも言えない飲み心地だな...。何だか、懐かしいような...。


(あれ?これはまさか...。)


コップの中をよく見ると、泡がプツプツと上がっていた。それに、この飲み心地を合わせて考えると、1つの答えが浮かんで来た。


(こりゃあ、僕が朝に仕掛けた悪戯(いたずら)だな...。それが聖水か...。)


「レオ様、どうですか?力が湧いて来ませんか?」


「あ、うん...そうだね。」


「私は用があるので、それでは。」


「うん、ありがとね。」


「いえ。」




 悪戯(いたずら)した水が聖水になってしまう事件が起きたが、きっと問題無いであろう。そんなことより、さっき召喚獣にしたアイロンサウルス・幼体の付与が最優先である。まあ、ボルトと似たような付与にするつもりだが。


(ボルトは水と雷だから...。)


(こっちの子には氷と火属性で、そっちの子には風と地属性かな。)


(その他は、ボルトと一緒にするとして。問題は名前だな...。)


ボルトの時と同じく、覚えやすい名前を付けることにした。1匹目がファイ、2匹目がウィンである。聞いての通り、火と風を英語にしただけである。


「ファイ、ウィン、よろしくね。」


ガァルルッ、ガルゥルッ


これで、布石は打ち終わった。あとは、実行するのみである。この忌々しい大量発生を終焉へと導くために。そして、日常を取り戻すために。




 翌日、父さんが言っていた大将獣を倒しに行くことにした。こいつさえ、いなくなれば、再び平和が訪れるはずである。魔物は魔素の感度が高いので、おそらく周囲よりも魔素の濃度が高くなっている大将獣の位置などすぐに分かるはずである。


「ボルト、この辺りで、魔素の濃度が一番高い所に連れて行って。」


ガルルッ、ガルルッ


(前線のある南じゃなくて、南西の方なんだ。)


「坊や、どこへ行くんだい?」見るからに強そうな男の人だ。武器が両手剣の時点で、私は強いですと、言っているようなものだ。


(しまった!見つかったか。)


「えっと、その...。」


(大人相手に逃げられる訳がない。ここは納得させるしか...。)


「今は大量発生中で、とても危険なんだ。子供はお母さんと一緒に、家の中にこもってなさい!そうじゃないと...。」


「実は、父さんが大事な物を忘れちゃったから、届けに行くんだ。」


「子供1人でか...。代わりに、私が行ってあげよう。」


「僕じゃないと見つけられないし。...それに、父さんは後方要員だから。」


「後方要員か...。まあ、それなら。この先の集落にいると思うぞ。見た感じ、良さげなアイロンサウルスもいるが、気を付けるんだぞ。」


「分かりました。」


「またな、坊や。」




 ボルトは迷わず1直線に進んでいった。何だか、とても心強かった。ファイ、ウィンは念のため召喚していない。


ガルルゥッ


「ボルト、どうした?」


僕が左の方を見ると、前線から離脱した集団が近づいてきていた。こんな状況なのに、子供が1人で出歩いていると怪しまれるはずだ。


「『擬態化Lv3』を付与。」これで、周りの景色に溶け込めるはずである。折角(せっかく)なので、服に擬態化を施したまま進むことにした。


その集団から話し声が聞こえてきそうだったので、僕は耳を(ふさ)いだ。絶対に、良い話な訳が無い。それなら、絶対に聞きたくない。




 カキンッ、カキンカキンッ


しばらく進むと、鋭い金属音が聞こえてきた。おそらく、ここは前線の近くなのだろう。時々打ち上がる魔法などを見つつも、一直線に歩いて行った。


「ボルト、森が見えてきたね。」


ガルルッ


「この先なの?」


ガルッ!


ボルトは尻尾をブンブン振って、やる気満々だった。森に入るからには、用心をしなければならない。上空、木の影、水の中、地中、どこから敵が出てくるか分からない。


「ボルトが先頭、ファイは右、ウィンは左を歩いて。敵が出たら、すぐ攻撃してね!」


ガルルゥッ、ガァルルゥッ、ガルゥルッ


「3人とも行くよ!」


僕たちは森に足を踏み入れた。この先に何が待ち受けているか分からないが、そんなことは怖くない。前線にいる父さん、いや領民の皆が傷付くことの方が怖い。あんなに気さくで親切な人たちを守りたい。僕には、それを成し遂げるだけの能力、魔法、仲間がある...と信じている。

さて、レオは無事に森の中を進み、大将獣を倒せるのでしょうか?


まだ初心者で改善点があると思うので、なにかあれば感想で教えていただけると助かります。

もし面白いなと思っていただけたなら、評価もお願いします。

今後とも八咫烏をよろしくお願いします。

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