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付与術師の領地経営記  作者: 八咫烏
第2章 僕と従魔たちと
29/58

29、戦闘とすべき事と

 大量発生が起きてから、1週間が経った。始めは優勢だったが、負傷者が戦線を離れていく度に劣勢へと1歩ずつ近づいていた。連日連戦による疲れを、母さんたちの手料理で、何とか誤魔化しているようだ。もう気息奄々(きそくえんえん)たる状況になっていた。


「父さん、大丈夫そう?」答えは1つしか期待できないが、何となく聞きたかった。それを聞けば、これを乗り越えられる気がして。


「ああ、心配するな。あと、ちょっとで...片付くさ。」


「うん、頑張ってね。」


「大将獣を倒せれば...早く終わるんだがな...。」


「大将獣?」


「魔物が...大集団でいる時は、それをまとめる...大将がいるんだよ。」


「そうなんだ。」


「だからな...。」


「もう大丈夫だよ。父さんは早く横になりなよ。」


「ああ、悪いな。」


父さんはメイドの人に体を支えられながら、食卓を出て行った。連日連戦と睡眠不足で、家に着く頃には病人の(てい)になっていた。




 いつもは父さんが家に帰ると、母さんは笑顔で出迎えていた。しかし、最近では眉をひそめて目を細めながら、心配そうに父さんを出迎えている。母さんも戦っている人のために、朝からずっと料理をしていた。


「母さん、大丈夫?」


「私は大丈夫よ、お父さんに比べれば。」


(こういう時に、蜂蜜とかがあればなぁ...。)


「母さんも、しっかり寝てね。」


「ええ。明日の仕込みが終わったら寝るわ。」


「...。」


母さんに何と言って良いか分からなかった。頑張って欲しいけど、欲しくない。そんな矛盾した感情が僕を渦巻いていた。




 僕の部屋に戻っても、皆が忙しそうにしていて、誰とも遊べない。皆、自分のすべきことを見つけて、それを愚直にこなしていた。そうでもしなければ、遣り切れない。


(僕は、何をすれば...。)


(僕にしかできないこと...。)


(武器に付与はしたし、あとは...。)


「あっ!」ハッとして、周りに誰かいないか確認した。皆、忙しくて、僕に構っている暇は無いはずだが。


(ボルトと一緒に、討伐に参加すれば...。)


そうと決まれば、話しは早い。寝る時間まで、明日から使うであろう爪楊枝弾をたくさん作った。できるだけ回収しているが、それでも一定数減ってしまうからだ。




 翌朝、遠足に行く前と同じ感じなのか、早く目が覚めてしまった。冬だから、朝は冷え込む。まだ、5時過ぎだが、母さんたちは起きていた。


(ベッドに『保温化』を付与しておいて良かったよ。)


僕が起きると、メイドの人が服を着せ替えてくれた。僕も一応、領主の跡取りである。いつもと違って、少し冷めた朝食だが、文句は言わなかった。母さんが作った料理じゃないけど、文句は言わなかった。


文句は言わなかったが、何か嫌だったので、水差しに悪戯(いたずら)をすることにした。いや、これは正当な抗議だ。


「『炭酸化Lv3』を付与して、これに『固定化Lv5』を付与。」


「『if 誰かが触れる。 中身に炭酸化を転写する。』を付与。」


これで、水差しの中身が20分以内に、炭酸水に変わる。この世界には、炭酸水が無いので、飲んだ人は絶対に驚くはずである。あの刺激に。




 きっと僕の部屋には誰も来ないはずなので、昼食までに戻れば問題無い。グラント町の南側に行くのは危険なので、北側にあるいつもの丘に行くことにした。初めて、1人で外出である。


「ボルト、丘へ出発!」


ガルルッ、ガルルッ


(前線とは反対側だから、誰もいないな。)


すぐに、丘に到着した。いつもより、心なしか魔物が多い気がする。とは言っても、E、Fランクの烏合の衆だが。


「ボルト、いつも通りに行くよ!」


ガルルゥッ


ドッバァァン......ズドン、ズドン...ビュゥーン、ズドン


シュッ...ガチャン、シュッ...ガチャン、シュッ...ガチャン


魔物たちが心なしか、いつもより速い気がするが、お構いなしである。どっち道、ボルトの尻尾か、僕の爪楊枝弾に当たって、倒せるのだから。


ズドン、ビュゥーン...ビュゥーン、ズドン


シュッ...ガチャン、シュッ


ドンッ、ドンッ、ドドンッ、ドンッ、ドドンッ


何やら、懐かしい音が聞こえてきた。後ろを振り返ると、アイロンサウルス・幼体が迫って来ていた。それも2体同時に。


「ボルト、感電で足止めして。その間に、僕が装甲を溶かすから。」


ガルルゥッ




 アイロンサウルス・幼体と戦う時に一番大事なのは、表面の鉄をどうするかである。これが付いている以上、ダメージがほとんど通らない。


「『強酸化Lv4』を付与。」軍手で掴んだ土を強酸化させた。


これをアイロンサウルス・幼体に投げると、表面の鉄が溶ける。これを何回か繰り返していると、鉄が半分くらい溶け落ちた。


「ボルト、そのまま感電ね。近づいてきたら、尻尾。」


ガルルゥッ


「『氷属性Lv4』を付与。」


ガチャン、シュッ...ガチャン、シュッ...ガチャン、シュッ


ボルトが感電、僕が氷結を起こしていた。片方はもうフラフラになっていた。もう片方は...。


(あれっ、いない。)


ガルッッ


その瞬間、僕の周辺に大きな影ができた。そう、後ろから別の1匹に回り込まれたのであった。僕が思わず頭を押さえたその時、金属同士がぶつかった時の鋭い音が聞こえた。


ガチンッ


僕がゆっくり顔を上げると、僕の頭上にはボルトがいた。ボルトの両腕の上には、敵の両腕が乗っていた。そして、敵のお腹の装甲は溶けている。


「『if 付与して2秒経った。 重量化Lv3を発動する。』を付与。」二式AG(エアガン)(僕の空気銃)に装填してあった爪楊枝弾に爆速で付与した。


そして、素早く狙いを定めて、発射した。

さて、レオは無事に2体のアイロンサウルス・幼体を倒せたのでしょうか?


まだ初心者で改善点があると思うので、なにかあれば感想で教えていただけると助かります。

もし面白いなと思っていただけたなら、評価もお願いします。

今後とも八咫烏をよろしくお願いします。

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