27、仲間と共闘と
初めての従魔ができた次の日から、その従魔のボルト(アイロンサウルス・幼体)を実戦で使ってみることにした。ちなみに、従魔は
僕たちが話す言葉の意味は理解できるらしい。
ボルトには、水魔法を撃った後に、雷魔法を撃って、相手を感電させて戦うということは教えた。ボルトがやられそうになったら、僕が助けることにした。
「ボルト、行くよ!」
いつもの元気な鳴き声は聞こえなかった。隣を見ると、ボルトがいなかった。
「あれ?」
驚きつつも、周りを見渡すと、ボルトがいた。スライムの群れの真ん中に。
「ボルトッ、大丈夫?」
僕が叫んだ次の瞬間、僕の言葉に応えるかのように、ボルトが尻尾を1回転させた。すると、周りを取り囲んでいたスライムが魔結晶に変わった。
(スライムを一撃かよ...まあ、これがランクの差なのかぁ。)
「ボルト、勝手にどこかに行かないでね。」
ガルルルルゥゥゥゥゥ...
さっきまで上下に振っていた尻尾も、ダランと垂れ下がっていた。行動だけ見たら、犬にそっくりだった。何だか、悪いことをしている気持ちになってきた。
「ボルト、よくできたね。こんなに強いなら安心だよ。」
ガルルッ、ガルルッ
翌朝、父さんが領民の皆を集めた。大量発生ついて話すためである。父さんはいつも皆に笑顔で接しているが、状況が状況なだけに、真剣な顔をしていた。
父さんのそんな様子を見て察したのか、皆も静かに父さんが話し始めるのを待っていた。僕もどうなるのかドキドキしながら待っていた。
「皆、おはよう。今日は伝えたいことがあったから集まってもらった。」
父さんの肩が1回上下に大きく動いた。そして、1歩前に足を踏み出した。
「あと1ヵ月ほどで、大量発生が起こります。だから、ぜひ私に協力してもらいたいんです。このグラント町を魔物の手から守るために。」
「当たり前だよっ!」
「オリヴァーさんには、いつも世話になってるしな!」
「俺たちの手で良ければ、いつでも貸すぜ!」
「皆で、私たちの町を守りましょう!」
「今回も、きっと問題ないわよ!」
「俺たちにはオリヴァーさんがいるしな!」
「魔物なんかに、俺たちの畑を荒らされるかよっ!」
領民が1人1人言っているのかと思うくらい、色々な声があがった。父さんを振り返ると、いつの間にか背中を向けていた。父さんはそのまま話し始めた。
「み...皆、本当にありがとう。大量発生の対策については明日から始めることとしたい。俺は...絶対にこの町、畑、皆を守ってみせる!皆、頑張るぞぉ!」
オオォォォォォーーー
翌日から、大量発生の対策が始まった。発生予定地点は、グラント町の南に位置するゴーストフォレストである。よって、グラント町の外周の南半分に堀を作り、その内側に柵を設けることになった。要するに、遠距離からチクチク攻撃である。
僕は何をしているかと言うと、魔物討伐をしまくってボルトのレベル上げ中である。最近では、ボルトとの共闘も慣れてきた。
「ボルト、行くよ!」
ガルルゥッ
「あの魔物の群れを感電させて。僕は弱ったのを1匹ずつ仕留めるから。」
ドッバァァン......ズドン、ズドン、ズドン
シュッ...ガチャン、シュッ...ガチャン、シュッ...ガチャン
感電している敵を1匹ずつ仕留めていく。僕の爪楊枝弾が弱った敵を打ち抜いていく。
ズドン、ビュゥーン...ビュゥーン
シュッ...ガチャン、シュッ
近距離の敵には、ボルトの尻尾が飛んで行く。威力は見た目通りに強いし、攻撃範囲も広くて優秀である。
僕が持ってきたマガジン10個(80発分)を撃ち終えた頃には、周りに魔結晶がたくさん落ちていた。魔結晶はしっかり集めないと、シアとミアに怒られる。何でも、周りの魔素を吸収して、高ランクの魔物が生まれてしまうらしい。
「ボルト、魔結晶を集めて来て。」
ガルルッ、ガルルッ
魔物は魔素への感度が鋭いから、すぐに魔結晶を見つけることができる。ボルトの後ろをついて行くと、すぐに魔結晶が集まった。
「ボルト、ありがとう。おかげで、助かったよ。」
ガルッ、ガルッ、ガルッ
「じゃあ、シアとミアが来たら帰ろうか。」
シアとミアは僕と別の場所で討伐をしている。そっちの方が高ランクの魔物がいるらしい。僕は、このEとFランクしかいない環境が好きである。
木の枝を投げて、ボルトと遊んでいると、2人が戻って来た。空を見ると、西側は明るい暁色、東側は暗い青色だった。
「レオ様、どうでしたか?」
「ボルトのおかげで、たくさん倒せたよ。」
「そうですか。ボルトと共闘されると、一段と強くなりますね。」
「...。」
「どうしましたか?」
「その...2人は大量発生が起きたら、前線で戦うの?」
「え。」
2人はそんなことが聞かれるとは思ってもいず、顔を合わせて驚いてしまった。そして、暗い藍色のなった東の空を見ながら、言葉を噛みしめるように答えた。
「私たちは...レオ様のメイドである以前に、冒険者です。そして、冒険者とは市民を守る仕事...。だから、戦う以外の選択肢は...無いんです。」
「そう...。」
「でも、私たちは負けませんよ。レオ様をおいて。」
(2人とも、作り笑いが下手だよ...。でも、2人とも行っちゃうんだな...。)
「レオ様、帰りませんか?」
「そうだね、帰ろうか。」
「もう、お腹が減ってしまいましたね。」
「うん、僕もペコペコだよ。」
レオたちは、大量発生を無事に乗り越えることができるのでしょうか?
まだ初心者で改善点があると思うので、なにかあれば感想で教えていただけると助かります。
もし面白いなと思っていただけたなら、評価もお願いします。
今後とも八咫烏をよろしくお願いします。




