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付与術師の領地経営記  作者: 八咫烏
第1章 僕と異世界と
25/58

25、領主会議と大量発生と

仕事が忙しく、投稿時間が遅れていますが、2月に入れば落ち着くと思います。

 さて、ついに領主会合の日になった。待ち望んでいた訳でも無いし、今日でリスター市(リンクス公爵家領の中心都市)の観光が終わるのは悲しい気がした。そんなことを言っていても始まらないので、張り切って領主会合に臨むことにした。


「マングスター子爵、ご来場っ!」以前と同じく、執事がよく通る声で、僕の家名を言った。気恥ずかしかったが、胸を張らないといけないような気がした。


「ラクターン子爵、お久しぶりです。」


「...失礼、少し用事があるので。」と言って、足早に去っていった。


「どうしたんだろうね?」


「さあな、ふと用事でも思い出したんだろう。物価の高騰が収まっていないらしいし...まあ、正確なことは分からんが。」


「もう少しで始まる時間だね。」


「お、公爵が入って来たぞ。」父さんの声が急に小さくなった。




 「リンクス公爵のご入場!」偉そうに周りを見渡しながら、40代くらいの男の人が入ってきた。


「皆の者、今日はよく集まってくれた。健勝そうで安心したぞ。」


「挨拶の儀に移らせて頂きます。私が家名を読み上げるので、その順に公爵様の所までいらして下さい。」


(緊張してきたなぁ。今回も粗相が無いように注意しないとな。)


「では、マングスター子爵からどうぞ。」と、執事が言い終わると、会議室内にザワザワと動揺が広がっていった。


(どうして、うちが一番なんだよ。ああ、心の準備がぁ...。)


「オリヴァーか、久しいな。」


「はい、お久ぶりです、公爵。」


「どうして、お前が一番なのか分かるか?」


「いえ、私などには見当も...。」


「嘘を付け。お前なら、領主会合が招集された時には、分かっていたのだろう?」と、少しニヤリと笑いながら言った。


「さすが、公爵には(かな)いませんな。」


「それで、私にもジューサーとやらをくれないか?」


「分かりました。後ほど、送っておきます。」もちろん、タダでである。




 ジューサーの話が終わると、すぐに次の人の番になった。僕たちのような田舎貴族は、それぐらいの価値しか無いということだ。いつも通り、領主会合が終わると、領主会議が行われる部屋に移動した。


「これよりヴァイパー侯爵領の領主会議を始めます。始めに、ヴァイパー侯爵よろしくお願いします。」


「このメンバーで揃うのは1年ぶりだな。リンクス公爵との領主会合も済んだことだし、例年のように肩の力を抜いて話すことにしよう。」


(相変わらず、気さくな人で良かったよ。)


「まずは、オリヴァー。領内の状況を教えてくれ。」


「物価の高騰を抑えることに成功し、今年は問題なく越せそうです。1つ不安な事もありますが...。」


「何だ?」


大量発生(オーバーボーン)についてです。」


大量発生は、魔素の濃度が異常に上昇することで、活発化した魔物が大量に出現することだ。大量発生が起きる場所は決まっていて、その1つがグラント町(僕たちが治めている領土)の南隣りに位置する「ゴーストフォレスト」である。


「そう言えば、去年も言っていたな。」


「はい。」


「確か、今年の7月が発生予定月ではなかったのか?」


「そうです。しかし、魔素の濃度が上昇しているのに、大型の魔物が活発化していないんです。」


「つまり、どういうことだ?」


「今回の大量発生は、大規模なものになりかねない、ということです。」父さんが珍しく深刻な顔をして言った。それほど、大量発生は危険なのであろう。


「...そうか。支援部隊を強化しておこう。」


(僕も何かやらないとな。皆を守るのが、領主なんだから。)


「ありがとうございます。」


「いや、気にするな。俺とお前の仲じゃないか。」




 大量発生についての話しが終わると、次の議題に移った。一部の領主たちは、物価の高騰に苦しんでいるようだった。まあ、財政計画が杜撰(ずさん)だったのだから、仕方ない。


「では、これで領主会議を終わりとする。オリヴァーは話があるから、残ってくれ。」


(え、また、父さんだけ残る流れなの...。)


他の領主たちが、「また、あいつか。」という目をしながら、会議室を出ていった。残ったのは、ヴァイパー侯爵、父さん、僕の3人だけ。


「なあ、オリヴァー。1つ聞いても良いか?」


「はい。」


「ジューサーとは何なのだ?私はまだ使ったことが無くてな。」


「ジューサーですか。」父さんは隣に座っている僕を見た。多分、ヴァイパー侯爵に僕のことを話して良いか、考えているのだろう。


「...ここだけの話にしてもらえませんか?」


「ああ、良いだろう。」と言いながら、当たり前だと言いたげに頷いた。


「実は、ジューサーを作ったのはレオなんです。私は完成品を見せてもらっただけで、構造はさっぱり分からないのです。」


「何、レオ君がか...。」


「はい。レオ、ジューサーのことを説明できるか?」


「他言無用にしていただけるなら。」ジューサーの原価が大した値段じゃないと知られると、面倒な事になりそうである。


「当たり前だ。それで?」


「まず、容器については(わら)細工を使っています。」


「しかし、果実液が漏れないらしいではないか。藁細工ならば。」


「『密閉化』の付与をしているので、大丈夫なのだと思います。」


「付与か...。」


「どうりで、誰も真似できない訳だ。それで、どうやって果実を液状にしている?」


「藁細工の中で、『液化』の付与をしているので。」


「また付与か。それでは、原価は藁細工のみの値段か?」


「はい。」


「そうか。教えてくれて、ありがとう。これからも頑張ってくれ。」


「分かりました。」


今日からは、大量発生のために頑張らなくてはと思いながら、僕は会議室を後にした。絶対に、大切な物を守るために。

大量発生を無事に戦い抜くことができるのでしょうか?


まだ初心者で改善点があると思うので、なにかあれば感想で教えていただけると助かります。

もし面白いなと思っていただけたなら、評価もお願いします。

今後とも八咫烏をよろしくお願いします。

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