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付与術師の領地経営記  作者: 八咫烏
第1章 僕と異世界と
24/58

24、串焼きと鑑定と

 ブロンドの髪の彼女がいなくなると、今の状況を改めて理解した。自分がいけない事をしているみたいで、何だか居心地が悪かった。大きく深呼吸して、今の状況を整理した。


僕が考えなければならない事は1つ。もらった指輪を付けるか、大事に箱に閉まっておくかだ。もちろん、付けることにした。本当は指から落ちないように「ゴム化」を付与したかったが、何だか彼女の気持ちを変えてしまいそうで、付与できなかった。


(これが男女関係の悩みなのだろうか?うぅ、分からない...。)


「レオ様、どうかいたしましたか?」ハッとして横を見ると、離れた所で討伐していたシアとミアがいた。


「べ、別に何も無いよ。」


「本当ですか?」


「当たり前だよ。2人に隠し事なんしないよ。」


「あ、そう言えば、以前もこんな事がありましたね。確か、あの時は...。」


「そんなことよりも、そろそろ家に帰ろうよ!お腹も減っちゃったし。」話がマズい方向に進みそうだったので、無理やり話題を変えることにした。


「まだ5時ですよ。帰るには、まだ...。」


「いや、その...もう、疲れたから、帰ろうよ。」


「そうですか。それなら、帰りましょう。」




 僕が家に着くと、夕食の前に父さんの部屋に呼ばれた。椅子に座って待っていると、父さんがドアをガチャンと開けて、部屋に入ってきた。


「レオ、待たせて悪かったな。」


「そんなに待ってないから、気にしないで。」


「早速、本題に入るぞ。」父さんが領主の顔に変わった。気持ちの切り替えが早いのが、父さんの強みだと思う。


「うん。」


「1週間後に、領主会合が行われることになった。」


「もう、そんな時期だったんだね。」


「前回より少し早いけどな。」


「どうしてだろうね?」


「そりゃあ...。」父さんは僕を見たまま、固まってしまった。どうやら、何か悩んでいるらしい。


「?」


「いや、どうせ大人の事情だろう。気まぐれな人たちだからな。」


「今回も、冒険者ショップに行けるの?」冒険者ショップとは、僕が前回の領主会合の時に行って、特に楽しかった所である。そこになら、一生いられそうだった。


「レオは冒険者ショップに行きたいのか?」


「うん!」


「そうか、じゃあ、用が無い時に行こうな。」


「分かった。楽しみにしてるね。」




 庭にある木のリンゴが大きくなりかけている時に、領主会合をするために、リンクス公爵領へと出発した。相変わらず、僕の両隣にシアとミアが座っている。


前回と同じく、3日目の昼頃に目的地のリスター市(リンクス公爵家領の中心都市)に到着した。1年前と変わらず、商店街は賑わっていた。


去年と違うことが1つある。それは、僕がお小遣いを持っていることである。ジューサーのおかげで、お金が少し溜まっていたのである。


「父さん、前と同じで串焼きを食べようよ。」


「お、あれか。結構美味しかったよな。」


「そうそう。」


「じゃあ、冒険者ショップに行くか。」


「うん!」




 商店街を歩いていくと、周囲の建物に比べて、1つだけ異様に大きいのがある。そこが冒険者協会と冒険者ショップである。


冒険者ショップのドアを開けると、様々な色、大きさ、形の魔物の素材が見えた。その隣を見ると、冒険者の装備が色々置かれていた。僕がやりたいことは2つあった。


「いらっしゃい。お客さん、何にしますか?」相変わらず、串焼き屋のおっちゃんがよく響く声で聞いてきた。


「何かおすすめはありますか?」


「今日は良いエクセルボアが入ってるんだ。それなんかどうだい?」


「では、それを2本お願いします。いくらですか?」


「はい、2本ね。770ウィーズだよ。」値段は心做(こころな)しか高くなっているような気がした。


(去年も、同じ状況で、同じ会話をしていたな。)


「父さん、僕が払うよ。」


「それなら、買ってもらおうかな。」


「中々、親孝行なやつだな。気に入った、700ウィーズにまけてやる!」


「ありがとうございます。どうぞ、700ウィーズです。」


「おう、確かに受け取ったぞ。」


エクセルボアの串焼きを食べながら、次の目標に向かうことにした。いつ食べても、エクセルボアの串焼きは美味しい。僕も早くエクセルボアを倒せるようになりたい。




 次の目的地に付いた。そこには、3人がけのカウンターがあった。僕と同じで、鑑定をしてもらいに来た客が数人いた。


「レオは何を鑑定してもらうんだ?」


「これだよ。」ブロンドの彼女がくれた指輪を見せる。どんな指輪か分からないと、使いようがない。ただ身につけているだけでも良いが。


「お、おい。それはどうしたんだ?」


「えっと、何と言うか...知り合いにもらったんだ。」


(一応、嘘は付いていないぞ。やっぱり、父さんに嘘を付きたくは無い。)


「名前は誰だ、お礼をしなくては。」


「え、いや、その...事情があって引っ越しちゃったんだ。」


(まあ、これも視点を変えれば...。)


「そうか。じゃあ、大事に使ってあげろよ。」


「分かってるよ。」




 少し待っていると、僕の番が来た。鑑定師さんが落としたらどうしようか、と思いながら指輪を手渡した。鑑定師さんは指輪を見ると、固まってしまった。


「っ!......ふぅー、中々の代物ね。」


「ありがとうございます。」何だか、僕と彼女の仲が肯定されたみたいで嬉しかった。


「それで、これは誰かの形見かしら?いえ、答えなくて良いわ。そう、家庭が苦しくなって、形見の指輪を売らないといけないのね。」


(いやいや、何を話してるんだ?形見じゃなくて、プレゼントなんだけど。)


「お母さんのかしら、おばあちゃんのかしら?誰にせよ、きっと天国で許してくれるはずよ。よく勇気を出したわね。あなたたちの決意は受け取ったわ。100万ウィーズで買い取らせていただきます。」


「...。」驚きのあまり声が出なかった。色々な意味で。隣も見ると、父さんの返事に困っていた。


「どうしましたか?」


「...あの、別に売るつもりはありませんよ。」


「あら、そうなの?では、どうして?」


「この指輪ついて知りたくて。」


「ということは贈り物かしら。この指輪はスゴいわよ。魔力使用時の負荷を下げてくれるし、魔力量も増加するわ。それに...いえ、何でもないわ。」


「それが100万ウィーズの理由ですか?」


「本当なら80万ウィーズだけど、あなたたちの決意として増やしたのよ。」


(やっぱり、この人、変だな。まあ、指輪の鑑定はしてもらえたけど...。)


「その...ありがとうございました。」


「えぇ、また来てね。」

さて、次回から領主会合が始まります。何について話し合うのでしょうか?


まだ初心者で改善点があると思うので、なにかあれば感想で教えていただけると助かります。

もし面白いなと思っていただけたなら、評価もお願いします。

今後とも八咫烏をよろしくお願いします。

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