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付与術師の領地経営記  作者: 八咫烏
第1章 僕と異世界と
19/58

19、問題点とジューサーと

 付与をしまくって疲れたので、原っぱに寝そべっていると、僕の顔に誰かの影が覆いかぶさった。


(ん、誰かな?)


「レオ君、大丈夫かい。」


「あ、ラルクさん。」


僕と今話しているのはラルクさんと言って、2ヶ月前くらいに知り合った冒険者である。本人(いわ)く冒険者らしいが、話し方や知識が学者のような人だった。


「レオ君、怪我はないかい?」


「はい、心体ともに元気いっぱいですよ。」


「それなら良かった。アイロンサウルスの幼体の前に、レオ君が倒れていたのを見た時は、背筋がひんやりしたよ。」


「そんなに危険な状況に見えました?」


「そりゃあ、岩山みたいな魔物の前に、小さい男の子が倒れていたらね。」


「それは心配をかけて、すみませんでした。」


「別に良いよ。レオ君が無事だったんだし。それで、このアイロンサウルスの幼体はどうしたの?誰が倒したんだ?」


(やっぱり、その質問をするよなぁ。2歳半がDランクの魔物かぁ。でも、この人なら秘密のままにしてくれるかな...。)


「実は、僕が...。」


「ああ、そうだろうな。それで、シアさんとミアさんに内緒にしておけば良いんですよね?」


「はい、助かります。」




 ちょうどラルクさんが、自分のアイテムボックスにアイロンサウルス・幼体を入れ終わった時、ミアが両手に薬草を抱えながら、歩いて来た。


「レオ様、何か問題は起きませんでしたか?」


「う、うん...大丈夫だったよ。」


「それなら良いですけど。」


「うん、大人しくしてたからね。」


「そうですか。...あれ、どうしてこんなに立方体が落ちているんですか?」


「え...。」


確かに、足元を見ると立方体が、だいたい5マガジン分の40個落ちていた。これは、どこからどう見ても怪しい。まるで、大乱闘があったかのようである。


(し、しまったぁ。片付け忘れたぁー。)


「レオ様?」と、明らかに疑いの眼差しで見つめてくるミア。


「え...えっと、マガジンを落としたら、散らばっちゃったんだよ。」


「ふーん、そうですか。ラルクさんは何か知ってますか?」


(え、急にラルクさんに振るの?頼む、ラルクさん、話を合わせてくれ。)


「えっ、僕ですか。...別に...知りませんけど。それより、昼食を食べに行きませんか?美味しい料理屋を知っているんですよ、最近できた新しいのを。」


「...まあ、そういうことにしておきましょう。」


「それで、料理屋は?」


「良いですよ、3人で行きましょうか。」




 さすが、何でも知っているラルクさんがくれたお店は当たりだった。安いし、美味しい料理がたくさんあった。


「ラルクさん、これ美味しいですね。」


「そうだろ、レオ君。あ、ちょっとお願いがあるんだけど。」


「何ですか?」


「お父さんに言って欲しいんだけどな。」と言って、ラルクさんが話し始めた。ラルクさんによると、この町で起きている問題を改善して欲しいというものだった。主に、問題は4つあった。


①最近、冒険者の需要が下がっているので、それの改善。

②物価が高騰しているので、それの沈静化。

③無職の人への仕事の供給。

④出稼ぎに来た冒険者への警戒。


僕が感じていた問題もあれば、そうでないものもあった。特に、4つ目なんて意外である。父さんが一番嫌いそうなものだから。


「ラルクさん、どうして出稼ぎに来た冒険者への警戒が必要なんですか?」


「力を持った人は、時々自分より弱い人をいじめるんだよ。あとは、お金が欲しくて、他人の獲物を横取りしたり、怪しげな物を売ったりしているんだよ。」


「え、そんな冒険者がいるんですか?」


「まあ、一部だけどね。()(とう)に仕事をしている人から見たら、ただの迷惑なんだよね。」


「へえー、そんなことがあるんですね。」


「なるべく解決してもらえるように協力してね。」


「え、協力?」


「領主様はレオ君の言う事はよく聞くらしいから、しっかり交渉してね。」


(冒険者にも、父さんが親バカだって知られているのかよ...。)


「はい。でも、冒険者の需要の増加、物価のの沈静化、仕事の供給はもうすぐ解決しますよ。あと、1ヶ月くらいで。」


「え、4つ中3つも!」


「はい、任せてください。」


「分かった、よろしく頼むよ。」


(さすがの学者先生でも、僕が何をしようとしているか分かるまい、ハッハッハ。あれ、何か悪役みたいだな、そんなんじゃないのに。)




 ラルクさんと約束してしまったので、家に帰ってから、急いで仕事を始めることにした。まずは、フィリップさん(財務係)に頼まれていた「好きな味の果実液を作れる装置」の制作からである。


まあ、これは以前から考えていて、条件が揃うまで待っていただけなので、簡単な仕事である。条件とは、僕の付与術師レベルを上げて、付与で「if(条件)」が使えるようになることである。


条件と材料が揃ったことだし、早速作り始めることにした。材料は(わら)細工の鍋(円柱状の物)、果物だけである。


(さて、始めるか。まずは、容器から作ろうかな。)


「密閉化Lv2、滑ら化Lv2を付与。」


(容器は完成だから、あとは鍋の(ふた)に付与をするだけだな。)


「if 2回目に、ゴムと触れた部分が円になる。(しっかり蓋しているということ)

 中身に『液化Lv3』を転写する。」と、鍋の蓋に付与した。


(最後に、容器の縁に『ゴム化』を付与すれば完成だな。)


「ゴム化Lv2を付与。」




 一通り付与を済ませると、僕が思っていたのと近いものができていた。あとは、試しに使ってみるだけである。食卓に置いてあったブドウをこの「好きな味の果実液を作れる装置」、通称ジューサーに入れた。使い方はとても簡単である。


①蓋を取って、中に果物・野菜を入れる。

②蓋を閉じる。

③②によって、転写が発動して、中身が液化される。

④蓋を開けて、中身をコップに移す。


(よしっ!簡単だし、美味しいし、完璧だな。)

ラルクさんの言った問題のうち3つを解決できる秘策とは?


まだ初心者で改善点があると思うので、なにかあれば感想で教えていただけると助かります。

もし面白いなと思っていただけたなら、評価もお願いします。

今後とも八咫烏をよろしくお願いします。

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