18、少女とDランクと
2日に1回、例の丘で魔物討伐をすることを習慣にした。まあ、E、Fランクの魔物しか倒していないので、討伐と言う程のものでは無いが。もちろん、僕の右手には二式AG(8発マガジン付きの空気銃)が収まっている。
シュッ...ドスッ...ガ、ガチャン
シュッ...ドスッ...ガ、ガチャン
「レオ様、お見事です。」
「ありがと。」
「最近は、動いている相手に対する命中率も上がりましたね。」
「そうだね。まだ命中率は2分の1くらいだけど。」
「いえ、2歳半でそれなら、十分過ぎるくらいですよ。では、そろそろ帰りましょうか。」
「そうだね。立方体(マガジン内で、爪楊枝弾を通しておくもの)を拾ってから帰ろう。」
(この立方体、重要部品なのに消耗率が高いんだよなぁ。)
「これで、全部だと思いますよ。」
「1、2、3......34、今日は1個失くしたか。まあ、少ない方だから良いか。」
「では、帰りましょうか。さすがに、9月になると、涼しくなってきましたね。」
「うん。でも、もうお腹がペコペコだよ。」
始めの頃は、立方体を全部見つけるまで帰らないと、言い張っていた2人も、全部見つけるのを諦めたようである。時々、以前落としたのを見つけ、33発撃ったのに拾った立方体は35個とかにもなる。
翌々日も魔物討伐に行ったが、今回はいつもと違った。そう、僕の付き添いがミアだけなのである。どうしてかと言うと、シアが風邪をひいてしまったのである。ミア曰く、シアは真面目過ぎるのだそうだ。
ミアが薬草を探している間、僕は一人で討伐することになった。その時、事件が起きたのである。
キャアァァーーー
(え、何が起きたんだ。誰かの悲鳴ぽかったし、様子だけでも見に行くか。)
悲鳴が響いてきた方向に走っていくと、そこにあるはずのない大岩があった。しかし、どうも様子が変だった。
(さっきから、岩の大きさが変わり続けているような...まさか、魔物!)
急いで、魔物図鑑のページをめくる。サウルス種のページにそれは載っていた。
アイロンサウルス・幼体(Dランク)
・物理、地属性魔法攻撃
・物理ダメージ低減
・灰色で、大岩のような見た目である。
・人があまり来ない所に生息している。
・全身の表面が鉄で覆われているので、ダメージが通りにくい。
・これの成体は、特定駆除種の「アイロンサウルス」なので要警戒。 など
(まじかよっ、こんな大物がいたなんて...。あっ、小さい女の子もいる。)
本当は、シアが来るまで待ちたかったが、どうやらそんな余裕は無いらしい。少しずつ、アイロンサウルス・幼体は少女に近付いていく。
(ああ、もう。)
さすがに、目の前で人が、それも可愛い少女が死ぬのを見るのは嫌なので、アイロンサウルス・幼体を倒すことにした。
サウルスと付くだけあって、さすがにデカい。蓄積ダメージで倒すしかなさそうだった。二式AGを撃ちながら、少女の所へ向かった。
「君、大丈夫?」
「え、あなたは?」
「そんなことは良いから、すぐ立って!」
「は、はい。」
(とりあえず、この女の子から逃がすか。この魔物は僕がどうにか...。)
「じゃあ、君は早く逃げて!あとは、僕がどうにかするから。」
「でも、あなたが...。」
「僕は大丈夫だから、早く!」
「...はい、分かりました。この御恩は一生忘れません!」
(カッコつけたものの、どうやって倒せば...。)
実を言うと、爪楊枝弾2発撃ったのだが、2発とも跳ね返されているのである。まずは、鉄の鎧から剥がさないといけなそうだった。
(どうやって鉄を剥がすか。)
僕の付与術は、生物に対してかけられないので、相手に「火属性」の付与をかけて燃やすことはできない。
(鉄か...鉄の効果を無くすもの...。)
その時、ふと前世の理科の実験で、塩酸が入った試験管に鉄を入れたことを思い出した。その時はたしか、鉄から泡が出て...。
(あ、これは使えるぞ。『強酸化』を付与した物で攻撃すれば良いんだ。)
爪楊枝弾では効果が薄そうなので、僕の足元に散らばっている物を使うことにした。そう、土である。土に「強酸化」を付与して、これをアイロンサウルス・幼体に投げつければ良い。
手で『強酸化』した物を持つ訳にはいかないので、しっかり手袋に耐性を付与をした。
「酸耐性Lv2を付与。」
(あとは、土を持って『強酸化』を付与するだけだ。)
「強酸化Lv2を付与。さあ、行くぞ!」
僕の投げた強酸化した土が相手に当たる。その瞬間、そこの部分の色が落ちて、黒色になった。また投げる、またまた投げる。そろそろ疲れてきた頃、アイロンサウルス・幼体を見ると、もうお腹の部分は黒色になっていた。
(黒色の部分が、鎧の下の本体か。魔法図鑑曰く、弱点は火、雷属性魔法だから...。)
「火属性Lv4、雷属性Lv3を付与。」
シュッ...ドスッ
ガ、ガチャン
シュッ...ドスッ
ガ、ガチャン
シュッ...ドスッ
相手の鎧が剥がれた所に、火、雷属性を付与した爪楊枝弾を打ち込んでいった。マガジンを5つ使い切ったのと同時に、アイロンサウルス・幼体は仰向けになって倒れた。きっと、倒せたのだろう。これで倒せてなかったら本当に笑えない。
「ふぅー。」
(このアイロンサウルス・幼体はどうしようかな...。ミアに見せたら、シアに伝わって、僕が怒られるし。)
とりあえず、良い案が出るまで、大の字で原っぱに寝そべることにした。早く考えられると良いなぁ。
レオは難なくDランクの「アイロンサウルス・幼体」を倒せましたね。でも、効率は悪かったですね。
まだ初心者で改善点があると思うので、なにかあれば感想で教えていただけると助かります。
もし面白いなと思っていただけたなら、評価もお願いします。
今後とも八咫烏をよろしくお願いします。




