17、一式AGと連射性と
魔物と薬草の観察から帰って来ると、もう6時前で母さんが夕食の用意を始めていた。相変わらず、美味しい母さんのご飯を食べ終えると、今日の疲れが一気に押し寄せてきたので、寝ることにした。
翌朝も、いつも通り6時に起きた。シアとミアに、今日は外に行けるか聞いたところ、答えはNoだった。僕が魔力を多く消費した次の日に、外出して魔力を消費してはいけないと、父さんから言われているらしかった。
少しの間、何をしようか悩んだが、僕の一式AG(僕が作った空気銃)の改良をすることにした。まあ、多少魔力を消費するのには、目をつぶって欲しい。僕の一式AGの問題点は3つある。
・1発撃つごとに装填しなければならない。
・与ダメージが低い。
・弾道が安定せず、中距離まででしか使えない。
前世で、プログラムが正常に作動しなかった時と同じく、1つずつ問題を解決することにした。今回は、1番上のやつである。
*マガジンは、外側と内部の箱の2つからできていて、内部の箱の中に弾が入っている。本書では「外側の箱」、「内部の箱」と表す。
今日の目標は、僕の一式AGを多弾装填型に変更することである。解決策はシンプルだが難しい。これにマガジン(次弾以降の弾が入っている容器)を付けることである。
(さて、マガジンの外枠はできたから、どうやって半自動で装填できるようにするかである。)
次弾を半自動装填、つまり次弾を半自動で銃身に入れられれば良い。次弾をどうやって銃身まで上げるか...。
(次弾を上に引っ張る...引っ張る......あ、ゴムだ!)
そうと分かれば、後は簡単である。マガジンの内部の箱の底と銃身の上をゴムで結ぶだけだ。さて、実験である。
銃身とマガジンの間を仕切る板(これから隔壁と呼ぶ)をスライドさせた。その瞬間、木と木がぶつかる音がした。
(お、これは良い感じかな?)
期待を胸に、引き金を引いた。しかし、何も出てこない。
(あれ、おかしいな?仕方ない、一度分解するか...。)
分解すると、マガジンの中に入っていた爪楊枝弾8発が、すべて銃身に入ろうとしていた。つまり、銃身に1発ずつ入るのではなく、一気に全発が入ろうとしていたのである。
(っ!これじゃあ、使い物にならないなぁ。どうにかして、銃身に1発ずつ入るようにしないと、改良にならないよ。)
頭をいつも以上に捻った結果、1つの完璧な案が思い付いた。立方体に爪楊枝弾がぴったり通るように穴を空けて、爪楊枝弾をその立方体に入れたまま、マガジンに入れる。すると、爪楊枝弾がマガジンの中で一列に並んでくれる。
そして、装填する時は、1発目と2発目の立方体の間に、隔壁(銃身とマガジンの間を仕切る板)が入り、1発目のみが銃身に入る仕組みである。
この一式AGは圧縮した空気で板を飛ばす。銃身の前から7分目にある別の板の穴から、爪楊枝弾の圧縮した空気側の部分が少し出ている。その部分に飛んできた板が当たって、その板は7分目の板に止められ、爪楊枝弾のみが飛んでいく。
だから、爪楊枝弾を撃つ時も、この立方体は邪魔にならない。立方体がいくら溜まっても、爪楊枝弾の弾道と重ならない。それに、立方体がマガジンの下まで溜まった時は、一式AGを下に傾ければ、立方体が銃口から出てくる。
何を言っているか分からない人は、異世界だからと思って頂ければ幸いである。次に、爪楊枝弾を銃身まで上げる装置の制作である。
(ゴムだと、途中で切れるかもしれないし、丈夫な物が...。)
(何か、他に引き寄せ合うものは......あっ、バネなら。)
マガジンに付けたゴムを取り外し、マガジンの外側の箱と内部の箱の間に、バネを入れた。
(これなら、しっかり爪楊枝弾を銃身まで上げられるし、さっき閃いた立方体が1発ずつ装填してくれるし、これで完璧だね。)
シュッ...タッ (爪楊枝弾を撃った音)
ガ、ガチャン (隔壁を動かす音)
シュッ...タッ
ガ、ガチャン
シュッ...タッ
(よしっ!連射もできるし、これで完成かな。あとは、マガジンをたくさん作るだけだな。)
安全のために、そのマガジンを使うまでは、バネに「固定化Lv2」をかけておいた。使う時に、それを解除すれば、問題なく使える。
昼食を食べ終わってから作り始め、母さんに夕食だよと呼ばれるまでに、爪楊枝弾8本入りのマガジンを10個作れた。さすがに、手と頭を交互に動かしまくったので、すぐに寝てしまった。夕食を食べて、歯磨きをするなり、グッスリと。
次の日は休憩して、翌々日から実戦で二式AG(改修したので、一式→二式)を使い始めた。もちろん、シアとミアと一緒に例の丘に行った。
「レオ様、今日は何かを見せて頂けるんでしたよね?」
「うん。家で休息を取っている時に作ったんだ。」
「え。昨日も一昨日も、魔力を使われたんですか?そんなことが旦那様にバレでもしたら...。」
(うっ、シアは痛いとこを突くな。)
「そんなに心配しないで。ちょっとしか使ってないから。それで、今日見せようと思ったのはこれだよ。」
「それは以前にも...あら?棒の3分目あたりに何か増えましたね。」
「あ、本当だわ。さすが、シア姉様。レオ様、これは何ですか?」
(いやいや、見れば誰でも分かるよ、ミア。)
「じゃあ、ちょっと見てて。」
少し離れた所にいるスライムナイトを狙って、1発目を撃った。隔壁をスライドさせて、2発目を装填して発射する。スライムナイトは3発目で倒せた。
「レオ様、すごいです!」
「うん、ありがと。」
「たった2日でここまで改良できるとは。」
「これから、もっと頑張るから、期待しててね。」
「はい、分かりました。」
(さあ、これかれも『人生ガチ攻略』頑張るぞぉ!)
レオの武器が連射ようになりましたね。これから、何を作るのでしょうか?
まだ初心者で改善点があると思うので、なにかあれば感想で教えていただけると助かります。
もし面白いなと思っていただけたなら、評価もお願いします。
今後とも八咫烏をよろしくお願いします。




