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付与術師の領地経営記  作者: 八咫烏
第1章 僕と異世界と
12/58

12、人生と父さんと

 毒魚に『無毒化』の付与を始めてから、1週間が経ったある日、僕は突然倒れてしまった。そして、気付くと、僕の部屋で寝ていた。しばらくすると、父さんたちが来たので、朝食を作ってもらうことにした。


「レオ、朝食は食べられたか?」


「うん。もう体調は全快だよ。」


「どうして倒れたのか教えた方が良いか?」


「そうだね。またこうなっても嫌だから、頼むよ。」


「レオを診察した医者によると、魔力の使い過ぎたことと、疲労が溜まったことが原因らしいよ。特に、魔力の使い方については注意を受けたよ。」


「魔力の使い方か...。具体的にはどんななの?」


「まず、魔力がほとんど無くなるまで使わないこと。次に、魔力が溜まっていても、何週間も連続で使わないこと。この2つが主なことかな。」


「ふーん、今度からは気を付けるよ。」


「こういう事が重なると、後遺症が残るらしいから、頼むよ。」


「うん、分かった。ところで、毒魚を持ってきてくれない?今日は気分が良いから、付与をしたくて。」


「ダメだ!」


「えっ、どうして。3日も寝てたんなら━━」




 僕が台の上にあったミカンを取って、液化を付与しようと、手のひらをミカンに向けた。その時、僕の右腕が強い力で掴まれた。びっくりして、後ろを振り返ると、いつもとは違う父さんがいた。


「と、父さん...?」


「おい、レオ。今、何をしようとした?」


「ミカンに付与をしようかと思って...。」


「今、何て言った?もう1回言ってみろ!」


いつもとは違う父さんの口調に気後れしたが、辛うじて答えられた。


「ミカンに付与を━━」




 その瞬間、バチンッという音と同時に、僕の右頬に鋭い痛みが走った。ジンジンする痛みを堪えつつ、父さんを見ると、色々な感情が(こも)っているような顔をしていた。


「レオッ!父さんがさっき言った事を覚えているよな!」


「はぃ。」


「だったら、どうして付与をしようとする!レオなら、そんなことすぐに分かるだろ!」


「でも━━」


「倒れるまで気付かなかった俺に言う資格は無いが、すごく心配したんだぞ!俺だけじゃなく、母さんも!俺たちの気持ちが分かるか?」


「付与の練習をしたくて。だって、『無毒化』の付与もしないと...。」


「誰もレオが犠牲になることなんて望んでないんだよ!」




 父さんのその言葉を聞いた時、僕の体に稲妻が走ったような気がした。僕は決して忘れてはならない大事な事を思い出した。


今の僕は、ブラック企業で働いていた前世と、同じではないだろうか。目標を目指さず、ただひたすら闘牛のように突っ込んで、ドンドン傷ついていく。このままでは、転生した意味がない。


「父さん、ごめんなさい。僕が間違ってたよ。自分をもっと大事にしないとダメだったね。」


「いや、その...父さんも言い過ぎたよ。強く口調で悪かったな。」


「気にしてないよ。いくら()()()()()()()でも、僕が間違ったことをしたんだから。」


「...ん、何て言ったんだ?」


「あ、いや。皆のために頑張り過ぎたなあって。」


「ああ、そういう事か。じゃあ、父さんは仕事に戻るから、大人しくしておいてよ。付与はあと3日間は禁止な。」


「分かった、約束するよ。」


「シア、ミア。レオの世話を頼んだよ。」


「旦那様、分かりました。お任せください。」


(相変わらず、この2人は同じ言葉を同じタイミングで話せるんだな。ここまで来ると、本当に匠の技だよ。)




 僕が人生についての考え方を改めてから1週間が経った頃、大規模討伐が予定より早く終わったヴァイパー侯爵から、追加の救援物資が届いた。これで食料問題は解決しただろう。




 その頃、僕の領内では麦踏みが始まった。うちの領内では、二毛作を2年周期で行っている。トウモロコシ(夏)→大麦(冬)→インゲン(夏)→ライ麦(冬)の順で育てている。


1日に付与できる回数が減ってしまったので、他の事をすることにした。僕もそろそろレベリングを始める時期である。よって、武器を作ることにした。


(僕は付与術師だから、遠距離攻撃が主体かな。)


(あっ!クロスボウなら、ちょうど良いんじゃないだろうか。)


クロスボウの構造や使い方を思い出してみた。何回かパソコンで見たことがあったような...。


(矢を撃ったら、弓を引いて......あ!2歳児が弓を引けないよな...。)


(何かないかな。簡単に装填できて、簡単に撃てるもの......うーん......銃みたいなものの方が良いのかな。これなら、弾、いや矢を入れるだけだし。)


前世にあった色々な銃を思い出してみた。


(火薬は貴重だしなぁ。)


(...あ、そういえば、空気銃なんてのがあったな。)


(試しに作ってみるか。)




 ここは、異世界で魔法もある。つまり、空気銃の1丁や2丁なら、簡単に作れるはずである。まずは、家の裏に積んである薪を削って、空気銃の外枠を作る。


「軽量化Lv3、鋭利化Lv1を付与。」


(やっぱり、2歳児にとって工具は重いし、力もいるから、仕方ない。)


薪を削り始めた。こう見えても、僕は工作が得意なのである。前世では、たまに使った隠し芸の1つである。得をした記憶は無いが...。


(よし、外枠はできたぞ!)


「軽量化Lv3、頑強化Lv4を付与。」


(ここを固定して、弾は家にある爪楊枝を。)


「肥大化Lv2を付与。」


弾も本体もできたので、あとは空気の詰め方だけだが、これは簡単。この世界で、僕はある1つの発見をした。空気は手で持てるのである。


空気に圧縮化をかけると、一定時間だけ空気が固形になってくれる。これを銃の後ろの所から入れ、前から爪楊枝弾を入れれば、完成。


(試し撃ちだな。なんか、すごく緊張するな...。)




 周りに人がいないことを確認する。息を吐ききってから、しっかり目標を狙う。そして、トリガーを引く。この空気銃の仕組みはこうだ。


①圧縮されていた空気が、これの入った部屋に圧力をかける。

②トリガーを引くことで、圧縮した空気が入っている部屋の前にある、円板のロッ

 クが外れる。

③空気の圧力に押されて、円板が前に飛ぶ。

④これにぶつかった爪楊枝弾が発射する。


シュッ...タッ


ダーツの矢を的に当てた時のような、心地よい音が響いた。


⑤円板の位置を戻す。この時に、自動で円板がロックされる。

⑥爪楊枝弾を銃の前から入れる。

⑦圧縮した空気を銃の後ろから入れる。

⑧圧縮した空気がすぐに気体に戻り、①の状態になる。


この空気銃の構造から考えると、一度に複数発が出すことも、十分可能である。

レオは武器として、空気銃エアガンを作りましたね。これの性能やいかに。


まだ初心者で改善点があると思うので、なにかあればアドバイスしていただけると助かります。

もし面白いなと思っていただけたなら、評価もお願いします。

今後とも八咫烏をよろしくお願いします。

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