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付与術師の領地経営記  作者: 八咫烏
第1章 僕と異世界と
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11、付与と体調と

 一応、毒魚に『無毒化』を付与するのは終わった。しかし、どうやって本当に安全か確認しようかと悩んでいると、父さんが僕の付与した魚を持って、家の外に出ていった。そして、あっという間に焚き火を起こし、魚を焼き始めた。


「父さん、まさか...。」


「おい、オリヴァー...。」


「早まるなよ。考え直せ、オリヴァー。」


「3人とも心配するな。レオが付与した魚なんだから、多分、食べても問題ないだろう。...パクッ。」


「あ!」と、僕、フィリップさん、セオドアさんが言った時には、もう魚は父さんのお腹に入っていた。


「父さん、大丈夫?」


「おい、オリヴァー、生きてるか?」


「体に異常は無いよな?」


「ああ、もちろんだよ。さっきも言った通り、レオがやったんだから、絶対に問題ないよ。」


「それなら、良いんだけど...。」


「レオの付与は成功だったんだから、これからの事を考えよう。レオ、この付与をどれくらい使える?」


「うーん、...限界までやったことが無いから、分からないなぁ。」


「じゃあ、明日から無理の無い程度で、付与をしてくれないか?」


「うん、良いよ。明日から頑張るよ!」




 もう1回『無毒化』の付与の仕方を練習してから、寝ることにした。そして、翌日になった。今日から、『無毒化』付与をする日々が始まった。


始めは1日20匹、付与に慣れると1日30匹まで増やした。毎日付与をしているおかげで、始めてから3週間で、付与術師レベルが7に到達した。


「レオは良く頑張るな。」


「うん。僕が頑張れば頑張るほど、皆の喜ぶ顔が見れるからね。できるだけ頑張って、付与をしたくなるよ。」


「そうか。でも、体調には気を付けてね。」


「うん、分かってるよ。」


「ところで、今日は何匹やったんだ?」


「まだ23匹かな。今日は調子が良いから、40匹弱までやろうかなって。」


「35匹までにしておけよ。あんまり無理すると、体調を崩すからな。」


「分かった、35匹にしておくよ。」




 僕は良い子を演じるためではなく、本心から皆のために付与をしたいと思った。僕の前世は、ひたすらパソコンと向き合うだけの仕事だった。もちろん、そこには誰かの感謝や笑顔ではなく、課長の怒鳴り声だけが響いていた。


でも、この世界は違う。やればやるほど、父さんたちが褒めてくれる。失敗しても、前世のようにチクチク言われるのではなく、一緒に解決策を探してくれる。


昔は、武士が一所懸命をしたなんて、ただの馬鹿だと思っていた。しかし、この世界に来て、その本当の意味が分かった気がする。僕の目の前に、絶対に幸せにしたい人が、いや集団がいるのだ。命までは懸けられないが、できる限り助けたいと思うのは当たり前だ。




 「なあ、レオ。」


「...。」


「おい、レオ聞いてるか?」


「...。」


「レオ、大丈夫か?」


父さんに肩を揺さぶられて、やっと自分を呼ぶ声に気が付いた。


「...えっ、父さん?どうしたの?」


「こっちのセリフだよ。さっきから、ずっと呼んでたんだよ。」


「あ、そうだったんだ。ごめんなさい。」


「いや、別に良いんだが。ところで、体調は大丈夫か?」


「...まあ、多分。」


「顔色がいつもより悪い気がするから、今日は早めに休憩するんだぞ、良いな?」


「うん、25匹で止めるよ。」


「いや、20匹だ。」


(え、20匹?まあ、ここで体調を崩しても、仕方なぃ━━)




 次の瞬間、体が浮くような感じがした後、一気に視界が暗くなった。その後は、父さんたちの声が聞こえたような気がした。人間が死ぬ時は、こんな感じなのだろうか...。


しばらくしてから僕が目を開けると、暗い空間と板の天井(てんじょう)が見えた。前世で死んだ時と違って、女神様はいなかった。まずは右手、その次は左手といった具合に、体が動くのを確認していった。


一応、体は動くと思うが、力が入らず、起き上がれなかった。周りの様子が分からないので、誰かが来るまで、じっとしておくことにした。


「レオ様は、いつ起きるのでしょうかね?」


「そうね。早く起きると良いわね。」


(よし、やっと誰か来た。もう空腹で、死にそうだよ。)


「部屋のお掃除をした後は、朝食の用意ですね。テキパキとやりましょう。」


「はい、お姉様。」




 ドアを開ける音と共に、人が入ってきた。声から予想した通り、シアとミアだった。この部屋は暗いので、向こうから僕が起きていることは分からないのだろう。


「シア、ミア、おはよう!」


「はい、おはようございます。」


「今日は良い天気ですね。ピクニックなんかが...。」


「どうしたの?」


僕のその声を引き金として、2人は部屋から駆け出していった。初めて聞く2人の叫び声と共に。


「キャァーーーーー。」


(新手のお化け屋敷じゃ無いんだけどなぁ...。)




 少し待っていると、複数人の足音と共に、別の聞き慣れた声が聞こえてきた。僕が今までで一番聞いた声である。


「父さん、おはよう!」


「ああ、おは......お、おはよう、レオ。」


(何だよ、この間は!何となく傷付くんだけどなぁ。)


「うん、おはよう。」


「レオで良いんだな?」


「そうだけど。他の誰かにでも見える?」


「いや、医者の言っていた話と...。そんなことは置いといて、体調はどうだ、レオ?」


「うーん、お腹が減っている以外は、問題ないかな。」


「じゃあ、後はレオが朝食を食べてから聞くよ。」


「うん、分かった。」


(そういえば、僕が寝ている間、食料は大丈夫だったのかな?)

さて、レオはどうしてしまったのか?まあ、読者の想像通り、魔......でしょうかね。


まだ初心者で改善点があると思うので、なにかあればアドバイスしていただけると助かります。

もし面白いなと思っていただけたなら、評価もお願いします。

今後とも八咫烏をよろしくお願いします。

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